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冒険にでかけよう
「おい、そっちにボールいったぞ!」
少年はボールを追いかけます。
平な広場なのにボールはどんどんスピーを増して転がっていきます。
まるでボールは見えない次元から力を与えられているようです。
「このボール変だぞ」
少年が追っていくと、突然、ボールが『ポン』と跳ねました。
そして、ボールが吸い込まれるように、人の手におさまりました。
「えっ?」
少年はボールを手にした人を見ました。
その人は、この広場にくる途中で、鉄扉の先に見た男の人でした。
「あ、あの……」
「ほら、ボール」
軽く放り投げたボールが少年の手に落ちます。
「あの、お名前は……」
「そうだな。Kと呼んでくれれば」
「Kさん、ありがとうございます」
少年は頭を下げました。
その後も、少年はしばらくの間、男の人の顔を見ていました。
すると、少年の頭には言葉が響きます。
不思議なことに、男の人は口を動かしていません。
少年の頭にもう一度、言葉が響きました。
『さあ、冒険にでかけよう』
おしまい
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