168 決勝 1
生き残った二人はジュリーと十兵衛となった。
コロセウム闘技場に二人が転送され、姿を見せた。
観客達が大いに盛り上がり歓声が国中に轟く!
闘技場のVIP席にはブリッタ国王陛下と王妃陛下並びに王子殿下。側には大会スポンサーのアレグリア・サンドロスがアタッシュケースに金貨50万枚を入れて用意している。
ジュリーは観客の方を見ながら話しかける。
「十兵衛ちゃん、アタシ達って味方じゃな~い。どうする?ヤオしちゃう?」
「八百長はバレそうでござるなあ。真剣勝負が良かろう」
「あら、いいの?以前と違って武器なしの肉体戦なのよぉ」
「遠慮なく参られよ」
「分かったわ」
ジュリーは指南役を十兵衛に奪われ、勝負を挑んで以来の真剣勝負。
密かにリベンジを夢見ていたのだ。
んふふ、この肉体差。前は十兵衛ちゃんの木刀にぼこぼこにされちゃったけど、無ければパワーでアタシが圧勝……
そもそも木刀持つなんてずるいわよねえ……
アタシも両手斧持ってたけど……
こほん……十兵衛ちゃんには悪いけど、この勝負もらったわ!……
闘技場は100m四方と広い!
二人はほぼダメージなく勝ち上がってきた。
・場外に出されると敗北
・ギブアップした時点で敗北
・ダウンカウントは10カウント それまでに立てなければ敗北
という完全決着ルール。
「いくわよ~ん」
ジュリーが指を鳴らす。
「応!」
それにしても、この体格なのによく決勝に来れたわね……
パワーじゃない勝ち方というと……
投げ技……絞め技……間接技……ぐっ、結構あるわね……
まあでも……非力な十兵衛ちゃんに一発打たせてそれを耐えたアタシが華麗にカウンター……
アタシ凄くない?……
これでいかせてもらうわ!……
ジュリーが無防備にずんずん近づいてくる!
十兵衛は自然体に構えている!
十兵衛は動かずに気を巡らせる静功を行っている!
間合い寸前でジュリーが止まる!
あっぶな~い……
十兵衛ちゃん、何か準備してる……
迂闊に打たせてたら耐えられない一撃にさせてたかも……
それに気づいたアタシ、グッジョブ……
ならば奥の手しちゃおうかしら……
「金剛化!」
ジュリーの筋肉が金属にコーティングされたようにツヤを出している!
「ただでさえ硬いこの筋肉をさらに硬くしたわ。撃ってらっしゃい。十兵衛ちゃん!」
「では参る!」




