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(9)マニュアルを読んで無双してやるぜ!?

ようやくマニュアルの見かたを覚えた武司君。

しかしなにやら様子がおかしいようです。

HP1のハードフルタンクコメディー第9話

今回はちょっと短め。

(9)マニュアル読んで無双してやるぜ!?


 俺はついにマニュアルを読むことにした。

 というか、マニュアルの開き方を習った。

 ステータスのメニューボタン、カメラを選択する。

 女神のお姉さんに教えてもらった手順でオンラインマニュアルを読み込む。

 凄い苦労した。

 盾も失い、死にかけて、金も溜まらずいたのはマニュアルがなかったせいだ。

 ルールブック大事!

 アメフト覚えたての頃、ルールが良く理解できなくて身体で覚えたっけ。

 あんとき教えてくれた先輩、元気にしてるかな?

 ※武司君は誰が教えたか忘れていますがブラック企業に放り込んだ先輩です。


 こっちの世界に来ての苦労が浮かんで目頭が熱くなる。

 よくやった俺!

 思わず涙がこぼれ、マニュアルを握りしめる。

 握りしめる?


 「で? マニュアルは読めたんですか? 武司君。読めたら読めたでさっさと魔王倒しに行ってくださいませんか?」

 営業時間外に呼び出されて少し不機嫌な女神様。

 「タイムカード押したばっかりなんですが?」

 「はい、すいません、あ、今日はすぐ終わるっスから」

 「まあ、そういう問題じゃないんだけどね」と美しい顔からため息が漏れる。

 「黙ってたら美少女なんだけど…」

 「あ?」

 「あ、いやなんでもないっス」

 「で、手短に、これから出かけるんだけど? なんかさ、武司君のクレームが職場で大評判、上司が私じゃないと対応できないーって時間外でも押し付けてくんだけど?」

 「上司に認められたんですね、おめでとうございます」

 「皮肉、通じねえのか?」

 「はあ、すいません」

 「で、何の用?」

 「マニュアルっス」

 「はあ? 昨日あれだけ親切丁寧に教えただろ?」

 「ああ、いややり方は俺の頭でも完璧に理解してます」

 「完璧に理解した奴が、なんでココにいる?」

 「あははは」と笑いながらグシャグシャになったマニュアルを見せる。

 非常に強い握力で握りつぶされた後、どうにか皺を伸ばそうと試みたあとがある。

 水に濡らしてプレスしたらしいが、濡れたところが破れてQRコードを破壊していた。

 「はー、まあ迷惑かけないよう努力した形跡があるのは認めよう、頑張ったね武司君!」

 「急に笑顔で美少女しないで下さいよ、ギャップ萌えするんで」

 「あ?」

 「いえなんでも」


 「えっと?」

 「なに?」

 「もう一冊もらえないかなーなんて、駄目っすか?」

 「一人一冊なんだよね」

 「マジっすか?」

 「それ、神界の秘密が載った大事な本だぞ?」

 ぺらぺらで裏表表紙含めて8ページくらいしかない。

 「この時代、本って言ったら貴重品だろ? しかも神界のアイテムだぞ?」

 「はあ」

 「ま、再発行は出来るけどな」

 と女神さまは皺を伸ばして指さす。

 『大切なものですので大事に保管ください。また再発行には恐れ入りますが料金が発生いたします』

 「ちなみにどんくらいっスか?」

 「まあ、安くしてあげる」と懐からマニュアルを取り出す。

 「ふぁ?」

 「オメエの、あいや武司君の行動はお見通しだってーの」

 急に契約を思い出して武司君呼びをする女神様。

 「あ、ありがとうございます! 嬉しいっスよ! ああなんか暖かい」

 「うわ、キモッ! ばか、何が女神様の温もりだ! エッチ、変態、死ね!」

 「そこまで言ってないっスよ」

 「鼻の下伸びてた! 絶対思ってた顔だ! セクハラだっつーの! バカ!」

 なんか赤くなる女神様、新鮮だな…。

 「あ、あとは、まあ上手くやれよ?」

 そう言うとアタフタと空間を閉じてさって言った。

 トゥクン。

 あれ?

 武司の中に何かが目覚めようとしていた。


 

「嵐を呼ぶお姫」と並行して書いているこのシリーズ。

作風が真逆なので、給食の三角食べみたいに読んでくれるとうれしいな。


評価とブクマくれるとモチベあがりますので面白かった方は是非お願いいたします。

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