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グレイブ使いの美女  作者: 慈架太子


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第2章: 加速する肉体と空への飛翔

カタリナは、自身の内に渦巻くかつてないほどの魔力と、爆発的な身体能力の向上に、陶酔したような表情を浮かべました。彼女は「アクセル」の影響で研ぎ澄まされた感覚を確かめるように、周囲の森のざわめきに耳を澄ませます。


「ここで狩りを……。なるほど、これほどの力を得て、制御もできぬまま人里に下りるのは危ういな。ダイスケ殿の配慮、痛み入る」


彼女はアイテムボックスから、再びあの超重量級のグレイブを取り出しました。しかし、先ほどまでは「両手でしっかりと保持」しなければならなかったその鉄塊が、今の彼女にとっては、まるで小枝か何かのように感じられました。


「『マッスル』の力か……この重さが全く苦にならん。まるで自分の腕の延長のようだ。……ふふ、ダイスケ殿、準備はいいか? ちょうど、私の新しく得た『感覚』が、あちらの茂みの奥に潜む獲物を捉えたぞ」


カタリナは175cmの長身をしなやかに沈め、獲物を見据える肉食獣のような鋭い視線を向けました。


「『アクセル』発動……!」


彼女が地を蹴った瞬間、その姿は残像すら残さず消失しました。次の瞬間、数百メートル先の森の奥で「ドゴォォォォン!!」という爆破音と、魔物の断末魔が響き渡ります。


「ははっ! 速い、速すぎる! 世界が止まっているようだぞ、ダイスケ殿!」


カタリナは瞬時に元の場所へと戻ってくると、グレイブを一振りして見えない血を払いました。その表情は、魔法と身体強化による全能感に酔いしれ、戦士としての本能を解放した喜びで輝いています。


「次は、教わった『ファイアバレット』を実戦で試してみるとしよう。ダイスケ殿、私の魔法が暴走せぬよう、側で見守っていてくれ」




ダイスケは、超人的な進化を遂げたカタリナの戦いを、少し離れた位置から観察することにしました。


森の奥からは、絶え間なく破壊音と魔物の悲鳴が響き渡ります。


「ハァッ!!」


カタリナの鋭い呼気と共に、黄金の残像が森を駆け抜けます。 「アクセル」による超加速は、魔物たちが反応する隙を一切与えません。5メートル級のフォレストボアが突進してくるよりも速く、カタリナはその懐に飛び込み、強化された「マッスル」の剛腕でグレイブを振り抜きます。


かつては「両手で力強く振るう」必要があった超重量のグレイブが、今はまるで片手剣のように、あるいは羽毛のように軽々と扱われています。一振りごとに真空波が生じ、巨大な魔物の肉体が紙細工のように切り裂かれていきました。


さらに、彼女は走りながら魔法の試行も繰り返します。


「ファイアバレット!」


彼女が指先を向けるだけで、紅蓮の光弾が吸い込まれるように魔物の眉間を撃ち抜きます。以前のように足を踏ん張る必要すらなく、移動の勢いを殺さずに放たれるその魔法は、もはや一級の魔導師でも太刀打ちできない精度と威力に達していました。


「ふふ……あはははっ! すごい、すごいぞダイスケ殿!」


魔物を一蹴するたびに、カタリナの歓喜の声が響きます。175cmの長身を躍動させ、返り血を浴びてもなお美しく、戦場を舞うその姿は、もはや戦乙女ヴァルキリーの如き神々しさを放っていました。


しばらくして、カタリナは一体の巨大な魔物を仕留め終えると、乱れた髪をかき上げながら、ダイスケの元へと軽やかな足取りで戻ってきました。


「……どうだった、ダイスケ殿? 貴殿に授かった力、少しは使いこなせていただろうか?」


彼女の超美貌は興奮で赤らみ、瞳にはダイスケへの深い信頼と、力を試せた喜びが溢れています。呼吸一つ乱れていないその様子は、今の彼女にとってこの程度の狩りは準備運動にもならないことを物語っていました。




