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身近な虫 2篇

作者: たんばりん
掲載日:2023/10/27

活動報告用に書いていたものですが、ひだまりのねこさま主催の「集まれエッセイ企画」を応援する意味も込めて投稿します。

※だがしかしこの作品は「集まれエッセイ企画」参加作品【ではない!】

エントリー用の作品は期日内にちゃんと書く……予定。


※注意 虫の写真があります。嫌いな方は見ないように。

2023年 身近な虫と戯れてしまった時のお話




【身近な虫、と言ってコイツを思い浮かべる奴はまずいないだろう】



 サンマを買ったのだった。


 何年ぶりだったろう。サンマの水揚げ量が減り、1尾100円を超えてからずっと買っていなかったのだが、たまたまコロナの後遺症で味覚が変わってしまったのをきっかけに、いろいろな食材を試している中で、久しぶりにサンマでも食べてみるかということになったのだった。


 サンマのいい所は調理が簡単だということだ。何しろ塩を振って焼くだけだ。グリルの掃除はメンドイが。


 冷凍サンマ、1尾280円。


 サンマは数年前まで1尾100円程度で売られていた魚だ。当時の記憶が残っている身としては「高いな」と思ってしまうのだが、よくよく考えてみればブリでもサバでも一切れで似たような値段であり、1食分と考えればそこまで高いわけでもない。


 あれ? 騙されてるのかな?


 痩せ気味の冷凍サンマを塩焼きにして食べてみる。独身時代はそのまま塩を振って丸焼きにし、頭と背骨と尻尾以外はおいしくいただいていたが、妻が内臓を食べないので結婚してからは頭と内臓を取るようになった。頭がない分グリルに入れやすく、食後の片付けが楽な気がする。気のせいかもしれないが。


 久しぶりのサンマだったが、食べてみると見事にサンマの味がしなかった。恐るべしコロナ後遺症。そうなるともうサンマの味が恋しくて、味覚が戻った時にもう一度買わざるを得なくなる。


 生サンマ、1尾250円。


 あれ? 少し安くなっているではないか。冷凍ではなく生なのに。しかも冷凍サンマよりふっくらしている気がする。これはお買い得なのではないか。そうだお買い得に違いない! 今買わねばいつ買うのだッ!!


 こうして人は簡単に騙されるのだ。


 頭を落とし、腹を開いて内臓を取り出す。頭と内臓をビニール袋に移すと何やら内臓がテラテラ光を反射して動いているように見えるが、うん? 生きているわけはないしまさかサンマの幽霊、いや、サンマの内臓の幽霊なのか?


 しばし「サンマの内臓の幽霊」に付きまとわれた時のデメリットを考えてみたのだが、生臭いくらいしか思い浮かばなかった。うん、無害だな。しかしこのテラテラは気になるな。近くで観察してみよう。



挿絵(By みてみん)



 ん? なんかいる?



挿絵(By みてみん)



 全長3センチくらいのミミズみたいなのが何匹か動いていた。うむ、これは是非動画で撮影しておくべきだった。


 そういえば何年か前、鮮魚コーナーに「アニサキスに注意」なんて書いてあったものだが、今頃になってそんな寄生虫に遭遇するとは。あいにく寄生虫に詳しくはないのだが、食べたらどうなるんだろう。いらない興味が湧いてきてしまった……。


 調べてみるとまさにこいつはアニサキス。食べると1週間ほど猛烈な腹痛に襲われるらしかった。


 食べてみるか、いや、腹痛うんぬんよりもこのビジュアルがキツい。


 結局、これを噛まずにこのまま飲み込む勇気が持てず、そのままゴミ箱行きとなったのだった。


 ちなみに小学生のころ、イナゴが食べられるのならバッタもいけるだろうと、ショウリョウバッタを口に放り込み、口の中を散々蹴るバッタを嚙みきる勇気が持てず吐き出したことがある。バッタの必死の抵抗に負けたわけだが、アニサキスはあのビジュアルに負けたと言えよう。でもテントウムシは丸呑みしたことがある。そして翌日、まったく消化されずにそのままの形で排出されてきた。どうやらひとかけらも栄養にはならなかったらしい。


 ごめん、あの時のテントウムシ。


 まあ、生の虫は食べない方が無難ということだ。




 ***




【身近な虫、というよりむしろ米なんじゃあないのか?】



 我が家はいつも玄米だ。


 近所に農協があり、いつもそこで5キロの玄米を袋詰めしてもらうのだ。妻と2人、5キロなら約33合、2週間程度で食べきれる計算だ。つまり2週間に1度は米を買いに行くわけだが、一か月分をまとめて買わないのは10キロの米を運ぶのが重いからではなく、主にコイツが出て来た時の被害を最小限に食い止めるためだった。



