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023 第一王子マルスの帰還

 一人の青年がザロス王国に向かっていた。

 精悍な顔つき、赤い髪は後ろに束ねている。日焼けした肌は歴戦の勇者のように無数の傷痕がみえる。

 背中の両手剣はブレイブハート。

 腰には日本刀を差している。

 鎧は軽装だが丈夫に造られている。堅さとスピードを活かせる装備のようだ。

 壊れては行き先の街で直す。何度も繰り返したせいか、装備としては限界が近い。

 彼はザロス王国第一王子マルスである。


 出発の日から共を連れていない。「生き抜く」ことが彼のテーマであった。

 強敵からの戦闘で「生き抜く」

 飢えや渇きから「生き抜く」

 暑さや寒さから「生き抜く」

 など、体力、根性、精神力を鍛える旅となった。

 

 城門がざわついた!

 「あなたは!マ、マルス王子!」

 マルスは元気そうに挨拶を交わす。「やあ、イ一サン衛兵長!」

 マルスは歓声の中を歩きながらそれに応えていく。

 

 やがて、マルスが玄武門に辿り着いた。

 途中、馬車を勧められたが、マルスは民の顔を見たいから、と固辞した。

 東にカルロス率いる騎士団、西にロビン率いる騎士団が並ぶ!

 「マルス王子、帰還!」

 「マルス王子、ばんざーい!」

 マルスはその間を歩いていく。

 

 

 城に着いたマルスはザロス王と王妃に帰還の挨拶をした。

 「おお、マルスよ。逞しくなったものよ」

 「毎日あなたの無事をお祈りしておりました。息災のようでなにより」

 マルスは膝をついて、「御心配おかけしましたこと、お詫びいたします」

 王妃は疲れを癒すように、と浴場と食事を勧めた。

 マルスは「お言葉に甘えます」と二人に微笑んだ。


 鍛練していたテレスの耳にもマルス帰還の知らせが届いた。

 「おお、兄上が!」

 十兵衛に鍛えられたテレスは、マルスと戦ってみたくなっていた。

 勝っても負けても兄を支えるつもりである。

 だが、かつての自分より格段に強くなった力をみて欲しい。

 片手剣を研究し、技もいくつか会得した。

 対十兵衛用の秘策だったが、マルスにぶつける!

 密かな楽しみができた!テレスはそう思うのであった。




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