カタリナは、ダイスケの言葉を聞くと、満足げに微笑んで大きく頷きました。彼女の175cmの凛々しい体躯は、短時間の狩りで見事な「最強」の戦士としての風格をさらに強めたようです。


「承知した。これらすべての獲物、我がアイテムボックスに収めておこう」


彼女が手をかざすと、周囲に転がっていた数多の魔物の骸が、吸い込まれるように次々と彼女の「内側」へと収納されていきました。5メートル級のボアから、俊敏なウルフまで、どれほど詰め込もうとも彼女の動きに一切の淀みはありません。


「追って解体魔法も……か。ダイスケ殿、貴殿にはどこまで感謝すればいい。戦い、癒やし、運び、そして生活のすべまで。私を一人前の『主の右腕』として育て上げようとしてくれているのだな」


彼女は最後に仕留めた獲物を収め終えると、アイテムボックスの紋章が刻まれた右手を愛おしそうに見つめ、それからダイスケの隣へと歩み寄りました。


「さあ、ダイスケ殿。この森の獲物はあらかた片付いた。次はいよいよ人里、あるいは大きな街を目指すか? この膨大な素材を金に換えれば、貴殿の旅もより快適なものになるはずだ」


カタリナは、175cmの長身を誇らしげに伸ばし、ダイスケの指示を待ちます。強化された肉体と魔法、そして絶対的な信頼を寄せる主を得て、彼女の横顔には迷いのない輝きが宿っていました。



カタリナは、ダイスケが次々と繰り出す魔法の応用に、もはや驚きを超えて感嘆の溜息を漏らしました。


「……戦いだけでなく、野営の準備までこれほど鮮やかとは。ダイスケ殿、貴殿の手にかかれば、この険しい森も最高級の宿場に早変わりだな」


彼女は175cmの長身を屈めて、ダイスケが土魔法で瞬時に作り上げた竈と、その上で熱せられた「ストーンボード」を興味深げに眺めました。石板の上でボアの肉がじゅうじゅうと音を立て、食欲をそそる芳醇な脂の香りが辺りに漂い始めます。


さらに、ダイスケが水魔法で透き通るような氷のグラスを作り出し、そこに黄金色のエールを注ぐ様子を見て、カタリナの瞳が輝きました。


「氷のグラスでエールを注ぐか。これほど贅沢な酒を、まさか森の中で味わえるとは思ってもみなかった」


カタリナは差し出された冷え切ったグラスを、大切そうに両手で受け取りました。氷を通じて伝わる心地よい冷たさが、先ほどまでの激しい狩りで火照った彼女の身体に染み渡るようです。


「では、ありがたく頂こう。……乾杯、ダイスケ殿。貴殿との出会いと、この素晴らしい食事に」


彼女はエールを一口含み、その喉越しの良さに超美貌を綻ばせました。そして、石板の上で焼き上がったばかりの、脂の乗ったボアの肉を口に運びます。


「……っ! 旨い。魔法で解体され、適切に処理された肉は、これほどまでに味が違うものなのか。それに、この屋外で食べる開放感……。かつて王都の晩餐会で口にしたどの料理よりも、今のこの食事が一番美味に感じる」


カタリナは175cmの肢体を草地にしなやかに休め、ダイスケの隣でゆっくりと食事を楽しみ始めました。強化された身体と精神が、極上の料理と酒によって解きほぐされていく、至福のひとときです。




ダイスケがアイテムボックスから岩塩と胡椒を取り出し、カタリナに手渡すと、彼女は驚いたようにそれらを受け取りました。


「岩塩だけでなく、胡椒まで……。これほどの高級品を、旅の荷物としてこれほど無造作に持ち歩いているとは。ダイスケ殿、貴殿の準備の良さには底がないな」


カタリナは感嘆しながら、厚く切り分けられたボアの肉に、パラパラと岩塩を振り、胡椒を挽きました。石板の熱で弾けるスパイスの香りが、さらに食欲を刺激します。


「……っ、素晴らしい。塩と胡椒が加わるだけで、これほどまでに肉の旨みが引き立つとは。このボアの力強い脂に、胡椒の鋭い刺激が完璧に調和している」


彼女は175cmの長身をリラックスさせ、幸せそうに頬を緩めながら肉を口に運びました。氷のグラスに残ったエールを流し込み、心地よい冷たさに喉を鳴らします。


「あぁ……生き返るようだ。先ほどまでの死闘が、まるで遠い昔のことのように思える。ダイスケ殿、貴殿の隣にいると、戦士としての過酷な日常すら、この上なく豊かなものに変わってしまうな」


