287 ベガ
地面に蹲るナ-ジャをランスロットが発見する!
「おい!ナ-ジャ!どうした、誰にやられた!」
「へへ‥‥負けてない‥よ‥‥引き分け‥だよ」
「ナ-ジャ、毒か!リベラツィオネ デリアンジェリ(天使の解放)!」
ランスロットの状態異常解除の魔法により、ナ-ジャの全身に廻る毒を浄化した。
さらにナ-ジャに回復魔法を唱えた。
「お-、おかげで元気になったよ~」
「しかし、ナ-ジャが苦戦するほどの相手とは」
「卑怯な手がいっぱいよ~。鱗粉撒き散らして姿消えちゃうし、毒霧吐くし。特に毒はだめよ~」
「鱗粉‥‥蝶か‥」
「うん。蝶の羽根生えてたよ」
「キメラノイド‥‥」
「キメラ‥なにそれ」
「アスロック国から虫と人間のキメラが放たれている。キメラは種族の違う者同士を混ぜ合わせた生物の事だ。目的は分からないが、軍事目的で開発された生物だ。討伐依頼も出ている。このまま放置するのは危険な生物だ」
「そか、次会ったら負けないから!」
一方、修行中のライオスとジャネットの所にもキメラノイドが現れた。
「獣人族じゃないか。いい獲物見つけた」
ジャネットがそれを聞いて言い返す。
「ざっくりまとめるんじゃないよ。あたいは虎人族のジャネット。こっちは獅子族のライオスだ。大体、獲物ってなにさ。随分上から目線じゃないか」
「それは、俺が強いからだ。試させろ」
「あまり嘗めるものじゃない。それに特別戦う理由がなければ修行の邪魔だ」
「理由か。俺はキメラノイドだ。名はベガ」
「キメラノイド!討伐依頼があったな」
「なら、倒さないとな!」
獣人族二人の顔色が変わる!ベガも戦闘モードにシフトを変える!
「二人掛かりでこい。俺の力を知りたい」
「望み通り二人で瞬殺してやる!獣人の速さをみせてやろうじゃないか!」ジャネットが言う!
「ジャネット、油断はするな!」
ベガがドス黒いオ-ラを出す!
「速さか‥‥俺も速いぜ」
ライオスとジャネットが動く!
それを見てベガが動く!
ライオスの首に激痛が走る!噛み跡だ!血はあまり出ていないにも関わらず痛みがある!
ライオスが首を押さえて顔を歪める!
「ライオス!」ジャネットが心配する!
「大丈夫だ!」ライオスが叫ぶ!
「いくぜいくぜい!」ベガが迫る!
ジャネット以上の速さでベガが移動!ジャネットの腕が噛まれる!
「くうっ!」ジャネットの腕に激痛が走る!
二人には何が起きているのか分からない!
噛まれた場所は軽症だが痛みが尋常ではない!
ベガの恐怖がベールを脱ぐ!