挿絵(By みてみん)



 いるいる、いっぱいいる。


 この米粒大の虫、みんな知ってるコクゾウムシだ。



挿絵(By みてみん)



 最近はめっきり見る機会が少なくなったが、私が子供の頃は大量発生する度に、家族総出で駆除したりしたものだ。駆除方法? 新聞紙に広げて目視でハンドピックだよぉぉぉ。


 都会っ子が求めてやまない自然とのふれあいがそこにはあった、いいだろう。うん、よくないな。


 今回はお店で購入した袋を開けて一発目、1合の米をすくうとたくさんのコクゾウムシが入ってきた。さすがに多くないかな。


 まあコクゾウムシなんか100%米を食べてるんだから、米みたいなものだろう。米だと思って食べればおいしいはずだし、実際味を感じない。


 本当は中心部を食べられた米の味が落ちるらしいが、私の舌をなめるなよ、まったく違いが分からないぜ。



挿絵(By みてみん)



 米の中に潜むコクゾウムシ。



挿絵(By みてみん)



 喰われた米は空洞になっていて簡単に砕ける。



挿絵(By みてみん)



 何しろこの愛らしい見た目に、つい「愛い奴じゃ、許す」なんて言ってしまいそうになる。



挿絵(By みてみん)




 同じ米につく虫としてはノシメマダラメイガのほうがハッキリとした害があって好きではない。


 みんな見たことがあるだろう、8ミリくらいの小さな蛾だ。


 やつらときたらコメ袋の中からこちらに向かって飛んでくるのだ。思わず体をひねってコメ袋を倒してしまい、ひどいことになってしまったではないか。あの時の恨み、忘れてないぞ。


 しかも害があるのは成虫だけではない。むしろ幼虫の方が害があるだろう。


 奴らは白い蛆状なので米との区別がつきにくく、知らず知らずのうちに食べてしまうのだった。他にも繭(? 米を糸でくっつけたり)をつくったり、なにより赤茶色の糞が混じると何とも言えないまずいご飯が炊き上がるのだった。100%米が原料の糞なのに。


 なんてことだ、ノシメマダラメイガの糞の炊き込みご飯はまずかった!


 当たり前というなかれ、コクゾウムシの糞の炊き込みご飯はまずくない(※個人の見解です)のだから。コクゾウムシは味を感じない(※個人の見解です)し、幼虫も米の内部に潜んでいるので目に触れない。あれ? こうなるとむしろ米(※個人の見解です)と言ってもいいんじゃないか? だからといってコクゾウムシだけ集めて炊いても食べる気にはなれないが。


 以前は米櫃に鷹の爪なんかを放り込んでいたのだが、たかが5キロの米、あえて駆除することもないだろうと放置している。なのにキッチンやリビングの床に這っているコクゾウムシを見かけるのはなぜなんだろう。なぜ奴らは這い出してくるのだろう。いったい何から逃れて来るんだろう。


 例えば、お菓子の家に住んでいるのにもかかわらず、あえてそこを飛び出そうとする者がいるのならば、それはその家に恐ろしい魔王が住んでいるからに違いない。あれ? 魔王って私か。


 私の家から飛び出して隣の家の米櫃まで冒険の旅に出るのだろう。


 勇者だ。


 そしてそんな勇者たちは農協の米櫃で大繁殖し、しばらくの間、続々と私のもとへ送り込まれてくるに違いない。


 そんな勇者たちを見つけ次第駆除している私はやはり魔王的な立ち位置なのだろうか。ごめんねコクゾウムシ、でも、飼うことはできないんだよ。




 ちなみに妻は全く気付かずコクゾウムシを食べている。虫が嫌いな妻も、見えなければどうということはないらしい。


 うん、あえて言うまい。

私の敬愛するエッセイスト、ひだまりのねこさま主催の「集まれエッセイ企画」が開催中です。

みなさまのご参加をお待ちしております。


↓詳しくはランキングタグから↓

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― 新着の感想 ―
[良い点] >結局、これを噛まずにこのまま飲み込む勇気が持てず、そのままゴミ箱行きとなったのだった。 アニサキス(が寄生している可能性のあるお刺身)を食べるときには,よぉく噛んでから飲み込むというの…
[良い点] アニサキス増えてると聞きます。 安い魚を買うと紐っぽいものついてて、嫌になりますね。 コクゾウムシの最後のくだりはホラーでした。 知らないということの幸せを噛みしめ、私は親戚から頂いてい…
[一言] コクゾウムシは、私の家もこの夏に大量発生しました(°▽°) 30キロのお米を旦那が購入。 冷蔵庫には全部入らず、米当番を入れて放置… 米当番が当番してない!?大量の虫に最初は衝撃を受けてまし…
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