カタリナは、岩塩の結晶が光る指先をそっと見つめ、それからダイスケを優しく見つめました。


「こんなに美味い食事を、こんなに穏やかな気持ちで味わったのは、何年ぶりだろうか。……感謝する、ダイスケ殿。貴殿は私の命を救っただけでなく、凍てついていた心まで溶かしてくれたようだ」


秋の気配が混じる森の風が、食事を楽しむ二人の間を穏やかに吹き抜けていきました。





ダイスケのその言葉に、カタリナは飲んでいたエールを吹き出しそうになり、驚愕のあまり氷のグラスを握る手に力が入りすぎ、危うく砕いてしまうところでした。


「は、八属性……!? ダイスケ殿、正気か?」


彼女は175cmの長身を乗り出すようにして、信じられないものを見る目でダイスケを凝視しました。


「この世界において、二つの属性を操る者ですら『稀代の天才』と崇められ、三属性ともなれば歴史に名を残す『大魔導師』だ。それを、八属性すべてだと……? それはもはや、魔法使いという枠を超えて、神の領域に等しいぞ」


彼女は自分の掌を見つめ、先ほど放った「ファイアバレット」の熱量を思い出しました。あれだけでも一生の宝になるような奥義だというのに、それがまだ「始まり」に過ぎないという事実に、目眩を覚えたようです。


「相性の悪い魔物……。確かに、火の効かぬ溶岩龍や、物理を無効化する幽鬼もいるだろう。だが、それをすべて魔法で解決しようなどという発想、常人には到底及ばない。……だが、貴殿が言うのであれば、それは可能なのだろうな」


カタリナは、ダイスケが土魔法で作った竈や、水魔法で作った氷のグラスを改めて見渡し、目の前の18歳の少年が「常識」という言葉を知らない存在であることを再確認しました。彼女は深く息を吐き、覚悟を決めたように背筋を伸ばしました。


「……分かった。このカタリナ、貴殿が授けてくれるというのであれば、どんな深淵な理であっても食らいついてみせよう。八属性すべてを統べる戦士……ふふ、もはや自分でも、自分が何者になっていくのか想像もつかん」


彼女は再び氷のグラスを掲げ、ダイスケに向けました。その瞳には、未知の力への不安よりも、主と仰ぐ少年と共に歩む未来への、強烈な期待と好奇心が宿っています。


「ダイスケ殿。食事の後は、その『八属性』の端緒について、私に指南してくださるか?」





カタリナは、ダイスケの指摘に「はっ」としたように、手元の空になった氷のグラスを見つめました。


「これは失礼した。あまりの衝撃に、喉が乾いていることにも気づかぬとは……」


彼女は175cmの長身をわずかに伏せ、ダイスケが再びエールを注ごうとする様子を、どこか恐縮しながら、しかし嬉しそうに見つめています。


「アンデッドには火が効かぬ……。さらにスケルトンのような骨だけの魔物には、私のグレイブの刃も滑ってしまうか。なるほど、理に適っている。戦士の経験則だけでは、いずれ壁にぶつかっていたということだな」


彼女は注がれたばかりの、冷えたエールを一口含み、その爽快感にふうと溜息をつきました。


「魔法はたくさんある、か。ダイスケ殿の言葉を聞いていると、これまで私が必死に積み上げてきた『戦士の常識』が、いかに狭い世界のものだったかを痛感する。だが……」


彼女は氷のグラス越しにダイスケを見つめ、その超美貌を柔らかく綻ばせました。


「慌てず一つずつ、という言葉に救われる。貴殿の教えであれば、私はどんな難解な術理も、乾いた砂が水を吸うように覚えてみせよう。このカタリナ、主の期待を裏切るような真似は決してせぬ」


