表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/185

オタクの軌跡

この話しの何処かに世界の意志とオタクの認識で食い違いがありますが仕様です笑

暇なら探してみてね(@_@)

 

「おい! デブ! 今日もお勤めおつかれさまでーす!」


「拙者の名前はデブじゃないでありますっ、天竺(てんじく)ハツカであります! デブとは隔絶された違いがあるでありますっ!!」


「っせーんだよ!!()ブの帰宅()だろっ!! 略してデブじゃねーかよ! おらぁ!!」


「いでっ、ぶへっ。 ボボボボ暴力は善くないでありまふぅ」


「まふぅってなんだよギャハハハ」


 これは蜩のもの悲しい声をバックに繰り広げられた夏の夕刻から始まる物語である。



「ごめん、ちょっとまって、一人何役もやってもらって悪いけど、俺手短にっていったよね?」


 《ちょっと邪魔しないで欲しいでござる!!》


「はぁ、もう好きにして。」


 《こほん。》


 拙者の名前は天竺ハツカ。

 格好いい名前でござろう? 名前の由来でござるか? 名をつけてくれたのは父親でごさる。


 拙者の父は結構有名な画家だったでござる、そして父には尊敬していた画家がいたでござるが、父が画家として成功を収めた時にはまだその画家は生きていたのでござる。


 尊敬すると共にライバルだとも語っていたでござるよ。

 もちろんあっちは父の事は知らなかったと思うでござるが。


 その画家の名前はダリ、父はその尊敬するダリの名を拙者につけたかったらしいでござるが、母から猛反対をうけたらしいでごさるよ。


 それで悩んだ挙げ句、ダリを連想させる花の名前を選んだんでござる。


 その花はダリア。

 馬鹿馬鹿しいでござろう? 拙者もはじめて聞いたときは駄洒落でござるか? って思ったもんでござるよ。


「ダリアとハツカ? だっけ? その名前に関連性が見えないんだけど。」


 《ちょっと、静かにできないでござるか? うるさいでござるよ?》


「はぁ……」


 まぁ、そのままだと全くわからないでござろう? ダリアの和名でござるが、天竺牡丹(ぼたん)と言うんだそうでござる。

 そう、たまたま拙者の名字と同じだったでござるよ。


 そして牡丹でござるが、いくつか別名があるでござるが、そのうちの1つに二十日草というのがあるんでござる。


 そこからハツカをとって天竺ハツカとしたらしいでござるよ。

 これには母も呆れたそうでござるが結局根負けして納得しらしいでござるよ。


 おかしいでござろう? デュフフ。


「ねぇ、本当に長いんだけど。 名前の由来とかかなりどうでもいいからさ、 話しはしょってくれないかな? はい! 前世でなんやかんやあって死にました! はい次!!」


 《もうちょっと興味もってくれてもいいんでござるよ? ぐすん。 じゃあはい。 いじめられて走って逃げたら転んで頭打って死にました。 でござる…》


 そして気がつくと白い部屋に拙者は佇んでいたでござる。

 そこには拙者のストライクゾーンドンピシャの幼女がいたでござる。


「ちょっとまって!! ここは口挟んでごめんだけど、 ()()? 少女じゃなくて?」


 《何にひっかかったか分からないでござるが女神幼女プティヴェルド様でござるがなにか? 二人もプティヴェルド様にこちらへ連れてきてもらったのでござろう?》


「いや、俺達が出会った女神はヴィオニエだぞ?」


 この世界を管理してるのはヴィオニエのはずだ。

 ならプティヴェルドっていったい……


 〈ますたぁ! ぷてぃう゛ぇるどさまはそうぞーしゅさまのいもうとだよー!! そうぞーしゅさまがあそびにいくときにたまにおるすばんしてるの!! あとしょじじょーによりこのひとユメのおねーちゃんついてないの!〉


