241 騎士団の迎撃
ハウトゥス国との国境付近に到着したカルロス率いる騎士団五百は士気が燃え上がっていた!
「新生騎士団となって以来、我らはかなり走り込んできた!十兵衛様からも指南され、何千、何万回と反復してきた!今こそ、その成果を見せるときだ!」
カルロスが鼓舞してゆく!
「敵は一万、我らのたった二十倍だ!一人で二十人を倒す!」
これに騎士団は大歓声で応える!
戦おうとしている場所は何もない平原である。
通常、平原で正面からぶつかれば数が多い方が普通に勝つ。
ただ、普通の兵よりも勝る点もある。
ずば抜けたスタミナと筋肉である。
そして、十兵衛から教わった受け流しだ。
小競り合いしか経験したことのない兵が多い中、ザロス騎士団は襲い掛かられた時の受け流しを何度も練習してきた。
ハウトゥス軍が現れる!
ヒュッテ将軍が前に出る。
「ザロス王国が誇るカルロス騎士団の皆さん、我らが一万の兵に対してかなり少ないようですな」
「問題ない!ザロス王国の守護神カルロス騎士団が蹴散らしてくれる!」
「ならば望み通り捻り潰してあげましょう!掛かりなさい!」
「騎士団迎撃陣形!掛かれ!」
騎士団の中でも体格のいい者が前列に並ぶ!
ハウトゥス軍に向かって走り出すと、ラグビーのタックルのように肩から突撃する!
この突撃が強力!
ハウトゥス軍の前列を吹き飛ばし、さらに後ろの列も倒れていく!
その上に飛び乗り、ランスで三列目の鎧を衝く!
バタバタと崩れるハウトゥス軍の陣形に、さらに奇襲を掛ける!
ハウトゥス軍の両横へ、騎士団の横槍部隊が突撃する!
部隊同士の戦の場合、まず持つのは弓か槍である!
突撃した箇所は槍を持っている!密集した場所で槍を持っての方向転換はまず出来ない!
ヒュッテ将軍は、この予想外の攻撃にたじろいでいる!
五百の騎士団が一万の兵を圧している!
だが、二十倍の兵がこのままのわけがない!
ヒュッテ将軍が混乱の中、反撃に出る!




