表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
289/310

289 アラクニダ

 マルワンテレス国の東部に造られた港町は急発展で成長していた。船による輸入輸出が活発化、取引量の増加、それに伴う品目の多様化で大陸一の港町になった。

 人も当然増えていき、人口密度も随一となっている。

 いつものように巫女の衣装を着た雷狐がその中を歩く。

 「この辺りも人だらけになってきたのお」通りはお祭りの時のように過密状態。これでは移動も難しいので雷狐は浮き上がる。

 「手配書の者か」と声がする。

 雷狐は素早く声の主を探したが見当たらない。

 

 「ここだ」と、斜め上を見てみると糸で宙吊りに逆さまのスーツ姿の男がいた。

 雷狐が警戒する。

 「何者じゃ」

 「オレはキメラノイドのアラクニダ。指名手配の強いやつを探している」

 「そうか。我は雷狐じゃ。ならば見せてやるわ!超雷‥‥」雷狐が躊躇した!

 二人とも浮いた状態だが、少し下は人でいっぱいだ!ここで雷を放てば仮に躱されると無関係な人に落ちてしまう!

 雷狐は取り敢えず人気のない場所へ移動しようとその場を逃れる!

 だが、逃れた先に見えない障害があり、向こうへ行けない!

 ならばと方向転換しようとするも、先ほどの障害の粘着力のせいで動けなくなっている!

 

 ぬかった‥‥

 不利な状況で戦闘に入ってしまうとは‥‥

 また土蛇に怒られてしまうのお‥‥


 「蜘蛛の巣を張っておったのか‥‥」

 「そうだ。意外と見えにくいものだろう。さて、捕まえてしまえば容易い。一思いにこれを突いてやろう」

 アラクニダの腕が鋭利になる!

 「雷光!」

 アラクニダの目の前が光で見えなくなる!

 「雷電!」

 

 どこかに雷が落ちる!

 アラクニダには落ちていない!

 眩しさで視界が見えないながらも雷狐を探す!

 「ちいっ!どこへ行った!」

 やがて目が慣れて周りが見えてくる。

 蜘蛛の巣が破損していて、そこには雷狐は居なかった。

 「雷電を自分に当てたってことか‥‥」

 

 アラクニダは、上から狙えばまた誰かに会うだろう、とその場を離れて行った。

 

 





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