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依頼内容

「……それで何をやればいいんですか?」


 落ち着きを取り戻したルドルフが問いかけた。


 謝ろうかとも思ったが辞めておいた。

 これからのことを考えればこれくらいの無礼は許されるだろうと思ったからだ。



「現状、戦争を起こそうとしているのは西にあるザリアス帝国です。ルドルフさんには帝国にある異人を戦闘不能もしくは殺していただきたいのです」


「異人をですか?」



 ルドルフは異人について知る事は少ない、そのためなぜ異人を狙う理由を知りたかったのだ。



「異人の持つ力は規格外だからです。佐藤さんと戦ったと思うのです分かると思いますが……もしかして覚えていらっしゃらないのですか?」


 ルドルフの様子を伺っていたソフィアがもしや…というような表情で話しかけて来る。


「いや、確かに強いですがあのレベルならまだこの国にも何人かいるでしょう。規格外は言い過ぎかと」


 少し上から目線の様な気もするがこれは嫌味ではなくルドルフの率直な感想だった。

 

「そうですか、流石ルドルフさんと言った所でしょうか。ですが佐藤さんはまだこの世界に来て二ヶ月しか経っていませんからね」


「二ヶ月ですか」


 ルドルフはソフィアの言葉に目を見張った。


 たった二ヶ月という短い期間でこの国の冒険者の中でも上位の強さを保持していたからだ。



「はい、異人の脅威は異常な程の成長の速さと強力なスキルです。その異人が帝国には判明してるだけで3人います。帝国はその3人を主力として来るでしょう。なのでその3人さえどうにかできれば攻めては来ないと私は考えています」



「なるほど、作戦の方は?」



「異人はまとまって行動しているわけではなく個人ごとに行動しているようなので単独で行動している時に狙うのがよろしいかと、具体的な作戦の詳細はあなたに任せます」



「丸投げですか……いくらなんでもそれは……」


 もう少し何かあるだろう。

 ルドルフだって全知全能の神ではないのだ。


「任せましたよ、ルドルフ様」



「それに言い訳になってしまうのですがルドルフさんのサポートはしたくても出来ないんですよ」


「理由をお伺いしても?」


 どこか悲しげな表情をしているソフィアにルドルフは聞いていいものか迷ったが聞いてみることにした。


「父が…いえ国王が殺されたのです。地位を私が引き継いだのですが色々とやることがあるのでそちらに手を回す余裕が無いのです、申し訳ありません」


 言いながら頭を下げるソフィア。


 ルドルフは聞くべきではなかったと後悔した。


 淡々と話しているがソフィアには辛い出来事だというのは容易に想像できたからだ。


 慰めの言葉をかけようとしたルドルフだったがそれはしなかった。


 何故ならルドルフとソフィアは今日であって間もない赤の他人だからだ。赤の他人の言葉で気持ちが好転できるとは考えにくい。


 そう思いルドルフは慰めの言葉は告げずルドルフが聞くべきことを聞いた。


「誰の仕業か分かっているんですか?」


「いえ、分かりません。ただこの時期に仕掛けてくるという事は帝国の異人でしょう。私はどうなってもいいですがこの国だけは守らなくてはなりません。ルドルフさん……どうかよろしくお願いします」


 ソフィアは再度ルドルフに頭を下げる。

 それだけこの国を守りたいのだろう。だから頭を下げる。


 例え相手が冒険者で自分が王族だとしても。


「任せて下さい、帝国の好きにはさせませんよ」


 ルドルフにはこの答えしか残されていなかった。

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