021 ナンシーとの別れ
ナンシーは十兵衛に向き直り「いいわ。十兵衛ちゃんならテレスちゃんを預けられる!」と、爽やかに微笑んだ。
「ナンシー様ではありませんか」と、テレスがやってきた。テレスは二人に挨拶を交わす。
ナンシーはテレスの髪を撫でながら、「いい先生に巡り合えたのね。正直嫉妬。もうあなたに教えることは出来ないけど、アタシは星になってあなたを見守ってあげるから」
テレスは涙を拭いながら別れを惜しんでいた。
「今までご指導ありがとうございました!」
「じゃあね。テレスちゃん、十兵衛ちゃん」
ナンシーはモンローウォークで去って行った。
十兵衛は、テレスを眺めた。「真面目に走り込んではいるようだな」
では始めよう。と、思ったが、木刀が限界を迎えそうなのに気づいた。
「拙者は素手で参ろう」
テレスは片手剣に楯を装備した。
「いきます!」テレスは左手の楯を前に、片手剣を隠す。
今度はテレスも簡単にはいかない。テレスは右目の視界に逃れるように十兵衛を中心に左に回る!
スピードを上げる!十兵衛はリラックスして立っている!
何度目かの十兵衛の背後に来た時、テレスが襲い掛かった!
十兵衛は膝を屈めながら向き直り、テレスに対して半身になる!
テレスの片手剣をかわし、そのまま右手を掴み、腰をテレスの懐に入れて持ち上げた!
十兵衛の背負い投げが決まった!
さらに手首をひねり、腕を返してテレスを投げる!
また、逆にひねり、腕を返してもう一度投げた!
辛くも離れることが出来たが、テレスは握力を失くし、片手剣を落としてしまった!
テレスはそれでも向かっていき、右手をフェイントに、右のハイキックを放つ!
十兵衛はそれを屈んでかわし、反動でジャンプする!身体をひねり、右足でソバットを顔面に決めた!
テレスは後ろへ大きく飛ばされ、大の字になって気絶した!




