表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/310

041 ザロス城会談再び

 時はザロス城会談に戻る。

 「そう言えば、先日貴国の預言書に、魔王を倒すことを仰っていましたかな」とザロス王が言った。

 オンブラがそれに答える。「三匹の聖獣が魔王を倒す、と。一匹はシャンティ様の雪鳥でございます。十兵衛様も聖獣をお持ちとか」

 「雷狐という狐がいるでござる。戦うところは見たことが無いので強さは正直わからぬが。残りの一匹はどこにいるでござる」

 「わかりません。大陸中探したわけではありませんが、噂も文献も手掛かりがないのです」オンブラが話した。

 

 「ならば、聖獣に聞いてみるでござるか。雷狐、表に出よ」

 十兵衛に呼ばれ、雷狐が姿を現した。

 シャンティも杖から雪鳥を出した。

 「雷狐、そなたらの他に聖獣を知らぬか?」

 「ん?知らぬぞ?というか、我とその鳥と会うのも初めてじゃぞ」と、雷狐が答えた。

 「なんだと?」十兵衛は頭を掻いた。

 「雪や、そなたはどうでありんす?」

 「私も会ったことはないんですが、土蛇かもしれません。夢に出てきたことがあるのです」と雪鳥が言うと、それならそうかもしれないとシャンティは納得した。

 

 シャンティによると、聖獣が夢を見ると実現すると言われているそうだ。

 「しかし、不死身の敵をどうやって倒すのじゃろうか」とザロス王が懸念する。

 オンブラは、「それでも倒さなければなりません。動かなければただ呑み込まれるだけです」と言うと、十兵衛は「……不死身。何故そのような化け物が現れたのでござろう」と尋ねる。 

 「確かに。じゃが、わらわの魔法で倒してくれようぞ」シャンティの魔法は初級魔法のみらしい。だが、魔力が桁違いにあるため初級でも上級超級の威力があるという。

 

 果たして強い魔法で勝てるのか。

 土蛇の存在は。

 十兵衛には何か策があるのだろうか。

 自信家のシャンティ、慎重なオンブラ、無口なファンゼルらと違い、十兵衛だけは右目を爛々とギラつかせていた。

 勝てる見込みというわけではない。十兵衛の場合、自分の全力をぶつけられそうな相手にワクワクし、勝つか負けるかわからぬ勝負に心踊らせているのだった。


 「皇帝の情報がもう少し欲しいところでござるが、試してみたいこともある。早う会ってみたいものでござる」

 と、密かに十兵衛は思うのであった。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