171 決勝 4
アタシだって強敵と戦ってきたわ……
超ヘビー級ボクサーのハワード……
竜騎士のケイドルフ……
大賢者のライカ……
仙人の趙公明……には負けたけど……
モンスターのアウルベア……
豪腕の典韋……
チンピラのポローニャ……
真空かまいたちのアドルフ……
これだけ倒してきたの……
十兵衛ちゃんにも勝てるはず!
十兵衛も立ち上がろうとしている。
ジュリーが仕掛ける!
十兵衛の腹部へジュリーの発達した肩をぶつける!
「スピアー!」
ラグビーのタックルのように低い姿勢で相手の腹部に肩からぶつかる技でテイクダウンを取るための技である!
「一気にいくわよ~!」
ジュリーは十兵衛の頭を持ち上げ、自らの肩に十兵衛を仰向けに乗せ、顎と大腿部を掴む!
「アルゼンチンバックブリーカー!」
背骨折りと呼ばれるこの技の創始者がアントニオ・ロッカであり、アルゼンチン出身なのでその名がついた!
相手の背骨を痛めつける技だが自分も腰に負担が掛かるので基本的に相手より大きい選手が掛ける事になる。
「からの~!」
ジュリーはそのままの態勢から横に倒れこむ!
「デスバレーボム!」
十兵衛は頭から奈落に落ちる!
この超危険な技を女子プロレスラー三田英津子が開発した!
さらに女子が開発した技を男子も使うようになった最初の技である!
デビュー当初は同期の山田敏代、豊田真奈美に差をつけられていたが、北斗晶、後に下田美馬とラス・カチョーラス・オリエンタレスを結成。それまでの消極的なファイトを払拭する!
女子の中では長身の174cm!
その高さから落とすデスバレーボムを武器に数々のタイトルを奪取していくことになる!
ジュリーは2mからの高さ!
さすがの十兵衛も意識はあるが、すぐには立ち上がれない!
「もらったわ!」
うつ伏せで苦しむ十兵衛の左足を両脚で挟み、足首と膝を極める!
そのままかぶさりながら十兵衛の顔を太い豪腕で横に捻る!十兵衛の顔が、苦悶に歪む!