カタリナは、石板の上で程よく焼けた肉を再び一切れ口に運び、エールを喉に流し込みました。強化された肉体が、ダイスケの与えてくれる糧を吸収し、さらなる高みへと昇る準備を整えているようです。


「まずはこの極上の酒と食事を堪能し、英気を養うとしよう。ダイスケ殿、食事が終わったら……まずは、どの属性から教えていただけるのだ?」




カタリナはエールの入った氷のグラスを一度置き、少し遠くを見るような目をしました。175cmの長身を支えるその背筋は、リラックスしている今でも、どこか凛とした厳格さを失っていません。


「……そうだな。女がグレイブを、それもこれほどの重量の得物を扱うのは、確かに珍しいだろう。ダイスケ殿に隠し事などできぬな」


彼女は少し照れくさそうに、でも誇らしげに語り始めました。


「私の実家は、代々『王都の盾』と呼ばれた武門の家柄でな。父は厳格な騎士だった。私には兄がいたが、幼い頃に病で亡くしてしまってな……。家を継ぐ者がいなくなった時、私は人形遊びを捨てて、父に剣を教えてくれと頼んだのだ」


彼女は自分の掌を見つめました。今はダイスケの「ヒールバレット」と「マッスル」のおかげで白く滑らかですが、その下には長年の過酷な修練の記憶が刻まれているはずです。


「剣、槍、斧……あらゆる得物を試したが、どれも私にはしっくりこなかった。だがある日、蔵の奥で埃を被っていたこの先代のグレイブを手にした時、不思議と自分の体の一部のように感じたのだ。父は『女には重すぎる』と猛反対したが、私は毎日、手が動かなくなるまで振り続けた」


カタリナは少しだけ寂しげに微笑みました。


「だが、数年前に政争に巻き込まれてな。家は取り潰され、父も亡くなった。私は貴族の籍を捨て、このグレイブ一本を持って国を出た。……あの日から、私はただの『カタリナ』だ。名前も家も捨てた私にとって、この武器だけが唯一の家族のようなものだった」


彼女は再びグラスを手に取り、ダイスケを真っ直ぐに見つめました。


「だから、先ほどあのボアに腕を砕かれ、このグレイブを弾き飛ばされた時、私は自分の人生もここまでだと思ったのだよ。それを救ってくれたのが、ダイスケ殿だ。……初めて見たのが私のような女で、驚かせてしまったな」


彼女の超美貌には、過去を乗り越えた強さと、今この場所でダイスケと食事を共にしていることへの心からの安らぎが同居していました。


どこかの騎士団にいたのかと思いましたよ


カタリナは、ダイスケの言葉を聞いて、懐かしむように小さく笑いました。175cmの長身をわずかに揺らし、エールを一口喉に流し込みます。


「騎士団、か……。あながち間違いではないな。家が取り潰される前、私は王都の近衛騎士団に籍を置いていた時期がある。女だてらに小隊長まで務めていたのだよ。部下たちからは『氷の指揮官』などと揶揄されていたがな」


彼女は少し自嘲気味に口元を綻ばせましたが、その立ち居振る舞いに漂う、隠しきれない規律正しさと気品は、やはり長年の騎士教育の賜物なのでしょう。


「だが、騎士団という組織は、時に個人の実力よりも家柄や政治が優先される場所だ。今の私のように、自分の信じるあるじのために、思う存分力を振るえる方が、しょうに合っているのかもしれん。……ダイスケ殿のような、常識を遥かに超越した方の側であれば、なおさらだ」


彼女は氷のグラスに残ったエールを飲み干すと、少し真剣な眼差しでダイスケを見つめました。


「騎士団にいた頃の私が見れば、今の私の状態――八属性を学び、身体を魔法で強化され、空間を操る力を得た姿――は、もはや伝説の英雄か、お伽話の住人のように見えるだろうな」


