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052 ダンゾウの奇襲

 ある夜。

 闇夜に紛れて城下町の壁をよじ登る者が数名。

 壁を越えた者は小さな弓矢を用意し、矢の先に火を点けた。


 「光魔法!ライトアップ!」カルロスが光魔法を使い、真っ暗な街を明るく照らした!

 「水魔法を使える者は消火に当たれ!残りの者は忍者を見たら捕らえよ!」

 肉体を強化した騎士団が忍者と戦う!苦無に力任せの片手剣では分が悪い。忍者は壁伝いに次々と侵入するが、闇夜を明るくされては手裏剣も威力が半減、よく見えるので楯に防がれる者が多かった。

 

 「火遁の術!」

 いきなり、火炎放射が騎士団を包んだ!

 ロビンがその異常に反応した!「何者だ!」と、赤い忍者に斬りかかった!

 忍者は左手甲鉤で防ぎながら「某はダンゾウ。大陸王の統一のため参上した」右手甲鉤でロビンの顔面を襲う!

 間一髪、ロビンは楯で防ぎながら後ろへ跳んだ。

 「風遁の術!」

 火遁で燃えている騎士団や家がさらに燃え上がる!

 水魔法部隊がようやく鎮火に当たるが風遁の風に煽られ、被害が拡大する!

 

 「クレセントムーン!」

 三日月の風の刃がダンゾウを襲った!ダンゾウの手甲鉤では防ぎ切れず、袈裟斬りのように斬撃を受けた!

 「ロビン、替われ!私が相手をする!」出てきたのはマルス王子だった!

 ダンゾウは「これはこれは。マルス王子とは」思わぬ大物の登場に目を光らせた!「お命戴くぞ!」

 手甲鉤の連続攻撃!さらにハイキック!両手剣のガードを弾く!そこへマルスの胸板に鉤爪で袈裟斬りにした!

 幸い傷は浅いが血が流れだす!

 

 マルスは血をおさえながら「私には、八千万の民がいる」両手剣を上段に構える!「私は民の命を背負う!」後ろへ振りかぶりながら左足を高く上げた!「私は!ザロス王国!第一王子!」左足を強く踏み込み、両手剣を振り下ろす!「マルスだあぁぁぁぁぁ!」

 螺旋状に風が渦巻く!稲妻を光らせ、横にした竜巻がダンゾウを吹き飛ばした!

 ダンゾウは城下町を越え、どこまで飛んだかわからない!

 

 ダンゾウが撃退されたのをきっかけに残りの忍者は次々と逃げ出した!

 騎士団の消火も迅速に行われ、被害は最小限に抑えられた。

 

 マルスは騎士団を讃えた!

 「夜間にも関わらず、敵を撃退出来たのは諸君らのたゆまぬ努力のお陰である!我々は大陸王計画を断固阻止する!各々精進を怠るな!」

 

 カルロス、ロビンを筆頭に騎士団はマルス王子の言葉を胸に刻んだ。










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