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許さないけどなにか?

 ■


 スガァーーン!!


【エアキューブ】【ウォーターライフ】【ウォーターライフ】【ウォーターライフ】


 踏み下ろされようとした足の真下に小さな【エアキューブ】を作りルケへの攻撃を防ぎながら【ウォーターライフ】で全員を癒す。


『主… 暖かいのぉ…』


 ルケは気を失った様だ。


「あ? 何だてめぇ。 空から降ってきやがったのか?」


 俺の下にはクレーターが形成されていた。


「お前…ミュスカとルケに何をした?」


「何ってそりゃ、なぁ。 見りゃわかんだろぉ? ぶち殺そうとしてたんだよ! クク。」


 プツンっ。


「そうか… わかった。」


 どうしよう。

 ちょっと怒りを抑えきれない。


 涙が溢れる。


「ぶふっ!! おい! おいおいおいっ!! 泣いてやがんのかぁっ!? ククク、ハハハハハッ!! とんだ弱虫の登場だなぁおいっ!!」


「ちょっと、場所移そうか。」


 こんなところで戦ったら皆に危害が及ぶ。



 今すぐ殺したい。


 今すぐ消し飛ばしたい。


 今すぐ消し炭にしたい。


 早く移動しなくちゃ… 抑えきれない。


「あぁ? 何だよ弱虫! やんのかぁ? ククク。」


【念動力】


「何っ!? なんだこりゃ!? 身体が引っ張られやがるっ!!」


 少し離れたところまで我慢だ。

 早く。


 早く!!



 **********************


 ズシャッー!!


「ペッペッ… 糞が! こんな砂だらけの所まで引っ張って来やがってぇ!!」


「うるさいなぁ。 いいんだよそんな事どうでもさ…… どうせお前ここで死ぬんだからさ。」


「あぁ? てめぇの頭は空っぽなのかぁ? 俺様をてめぇが殺せる訳ねぇだろうがよぉ!!」


 早くしてくれないかなぁ。

 もう限界なんだってば。


「ねぇ、さっきからさペチャクチャペチャクチャ。 何なの? 喋らなきゃ戦えないの?」


 ー【鑑定】が進化し【女神の瞳】を取得しましたー


 〈マスター! 大変なときに眠っててごめんね!! 夢の中でみてたよ! ユメあいつ、許さない! 一緒にぶっ殺そ♪〉


「お帰りユメ、大人っぽくなったね。 そうだね丁度我慢の限界だったんだ。 一緒に殺そうか。」


 〈はーい♪〉


「何ごちゃごちゃ言ってやがる… 死ねや! 【雷渡】!!」


 刹那の間に間合いが詰められた… だが()()()()()


「のろま。」

 〈のろま♪〉


【五秒の悪夢を体現せし者】


 横をゆっくりと通り抜ける。


「なっ!? 糞が!! 何で効かねぇ!? 何で倒れねぇ!!」


 〈一人で踊ってるみたいだね♪〉


【瞬消】【隠密】


 〈夢の世界からお帰りなさーい♪〉


「今度はいきなり消えやがったぁ!?」


【万物創造】―夢鎗刃潰し―

【付与術師】【念動力】【炎纏い】―紫炎―

 ―紫炎鎗(しえんそう)


【念動力】


 背後からの気配を消し唐突に放たれた攻撃は奴の背中に当たるもその勢いは止まらず高速回転を続け紫炎を強く押し付ける、本来で有れば衝撃で吹き飛ばされる所で有るが【念動力】によってその場に固定され、ただただ背中を燃やされ続ける事となる。


「がぁぁぁっ!! グゾぉっアヅイぃ!!」


「君はさ、きっと今まで色々な人に今自分がされてるような事をしてきたんだろうね? あのさ、正直君の事はさ、たぶんすぐに殺せるんだよ。 でもね、君はミュスカとルケを嬲ったんだよね? ルケなんて身体中火傷の跡が有ったよね? どうかな? 同じような事される気分は。 あ、先に言っとくね、謝っても泣いても何しても君は許さないし逃がさないし殺すよ。」


 紫炎鎗を消す、そして…


「ぐぁ……うぅ」


【ウォーターライフ】


「ぐぅ、何のつもりだてめぇ…」


「ん? なにって、治してあげたんじゃん。 どうかな、身体の調子は」


【瞬消】【隠密】


「糞がぁっ!! 治したことを後悔… っ!? また消えやがったっ!!」


【念動力】


 大の字で地面に押し付け動きを封じる。


【万物創造】―夢想― 四本 【念動力】


【悪食】を付与していない恋矢で両腕と両大腿部を射ぬく。


「ぐぁぁっ!!」


「ピアスって言ってわかるかな? わからないか。 異物が刺さったまんま治癒させたらどうなると思う?」


「何…を」


【ウォーターライフ】


 傷が治癒していくが夢鎗が残っているせいで穴を残したままそれに合わせて身体を形成していく。


【万物創造】解除


「穴が空いてよかったね。 風通しもいいし、さっきまでより早く動けるんじゃない?」


「ふざけやがってぇぇ!!! 【碧雷渡】(ぷらいど)ぉ!!」


 最初より速いな、雷の色も違うし… 見えるけど。

【板挟み】


 バンっ!!


 挟まれる僅か手前で急制動をかけたようだ。


「くっ、あぶねぇなぁ!!」


 いきなりの攻撃に一瞬の隙が生まれた所をまた捕まえる。


【念動力】


「もういいや、皆が心配だし… もういい。」


「放せやゴラァっ!! 糞っ! くそぉ!」


「本当はお前なんか食べたく無いけど()()()は粗末にしちゃいけないよね。」


【悪食】


 ばくっ


「がぁっ!! 足がぁ!!」


 ばくっ、ばくっ


「ぐぁぁっ!! わ、わかっだぁ!!! 俺が悪がっだぁ!!!」


 ばくっ


「先に言っといたよね? 何しても殺すって。」


 ばくっ


「お…れは… 指示されただけ…だぁ…」


「え? だからなに?」


 ばくっ


「ぐ…ぞぉ」


「あ、そうだユメ、こいつの【鑑定】だけしといてもらってもいいかな? 後で何か重要そうな事があったら教えてくれる?」


 〈はーい♪〉


「じゃあ、もういいよ。 絶望しながら死んでくれ()()


「あ゛あ゛ぁぁ…」


 ばくんっ。


 不味い、腐った生ゴミみたいで()()わるいなぁ。


 〈マスター、お疲れ様! レベルが上がったよ!魔法とスキルもゲット♪ これで進化も出来るけど今はしない方がいいよね?〉


「ふぅ…… ユメ! お帰り!! いきなり話さなくなったから心配したよ! 話し方まで少しおねーさんになったね! それに凄く助かった! ありがとう! 今は全部後にして先に皆の所まで戻ろう!!」


 〈えへへ、 はーい♪〉



「所でここ…… どこぉーー!!」




 ■



「ちっ、あの馬鹿、調子に乗るから負けんじゃん、だから雑魚なんだよ。」


 それにしてもあの変なカタツムリはウチらにとって障害になりそうだよね。

 仮にも魔王軍の幹部の八席の一角を崩したんだし、ちょっとチェックしとかないとね。


 今回のはあの馬鹿の独断って事にしとこっと。

 魔王に知られたら厄介だしね。



「ま、あのカタツムリよりウチのが強いし直ぐに殺せるけどねー、だから取り敢えずはほっとこーっと。」

おおぅ、空至くんはキレると静かに怒るタイプなんですね。

一番怖いやつ((( ;゜Д゜)))


そろそろ進化回がまってます笑

どんな姿になるのかなぁ。

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