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145 格闘大会

 クレイアが一番最後に屋敷に戻り、アステルと十兵衛に食材の配達をしてもらう契約をしたことを伝えた。

 「なるほど、買い物の時間を他の事に使えそうでござるな」十兵衛が言う。

 「ふむ。家族が増える事を考えて業者用の冷蔵庫に換えたし、いいんじゃないか」

 マイは子供たちに囲まれ、イメチェンした髪型に合う衣装を早速着替えながら試している。

 

 着替えると鏡に映る自分で確認。さらに、サエも髪型を変えてみたり、色んな衣装を着たりして、ちょっとしたファッションショーになっている。

 「二人とも良く似合っているわね」土蛇が言う。

 「やはりおなごじゃのお。印象が随分変わるものじゃな」雷狐も言った。

 マルセルも新しい服を買っているのだが、男の子なのであまり関心がない。

 買った中の一つを着て、さらに他を試すことはなかった。


 「そうだ、絵本や図鑑とかも与えた方がいいかな。教育になるし、脳の刺激にもなるんじゃない?」とクレイアが提案した。

 「それ自体はいい事だが、今後の事を考えると金貨も必要だな。オレの稼ぎだけでは心配だ」とアステルが言う。

 「じゃあやっぱり格闘大会に出る?賞金は金貨50万枚よ~」ジュリーが促す。

 「ほお、それだけあれば当分は色々買っても平気だな」アステルが言う。

 

 「たしか、武器なしだよな。なら、某、ジュリー、十兵衛辺りか」ダンゾウが言った。

 「十兵衛ちゃん、こないだは興味がないなんて言ってたけど家族のためよ~出てよね」ジュリーも釘を刺す。

 「分かった。出るとしよう」と、十兵衛が言った。

 「エントリーまであまり時間がないかもよ。明日早速行ってみる?」ジュリーが言う。

 「そうだな。たしか、今週あたりやるはずだ。雷狐、悪いが明日ブリッタ国まで連れてってくれ」ダンゾウが言うと雷狐も分かった分かったと返事した。


 明朝。雷狐は天狐となり、十兵衛、ジュリー、ダンゾウを乗せてブリッタ国へ向かった。

 

 ブリッタ国では格闘大会の事でかなり賑わっている。

 主催の冒険者ギルドに赴き、エントリーをする。

 かなりギリギリだったようだ。

 明後日、開催される格闘大会。武器の使用は禁止だが魔法は使っていいらしい。

 ただし、無詠唱で出来る魔法でないと分が悪そうだ。また、火遁の術のように道具を使うのもOKのようだ。

 今回は30人ほどがエントリーしており、独自のスタイルで戦うことになるようだ。

 






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