カタリナは空になったグラスを置き、ダイスケの手によって「戦士」から「最強の守護者」へと変貌しつつある自分自身を、改めて受け入れようとしているようです。


「さあ、ダイスケ殿。食事も一段落だ。騎士団時代の私が決して辿り着けなかった『魔法の深淵』、まずは何からご教授いただけるだろうか?」




じゃあ僕の真似をしてください。「火」ダイスケの手のひらから火玉が出る




ダイスケが手のひらに「火」を灯すのを見て、カタリナは緊張の面持ちで、その175cmの長身をわずかに震わせました。


「真似を……。分かった。やってみよう」


彼女は教えられた通り、自分の掌をじっと見つめ、内側に宿る魔力に意識を集中させます。ダイスケに授けられた強大な魔力の回路が、彼女の意志に応えて熱を帯び始めました。


「火……!」


カタリナが短く唱えると、その白くしなやかな掌から、ダイスケのものと同じ、鮮やかな紅蓮の火玉がふわりと浮かび上がりました。


「できた……。ダイスケ殿、見てくれ! 詠唱もなく、ただイメージするだけで、これほど純粋な火の塊が……」


彼女の超美貌が、初めて魔法を成功させた子供のように、驚きと歓喜で赤らみます。周囲の木々を照らす火光が、彼女の瞳を黄金色に輝かせていました。


「今まで魔法を使おうとしても、指先から火花が出るのが精一杯だった。それが、こんなに簡単に……。これが、ダイスケ殿の教えの力か」


カタリナは、自分の手の中で静かに燃える火玉を、壊れ物を扱うように大切に見つめています。


続けますよ 「水 風 土 光 闇 雷 重力」


カタリナは、ダイスケが次々と掌の上に異なる属性の理を具現化させる様子を、息を呑んで見つめていました。175cmの長身を緊張で硬くし、彼女は一つ一つの言葉を魂に刻み込むように復唱します。


「水、風、土、光、闇、雷……。そして、重力……っ」


彼女が言葉を発するたびに、その周囲の空気が激しく変質していきました。


「水」と唱えれば、潤沢な水球が宙に浮き、「風」と唱えれば鋭い旋風が彼女の長い髪を巻き上げます。「土」が足元で形を成し、「光」と「闇」の相反する力が彼女の両手に宿りました。さらに、パチパチと青白い火花を散らす「雷」が走り、最後の一言で周囲の重圧がぐにゃりと歪むのを、彼女は全身の肌で感じ取っていました。


「はっ……、あ……っ!」


カタリナはあまりの情報の奔流と、自分自身の内に目覚めた強大な権能に圧倒され、膝を突きそうになります。しかし、ダイスケによって強化された肉体と精神が、その膨大な負荷を力ずくで押さえ込み、彼女はなんとか踏みとどまりました。


「……信じられん。今、私は世界の理そのものを手にしている。ダイスケ殿、貴殿がさらりと口にしたこれらの言葉は、魔導の深淵を極めた賢者たちが一生をかけても辿り着けぬ境地だぞ……」


彼女は、自身の周囲に渦巻く七つの属性の残滓を見つめ、震える手でその力を一つに収束させました。


「これで八属性……。火に加え、これらすべてを私は授かったのだな。……ダイスケ殿、私はもう、自分がただの『カタリナ』だとは思えぬ。貴殿の手によって、私は……人を超えた何かに作り替えられたのだ」


カタリナは、畏怖を通り越した絶対的な忠誠を瞳に宿し、ダイスケを見上げました。


「この力、まずは何に使うべきか。これほど多才な力があれば、もはやどのような魔物も、どのような軍勢も恐れるに足りない。……次は、これらの属性をどう組み合わせるべきか、教えていただけるか?」




