026 マルス 対 テレス 2
両手剣を振り回すより、片手剣の攻撃の方が本来速い!
テレスは大盾を前に構え走る!
マルスが上段に構える!
ゆっくり剣先を後ろへ移し、加速!
クレセントムーンが放たれる直前の下段の剣を大盾で止めた!
テレスが猛攻する!
テレスはそのまま盾を手から放し、片手剣の速さでマルスを圧倒している!
両手剣が間に合わず、わずかずつ身体に傷が増えていく!
そしてその速さを活かした技!
「ファストブレード!」
その剣は一度斬ったように見えるが三筋の刃を放つ!
受けたかに見えた刃はマルスに二筋の深い斬擊を残した!
おびただしい出血!
テレスが追い打ちをかける!
しかし、攻撃が緩くなっているのにマルスは気づいた!
両手剣で全てを受けながら「どうした、手緩いぞ!人を傷つけたのは初めてなのか!」
テレスは言われて思い当たった。確かに人を出血させたのは初めてである。しかも、その相手が自分の兄なのだ!
身内を傷つけた苦しさが攻撃を緩ませていたのだ!
「それでは私に勝てぬ!」
マルスがついにテレスを弾き飛ばした!
しかし、出血のせいもありダメージは深い!
力を振り絞り、マルスが跳んだ!
テレスの真上から渾身の力で両手剣を振り抜く!
「ヘラクレススラッシュ!」
大盾のないテレスに立っていられない程のGがのし掛かる!
立ち会い場の床が重さでめり込む!
テレスはついにうつ伏せに潰されてしまった!
マルスも着地したが疲労のため、膝をついて立ち上がれない!
テレスの指がピクッと動く!
「私は……、十兵衛様から、……体力……をつけよと……学んだ」
テレスが起き上がろうとしている!
「根性……を……つけよと……学んだ」
テレスがマルスより先に立ち上がった!
「そして、心を……鍛えよと……学んだ!今の私の最高の技だ!」
片手剣から四つの光がマルスを襲う!「ボーパルブレード!」




