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025 マルス 対 テレス 1

 マルスとテレスの対決の日が来た!

 マルス帰還の日、テレスから試合いたいと、挑戦状を叩きつけた形となった。

 どうせならば、指南が来る日に立ち会って頂こうということで話しは決まり、当日となった。

 

 立ち会い場には早くもマルスとテレスが向かい合っていた。

 遅れて十兵衛が立ち会い場に入ってきた。

 「おはようございます!十兵衛様!」テレスが元気に挨拶する。十兵衛も挨拶し、「初擊に気をつけよ」と小声で伝えた。

 十兵衛はマルスの方へ挨拶する。「マルス王子ですな。お初に御目にかかる。テレスは最近拙者が鍛えております。全力でお相手くだされ」

 マルスも挨拶し、「あなたが十兵衛指南ですね!なるほど、これは達人様だ。私も是非ご教授いただきたい!」

 まあ、その話しは後にしましょう、と十兵衛は二人の中間まで戻った。

 

 マルスが両手剣を上段に構える!

 テレスは片手剣、そして背負っていた大型の長方形の盾を取り出し構えた!

 わざわざ特注で造らせたもので通常は重い盾を軽く丈夫にしてもらった。盾に身体を隠すことも出来そうだ。

 十兵衛が右腕を上げた!

 「始め!」

 初擊に気をつけよ、この言葉を受けて、その初擊をどうやって引き出すかを考えていた。

 マルスの両手剣の先端がゆっくり後ろへ回っている!そして加速!「クレセントムーン!」

 三日月状の刃がテレスを襲う!

 テレスは大盾に身を隠したが、衝撃で後方へ弾き飛ばされた!

 盾が大型で助かった!

 そして、先生の言葉がなければ、確実に致命傷を負っていた!

 両手剣を下段に構えた!

 次は何が来る!

 両手剣はゆっくり上段に登り、渾身の力で叩き下ろされた!「シックルムーン!」

 先ほどの三日月より細い月が襲い掛かった!

 まともに受ければ斬られる!瞬時にテレスは大盾で月を受け流した!


 「どうした、テレス!守りばかり教わってきたのか!?」

 マルスが挑発する!

 わかってはいるのだが、マルスの技は一撃が強力で守勢はやむを得ない!

 「ならばこちらからいくぞ!」

 マルスが下段に構えた!

 シックルムーン!ではない!

 マルスは走りながら下段から上段へ移し、袈裟斬り!身体を一回転させて袈裟斬り!さらに、一回転させて袈裟斬り!「スピンスラッシュ!」

 全て盾への攻撃となったが、盾の左上部分が破壊されてしまった!

 テレスの額から冷や汗が流れる!

 やはり攻めなければ突破口はない!

 テレスは覚悟を決める!





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