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その赤を、燃やせ

作者:樽見 龍二
 かつての名門・Bリーグ「名古屋ブレイズ」は、長引く低迷により「古豪」へと成り下がっていた。広報担当の湊あかりは、空席の目立つホームアリーナで、定型文のような発信しか許されない現状に無力感を抱いていた。
 そんな中、親会社から新たな事業部長として氷室が着任する。徹底した合理主義者である彼は、「絆で電気代は払えない」と言い放ち、あかりが提案する地域密着の企画を「数字にならない」と一刀両断。コストカットと効率化のみを推し進める。
 反発するあかりは、深夜の練習場で、満身創痍になりながらシュートを打ち続けるキャプテン・火野の姿を目撃する。「スマートでかっこいい」というチームの表向きのブランディングとは真逆の、泥臭く、痛々しい姿。しかしあかりは、そこにこそファンが求めている「熱」があると確信し、非公式の裏アカウント『残り火日誌』を密かに開設する。彼女が綴る「映えない真実」は、冷え切っていたファンの心に火をつけ、地下水脈のように支持を広げていく。
 しかし、アカウントの正体が特定され、あかりは謹慎処分としてアリーナを追放される。だが、皮肉にもその処分が「火消し」どころか「バックドラフト(爆発的延焼)」を引き起こす。ファンの怒りは頂点に達し、火野をはじめとする選手たちも「彼女の言葉が俺たちの燃料だった」とボイコットを宣言。機能不全に陥った氷室は、論理的敗北を認め、あかりを呼び戻す。
 復帰の条件は「翌日のライバル戦を満員にし、勝利すること」。
 あかりは全権を握り、倉庫に眠っていた廃棄寸前の赤いペンライト4,000本を「松明」として配布する起死回生の策「オペレーション・バックドラフト」を敢行。真っ赤に染まったアリーナの熱狂を背に、泥人形と化した選手たちが奇跡のブザービーターを決める。
 
 数字とロジックの支配を、情熱と物語が覆した夜。名古屋ブレイズは「泥臭い炎」という新たなアイデンティティを掲げ、再生へと走り出す。

※複数のサイトに同一の作品を掲載中
3.皮肉な名前
2025/12/10 16:43
6.電気代と絆
2025/12/11 13:13
9.通知音という検閲
2025/12/13 01:27
13.残り火、点火
2025/12/14 03:29
15.赤ペンの虐殺
2025/12/15 02:00
16.ボット扱いの通知
2025/12/15 02:08
17.深夜の律動
2025/12/16 03:54
20.映えない真実
2025/12/17 02:41
22.拒絶音の翻訳
2025/12/18 00:42
23.泥の定義
2025/12/20 00:16
25.寝起きの審判
2025/12/20 00:21
26.30人の共犯者
2025/12/31 22:11
27.通知欄の熱量
2025/12/31 22:19
28.種火の生存
2025/12/31 22:27
33.10時の死亡告知
2026/01/02 21:56
37.巨人の進撃
2026/01/05 23:42
38.雑音の正体
2026/01/14 19:16
40.論理的敗北
2026/01/14 19:50
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