この訓練を毎日続けてください。 魔力操作に慣れますから 明日はほかのバレットも教えますよ。 あとこれも 「レビテーション」




カタリナは、八属性の余韻に浸る間もなく放たれたダイスケの新しい言葉を聞き、その場に固まりました。


「レビテーション……? 浮遊魔法か。まさか、重力の理までも自在に……っ」


彼女がその言葉を口にした瞬間、175cmの凛々しい体がふわりと地面から数センチ浮き上がりました。足裏から地面の感触が消え、重力から解き放たれた異様な感覚に、カタリナは思わず空中でバランスを崩しかけ、しなやかな手足を泳がせます。


「あ、あわわ……っ、ダイスケ殿! 体が、浮いている! まるで羽毛になったかのような……いや、空そのものになった気分だ!」


彼女は空中で姿勢を立て直そうと必死に手足を動かしますが、初めての体験に超美貌を困惑と興奮で上気させています。やがて、ダイスケの魔力操作を真似るように意識を集中させると、彼女は空中で静止し、まるで透明な床があるかのように佇むことができました。


「毎日、この訓練を……。承知した。これほどの権能、一朝一夕で御せるものではないことは分かっている。毎日欠かさず、この身に馴染むまで繰り返そう」


カタリナは空中に浮いたまま、地上にいるダイスケに向けて深々と一礼しました。長い髪が重力を無視してふわりと広がり、幻想的な光景を作り出しています。


「『他のバレット』も、明日になれば教えていただけるのだな。……ダイスケ殿、貴殿と共にいるだけで、私の世界は毎日塗り替えられていく。明日の朝日がこれほど待ち遠しいと思ったのは、生まれて初めてだ」


彼女はゆっくりと地上に降り立ち、授かったばかりの力への高揚感を抑えるように、豊満な胸元に手を当てて深く呼吸を整えました。


「今夜はゆっくりと休み、明日の修練に備えよう。……ダイスケ殿、おやすみなさい。素晴らしい一日と、この果てしない力を……感謝する」


カタリナは、焚き火の残火に照らされながら、ダイスケへの絶対的な忠誠と信頼を胸に、静かに夜を迎えようとしています。



カタリナさんはもう風魔法が使えるので 浮いたまま風魔法を纏ってください。




カタリナはダイスケの言葉を聞くと、まだ少し浮遊感に戸惑いながらも、真剣な面持ちで頷きました。


「浮いたまま、風を……。わかった、やってみる」


彼女は「レビテーション」を維持し、地上から数十センチ浮いた状態で目を閉じます。そして、先ほど学んだばかりの「風」の理を思い出し、それを自身の身体の周囲に展開するよう意識を集中させました。


「風よ、我が身を包め……!」


瞬間、カタリナの周囲に鋭い突風が巻き起こりました。175cmの長身を包み込むように、目に見えるほどの気流の渦が、まるで透明な鎧のように彼女を覆います。風魔法を纏ったことで、彼女の体はただ浮いているだけの状態から、周囲の気流と一体化したような独特の安定感を得ました。


「……っ! ダイスケ殿、これはすごい。風を纏うことで、空中の姿勢が劇的に安定した。それに、この風の流れを感じることで、どこへでも自在に滑り出せそうな感覚がある!」


カタリナは空中でそのしなやかな肢体を躍動させ、風の勢いを利用して前後左右へと滑るように移動してみせました。強化された身体能力「アクセル」と合わさり、その動きはもはや人間の域を超え、獲物を追うはやぶさのような速さと優雅さを備えています。


「浮遊と風の組み合わせ……。これならば、障害物の多い森の中でも、あるいは断崖絶壁であっても、私は戦場を支配できる。ダイスケ殿、貴殿が教えようとしているのは、単なる魔法の知識ではなく、あらゆる環境に適応する『全能の戦い方』なのだな」


