さも蟻なん・・・
本日2話目でございます。
お気をつけくださいまし(^^ゞ
「ギャーーっ スミマセンっ!!」
黒光りする光沢のあるボディに胸元には赤いラインが走り
やや毒々しい印象を受ける四匹の蟻達が
四足で立ち上がり残りの前足で槍のような物を振りかざし襲いかかってくる。
仲間を意図せずとも大量に轢き殺した罪悪感から反撃の機会を逃しながらも苦し紛れに回避行動を取る。
二匹の蟻がほぼ同時に左右から槍を突きだしてくるがそれを華麗にかわし、回り込んできた三匹目の横薙ぎをジャンプで避ける。
そして4匹目が前の二匹の蟻の背を使い上からの立体的な突き技を繰り出してくるが、もうそこにカタツムリの姿は無い。
その姿は4匹の後方に有り、天井より漏れ落ちた淡い光のスポットライトに優しく照らされている。
……………………………。
「おや?」
……………………………。
「おや?」
「ん?」
「え? うそ。 よ……」
「避けられたぁ!!!! なに今のすごくない!?
レベルなの!? そうなの!? めっちゃテンションあがるんだけど!! ……。 どうしよう……。 何でかな……目から汗がとま……とまら…とまらないよぉー。 えっく。 えっぐ。」
自分たちの攻撃を見事にかわし、あまつさえ背後をとって見せたカタツムリがいきなりの大号泣、もとい大汗を流していることに、見事な連携を見せた流石の蟻達も動きを止めている。
暫くののろまからの脱却にうち震えていると、奥の暗がりから大きな影が這い出てくる。
先程の蟻達より一回りどころか二回りほど巨大な体高に緑がかった透明感を感じさせる白い身体、バランス的に異様に大きな腹部を引き摺るようにして現れたそれは小さな小さなカタツムリを前にして頭を垂れる。
「へ? なに?」
(頼むのじゃ。妾の可愛い子らをもう殺さないでおくれ。後生じゃ。)
「うぉ。何か頭に響いて来た。 これあなたが喋ってるの?」
(その通りなのじゃ。妾がテレパシーで語りかけておるのじゃ。)
その時後ろでガシャンっと蟻達が武器を落としてうずくまる。
((頼む。これ以上我らが女王を苦しめないでくれ、うぅ。グズっグスっ。))
(妾の親衛隊の攻撃が通用しない以上、もう妾達に勝ち目はないのじゃ。後生じゃ。見逃してくりゃれ。もう……子らの悲痛なテレパシーは聞きたくないのじゃ。うぅ…)
これはでは完全に悪である。悪逆非道の殺戮者に他ならない。
「あの……、 その……。 申し訳ございませんでしたぁぁ!!」
カタツムリ渾身の土下座である、いや、土下座のつもりである。
蟻達の悲痛な心の叫びを聞いて良心の呵責に苛まれ、先程まで何を浮かれていたのか、何を狂喜していたのか、何をはしゃいでいたのかと。
自らを戒め、罰する為に額を地面にひたすらに叩きつける。
ズカンっ!
ズカンっ!
ズガーンっ!!
頭を打ち付ける度に地面が抉れ、大きく揺れる。
ズガーンっ!!
ズガーンっ!!
ズガーンっ!!
(やめてくりゃれ! やめてくりゃれ!! 頼むのじゃ!! このままじゃ崩…)
「いやっ!! この程度じゃ俺の気がすまないっ!!」
ズガーンっ!!ズガーンっ!!ズガーンっ!!
そして案の定女王の危惧していた事が起こる。
そう。
崩落である。
ゴゴゴゴゴ。ガラガラ。
「へ?」
(((この悪魔がぁぁぁぁ!!!!)))
プチっ。
プチプチプチプチっ。
「あ……。」
ーレベルが上が……ー
「うるせぇっ!!!!!」
自分の上だけ天井が無かったことにより周りが崩れ落ちる中、何もせずとも無傷で佇むカタツムリに暖かな太陽の光が降り注ぐのだった。
ースキルを取……ー
「もうやめてくれぇぇーーーー」
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瓦落落 ルマ