083 ブランデル 対 ケイドルフ 2
一か八か近接攻撃をする……
奴が豪拳を放つ……
同時にフレイムブレスを吐く……
カウンターなら避けられまい……!
鎧には動くための隙間がある!
そこに火炎が入り込めば古傷を痛めることが可能だ!
ケイドルフは腹をくくる!
「いくぜ!ダブルスラスト!」
槍の連続攻撃!だが、これは避けられないための近接攻撃!
「豪拳!」
きた!カウンターの「フレイムブレス!」
拳に合わせて小竜が火炎を吐く!
ブランデルは発動した豪拳をキャンセル出来ない!ケイドルフを殴ることは出来たが、火炎をまともに喰らった!
「があぁっ!」ブランデルの古傷に激痛と熱さが電撃のように伝わる!
ケイドルフは顔を腫らしながら畳み掛ける!
「フレイムブレス!」
火炎に包まれ、鎧自体も高熱を帯びてくる!
堪らず、ブランデルが鎧を脱ぎ捨てた!
褐色の肌が見える中、真っ白に変色している部分がある!
古傷だ!
そこは無敵じゃない!
右耳が無く白くなっている!
左大腿部が白くなっている!
右手首が白くなっている!
今は見えないが、十兵衛が深傷を負わせたという背中も白いはずだ!
「おのれ……トカゲもどきが!」
ブランデルの怒りが蒸気となる!
スキンヘッドの頭部から、太く厚い両腕から、分厚い胸板から殺意の熱気が溢れている!
「貴様の運命は今決まった!死だ!」
鎧を脱がせたはずのケイドルフに冷や汗が滲む!
オレが有利だろ!
オレが優勢だろ!
呑まれるな……!
領域外なら奴は撃ってこない……
遠距離から一気に詰める技がオレにはある!
それでもう一度フレイムブレスだ……!
豪拳の届かない間合いを維持しながらケイドルフはその機会を伺うのだった。




