第2話 貴族の邸宅、異世界の目覚め
無道は、豪華な部屋のベッドで目を覚ます。
まだ夢見心地の頭で、昨日の出来事を思い出そうとする。女神セレネとの出会い、異世界転生、そして政治腐敗を正すという使命。
「…夢じゃなかったのか。」
無道は、ため息をつきながら、ベッドから起き上がる。部屋を見渡すと、豪華な調度品が並び、まるで貴族の邸宅のようだった。
「さて、これからどうしたものか…。」
無道は、途方に暮れながらも、女神の言葉を思い出す。しかし、すぐに別の考えが頭をよぎる。
「…あれ?もしかして、働かなくてもここで豪遊できるんじゃね?」
無道は、ニヤニヤしながら、部屋の中を物色し始める。豪華な家具、美しい調度品、そして美味しそうな食事。
「うひょー、最高じゃん!これなら、もう働かなくてもいいかも!」
主人公は、ベッドに寝転がり、天井を見上げる。
「…あれ?セレネ様は、どこ行ったんだ?」
主人公は、セレネの姿が見えないことに気づく。
「ちょっと、どこ行ってるんですかー?」
無道がそう叫んだ瞬間、背後から女神セレネの声が聞こえる。
「あら、随分とご満悦ね。まさか、ここで働かずに暮らそうなんて考えてないわよね?」
セレネは、無道の頬を引っ張り、怒った顔で睨みつける。
「い、いや、そんなわけないじゃないですかー!」
無道は、頬を抑えながら、必死に弁解する。
「ふん、嘘つき。そんなことだから、ダメ人間って言われるのよ。」
セレネは、主人公の耳を引っ張りながら、部屋を出て行く。
「い、痛い!待ってください、女神様ー!」
無道は、セレネに引きずられながら、部屋を出て行く。
「まずは、この世界のことを知るために、街に出てみましょうか。」
セレネは、無道の耳を引っ張りながら、そう提案する。
「は、はい…。」
無道は、セレネに逆らうことができず、大人しく従うのだった。
廊下に出ると、メイドと思しき女性たちが忙しそうに行き交っていた。無道は、セレネに耳を引っ張られながら、メイドたちに軽く会釈をする。メイドたちは、無道に笑顔で会釈を返す。
「(…そういえば、ここはアッシュフォード伯爵家とか言ってたな。なんで俺がこんなところに?)」
無道は、セレネに尋ねる。
「セレネ様、ここはアッシュフォード伯爵家とか言ってたけど、なんで俺がこんなところにいるんですか?」
「あら、アナタはここの客人として招待されてるのよ。異世界モノの定番、ご都合主義展開ってやつよ!細かいことは気にしないの。それより、早く街に行きましょう!」
セレネは、無道の耳を引っ張りながら、そう答える。
「い、痛い!わかったから、耳を引っ張るのはやめてください!」
無道は、セレネに懇願する。
「ふん、わかればよろしい。」
セレネは、無道の耳を離し、街へと続く扉へと向かう。
「(…まったく、この女神様には敵わないな。)」
無道は、セレネの背中を見ながら、そう呟くのだった。