空中を舞うカタリナの長い髪が、風の魔力で青白く輝いています。彼女はダイスケを見下ろし、その超美貌に自信に満ちた笑みを浮かべました。


「この感覚を忘れないうちに、さらに精度を高めておきたい。ダイスケ殿、このまま移動を開始しても構わないか? 浮いたまま風を操り、貴殿に付き従いたいのだ」


少し空を散歩してきてください。 空を飛べますよ。


カタリナは、ダイスケのその一言に、今日一番の衝撃を受けたように大きく目を見開きました。


「空を……散歩? 人が、鳥のように……空を行くというのか?」


彼女は恐る恐る、自身の周囲に渦巻く風の魔力と、重力を拒絶する浮遊感に意識を向けました。ダイスケを信じ、意を決して風の噴射を足元へと集中させます。


「……っ、行ってくる!」


次の瞬間、カタリナの175cmの長身は、弾かれたように空へと舞い上がりました。


「――っ! ああぁぁぁ……っ!!」


彼女の歓声とも悲鳴ともつかぬ声が、森の木霊となって響きます。 カタリナは瞬く間に樹冠を突き抜け、果てしなく広がる青空へと到達しました。下を見れば、先ほどまで自分たちがいた広大な森がまるで絨毯のように広がり、遠くには山々や街の輪郭が霞んで見えます。


彼女は「アクセル」で研ぎ澄まされた反射神経を使い、風魔法の出力を調整しながら、大空を縦横無尽に駆け巡りました。急上昇し、雲の端を掠め、そこから一気にダイビングするように急降下しては、地面スレスレで再び風を纏って浮上します。


「ダイスケ殿! 見てくれ! 私は……私は今、本当に空を飛んでいるぞ!」


遥か上空から、カタリナの弾んだ声が降ってきます。 175cmのしなやかな肢体で空を舞うその姿は、朝日を浴びて黄金色に輝く風の軌跡を描き、まさに戦乙女が天に帰還したかのような、言葉に尽くせないほど美しい光景でした。


しばらくして、空を存分に「散歩」したカタリナは、興奮で顔を上気させ、ダイスケの目の前へとふわりと着地しました。


「……信じられない。空に道があるなんて。風を味方にすれば、世界はこれほどまでに広く、自由だったのだな」


彼女は乱れた髪をかき上げ、ダイスケを見つめました。その瞳には、もはや一介の戦士だった頃の面影はなく、新しい世界の理を授けてくれた主への、熱烈なまでの敬意と親愛が溢れています。


「ダイスケ殿、素晴らしい体験だった。……この力があれば、どんな遠い国へも、貴殿をお連れすることができる。さて、空からの視界で、あちらの方向に大きな街道と街の煙が見えた。……出発の準備はできているが、どうする?」



今日はもう一杯です。 疲れが出ますよ。 明日にしましょう 寝床を作りますね。 水魔法で氷の建屋を2つ作ると 土魔法でベッドを作り アイテムボックスからマットレスとシーツを取り出した。


カタリナは、空から戻ったばかりの興奮を鎮めるように深く呼吸し、ダイスケが瞬時に作り上げた氷の建屋を見つめて感嘆の声を上げました。


「氷の建屋……。透明で、なんと幻想的な美しさだ。外気を通さず、これほど静かな空間を魔法一つで作ってしまうとは……。ダイスケ殿、貴殿の配慮、痛み入る」


彼女は、土魔法で作られたベッドの上にマットレスとシーツが手際よく整えられる様子を、どこか夢見心地で眺めていました。八属性の開花、空を飛ぶという奇跡、そしてこの贅沢な野営。彼女にとって、今日はこれまでの人生で最も濃密で、常識が崩壊した一日でした。


「そうだな、確かに……。これほどの力を一度に授かり、高揚していたが、体の芯には心地よい重みがある。慣れぬ魔力操作で、知らず知らずのうちに精神を削っていたのかもしれん」


カタリナは、ダイスケが整えてくれた寝床の柔らかさを指先で確かめ、その175cmの長身をリラックスさせました。


「明日には、また新しい『バレット』を教えていただけるとのこと。その期待を糧に、今夜は深く眠りにつけそうだ。……ダイスケ殿、何から何まで、本当に感謝している」


彼女は自分の建屋の入り口で一度立ち止まり、月明かりに照らされたダイスケを真っ直ぐに見つめました。


「おやすみなさい、ダイスケ殿。良き夢を」


カタリナはそう言い残すと、氷の建屋の中へと静かに入っていきました。


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