210 スカイドラゴン
マルワン魔王城三階。
「このフロアもだだっ広いわね~」とジュリーが言った。
「二階とほぼ同じぜよ。さらに格上が来るかもしれん」と以蔵が周りを見渡しながら言った。
上の方で何かが光る!
その光からパーティに向かって火炎が襲いかかる!
「スカイドラゴンだわ!」ライカが火炎を避けながら叫んだ!
「くっ!千条縛!」
ダンゾウがスカイドラゴンに糸を放つが届かない!
「ウィンドスピア!」旋風の中の風の槍がスカイドラゴンを狙う!
スカイドラゴンの身体が硬質化する!
ウィンドスピアがスカイドラゴンに衝突するが弾かれてしまった!
スカイドラゴンが雷撃を放つ!
ダンゾウたちは間一髪で雷撃を躱す!
雷撃がまた放たれる!
フロアの中を無数の稲妻が次々と落ちてくる!
皆が躱す中、ジュリーが直撃を受ける!
「一旦逃げるしかないわ!空中戦は不利よ!」ライカがジュリーに回復魔法をかけながら二階に行こうと促す!
その時!
二階に繋がる階段を登ってきた冒険者が現れた。
「お-!やっと敵がいたよ-!」
14.5歳くらいの女子冒険者。腰には水色の長い布を巻き、手首には少し太めの腕輪を装着。背中に炎を型どったような槍を持ち、足の下にはそれぞれ車輪があり、床から浮いている!
黒髪をツインお団子にまとめ、蓮の葉をイメージしたチャイナドレスをアレンジしたような装備だ。
「あのドラゴンはあたしが戦ってもいい?」
「おなごじゃ危ないぜよ!あれは強い!わしらと逃げるがじゃ!」以蔵が言う!
「逃げるんなら、あたしがやってみるよ!」
と、車輪から炎を出してスカイドラゴンに向かって飛んでいく!
スカイドラゴンが火炎を吐き、雷撃を繰り出す!
チャイナ娘は空中で素早く躱していく!
「乾坤圏!」手首の腕輪がスカイドラゴンに放たれる!
腕輪は超回転しながらスカイドラゴンの胴を貫通する!
さらに背中の炎型の槍を手にすると、ドラゴンの首に突き刺し、そのまま胴体を切り裂いていく!
「火尖鎗!」
スカイドラゴンは大量の血を噴き出して床に墜落した!
「おお!問題なく倒したぜよ!」以蔵が驚愕する!
「某はダンゾウと申す。凄いな!あのドラゴンをあっさり倒せるとは!」
「あたしはナ-ジャよ。本当は上に行く予定だったんでしょ?一緒に行ってもいいよね」と提案してきた。
断る理由などない。
空中戦も地上戦も強い強力な戦力だ!
ジュリーたちは簡単に自己紹介を済ませて先を行く事となった。




