182 タンタラ魔王城入り口
一方、十兵衛パーティはタンタラ魔王城入り口に着いた。
「お待ちください。背後に敵です」
土蛇が冷静に言う。
かつて出会った、あのデュランのような雰囲気……
獣人なのか……
「あれはデーモン族だ。鎧のように見えるのは皮膚というか殻なのだが、柔軟で硬い。属性は闇。私は光属性のスキルをもつ。私が相手をしよう」
とランスロットが佩剣アロンダイトを手にする!
デーモンもこちらを認識した!
足が速い!
「ミゼリコルデア ディウナンジェロ!(天使の情け)」
アロンダイトがデーモンに一閃!
デーモンはその場で浄化されて消えてしまった!
「おお!一撃とは!また強いおなごが加わったものよ、なあ十兵衛」
雷狐が意地悪く笑う。
「雷狐、まだいるようだ。油断禁物でござる」
デーモンの戦士が10体ほどが近づいてくる!
「次は我じゃ!超雷電!」
5体のデーモンに、轟音と同時に七色の雷が落ちる!雷に当たったデーモンは一瞬で消し炭となった!
「ミゼリコルデア ディウナンジェロ三連!」
ランスロットの光の筋が連なりデーモンが3体浄化された!
残り2体のデーモンが十兵衛を襲う!
鞘に納めたままギリギリまで引きつける!
気づけば三池典太を鞘に戻している!
デーモンは2体とも十兵衛の側で真っ二つとなっていた!
「十兵衛の居合いはいつ見ても斬るとこが見えんのお」雷狐が言う。
「うん……素晴らしい……」
ランスロットも見ていたのか、十兵衛に感心しているらしい。
「私も見たが見えなかったぞ!なんだ今の技は!」ランスロットが興奮している!
「クールと思ってましたがそのような一面もあるのですね」と土蛇が言う。
「別にクールなわけではないぞ。口数が少ないだけだ。それにしても、十兵衛の、居合い、というのか?あれは素晴らしいものだな。是非ご教授願いたい」と、ランスロットが言うと、十兵衛が「居合いはこういった日本刀が必要でこざる。無事に帰ることが出来ればお教えいたす」と言った。
ランスロットはそれを聞いて足取り軽く、魔王城の扉を開けた。
マルワンと違い、こちらの扉はすんなり開くようだ。
中に入る。
天井が高いことにまず圧倒される。
とんでもなく広い一階である。
外側とは違い、荘厳さに加え、きらびやかな装飾がフロア全体に施されている。
いるかはわからないが、闇の大公爵の住まいという雰囲気だ。
両側には部屋が奥まで並んでいる。
何ヵ所か部屋の扉が開いており、冒険者パーティが中にいた悪魔族と戦っている。




