エピローグ
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「たけじぇいやないか!ひさしぶり~」
教室に足を踏み入れた私を出迎えたのは遠藤君のひときわ大きな声だった。つられてこちらを向く懐かしい顔ぶれ。小柳君が手招きしている。
高校生の時と比べ、自転の数は数えきれないほど増えている。回転に合わせ、皆それぞれに歩みを進めている。
だけど、今はあの頃に戻る。向こうでは山清せんを中心に人の輪が出来ている。
「遅かったじゃん」
布部君が着飾った服で、屈託のない笑顔を見せる。四つ葉のクローバーで寄り道をした分、遅れてしまった。教室には全員揃っているのかわからないけど、始業のベルが鳴る前と似ている。
「たけじぇい」
川崎君がドリンクを持ってきてくれた。あれから僕のあだ名はたけじぇいに定着している。挨拶もそこそこに別の人にドリンクを配りにいく川崎くん。面倒見のいい性格は相変わらずのようだ。
「みんな揃ったな、それでは出席番号順に席についてくれ」
「名字が変わっているものも居ますが、旧姓でいいですか?」
金沢さんが自分の席に着きながら確認して、山清せんが笑顔で頷く。全員が席につくとそれまで「なつかしい~」「こんなに小さかったっけ」といった声が消えて静けさがただよう。山清せんが教室内を見渡してこう言う。
「さて、みんなはどれだけ自分の事を知ったかな?それを私に見せてほしい、そうだな今回は出席番号の最後の者からにしよう。ではよろしく頼む」
視線が一番後ろの端の席に集まる。椅子と床の音をさせておもむろに立ち上がった僕は両手を互い違いに掲げる。
「僕の名前はわかもとたけじぇい!です」
沸き上がる教室。一番遠い席の相浦さんも手を叩いて笑っている「まだやっているの」と金沢さんの呆れた声がより笑いを誘う。前の席の子は笑いながらも「次やりづらいわ」と言いたそうな顔。
大丈夫、地球の自転は止まっていないから。
僕は片目を閉じて少し舌を出した。
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終わり
最後まで読んだそこのあなた!
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そうよね?その方が私が幸せよね?




