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105 マルクス

 そして、この日を迎えた。

 マルワン国が少数の隊を組み、いつものように帝国に対して小競り合いを始めていた。

 ブランデルは今日も森へ向かう。伸びすぎた枝を切り、道を少しずつ作っていく。

 これをほぼ毎日のように行うことで、ブランデルのような巨体でも歩きやすくなっていくのだ。

 

 途中には小川が流れている。

 今後、自分以外の者も通れるように岩を置いていき、橋にする。


 またよく通る場所に獣が来たときのために罠も余裕があれば作っている。

 稀に猪などが掛かれば、村で分けあい、ちょっとした鍋パーティを行う。

 

 今日はそういった作業を少しずつやっていくのだった。

 


 マルワン国の隊長は、この日初めて参加した者だという。

 貴族なのでプライドだけは高い。

 名をマルクス。二十代の血気盛んな男だ。

 

 「暗黒魔法 テンプテーション!」

 

 マルクスは、急に大声を出した!

 「こんな小競り合いで勝ったところで、なんだというのか!もっとはっきりした戦果を出さなきゃだめだ!」

 マルクスは地図を眺める。

 「あるじゃないか。ロイミン村か、ここを今から攻める!」

 

 「マルクス様、お言葉ですが、お止めください。あそこは小さいですが、女神像のある村です」

 「誰だ貴様!私に逆らうのならば監獄へ連れていけ!」マルクスは人を呼び、男を連行した。

 

 「百人もいれば十分だろう。私についてくるのだ。ロイミン村に向かう!」


 マルクス軍は、斯くしてロイミン村へ兵を出したのであった。







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