 そうなのか、【鑑定】も無しで異世界に来るなんて絶対に大変だったろう。

 俺には考えられない。

 ちょっと大人しく話しを聞いてあげようかな。


「ユメ、ありがとう! ハツカ、邪魔してわるかったね、 さっきのはこっちの話だからもう大丈夫、大人しく聞くから続きをどうぞ。」


 《おっ? ユメ? こっちの話? まぁ、いいでござる。 じゃあ続けるでござるよ。》


 そう、 拙者はプティヴェルド様に求婚したでござる。


 ーあっ、つっこみたいやー


 しかしプティヴェルド様は自分は女神故、それは出来ないと…


 泣いたでござる。

 もう二度とこんな可愛らしい幼女には出会えないでござる。

 諦めたくなかったでござる、だから既成事実を作ろうと襲いかかったでござるよ。


 ーはっ!? つっこみたいっ!!ー


 しかし流石は幼女とはいえ女神様、拙者は簡単にのされたでござる。


 そして気がつくとそこは簡素な作りのボロい橋の下だったでござる…


 ーうわぁ。 転生先とか渦の話とか全部すっとばされてるっ!! 鑑定無いのも自業自得!! ミュスカ! 俺のかわりにつっこんでっ!! ……あっ、ゴミを見るような目をされてるや… これは無理だな。ー


 そこからしばらくは地獄だったでござるよ。

 お決まりのステータスも見れなかったでござるし、魔法を使おうにもどうすればいいのかもわからなかったでござるしなぁ。


 唯一何かあったとすれば、淀んだ川に映った拙者の姿が子鼠だったことでござろうか。

 更にその頃は常に激しい頭痛に苛まれてたでごさる。

 今思うと鼠の小さな脳には人であった拙者の記憶が重荷になっていたのでござろうなぁ。



 しかし兎に角行動せねば野垂れ死ぬのが目に見えていたでござるし、誰の助けも期待出来なかったでござるしなぁ。


 まずは腹ごしらえをと、魚の死体を貪り、人里を探してそこのゴミを漁り、害虫を食ったでござるよ。


 どれだけそういう生活をしていたのかはっきりとは覚えてござらぬが大体二十日くらいだった気がするでござるよ。


 そして拙者は寝て目覚めるとちょっと大きく進化していたでござるよ。

 これがほんとの二十日(ハツカ)鼠。

 なんちゃっててへぺろでござる。


 ー色々と突っ込みたい気持ちはあるけど長くなるから我慢だ我慢ー


 《ここはつっこむ所でござろう!! にぶちんでござるなぁ!! まぁいいでござる。》


 ーむかつくなこいつー


 それから程なくある程度生活に余裕が出てきた頃でござるが、遂に自らのチート能力に気がついたでござるよ!!

 興奮したでござるよ。

 その能力とは名付けて【記憶創造】!!

 この能力は拙者の記憶の中に有るものをこの世界に生み出すというとんでもない能力でござった。


 これを使い戦闘力を高め魔物をバッタバッタと屠り回る生活が始まったのでござるよ。


 次第に強くなり幾度かの進化を遂げ遂に人の形をした魔物にまで至った時にふと拙者は思ったのでござる……


 拙者、何をしてるのでござろうか、と。

 一度そう思ってしまってからはなんと日常がむなしかったことでござろうか…


 自害すら考えたほどでござった。

 それから拙者は戦うのをやめたのでござる。


 そして新しい生き甲斐を見つけた、いや思い出したのでござる。


 拙者は絵が好きだったと。

 それからは楽しかったでござるよ。

【記憶創造】で紙や筆、顔料を生み出し一心不乱に絵を描き続けたのでござる。


 そして拙者には夢ができたのでござる。


 この世界をロリコンで満たそうと。


 ーまてまてまてまてっ!! なんでそうなるんだ!?ー


 拙者がプティヴェルド様と結ばれなかったのは全ての世界の幼女に対する認識が間違っているのでござる。

 それは前世も今生の世界も神の世界も全てでござる。


 ならばと手始めにこの世界からロリコンで満たしてやろうと思ったのでござる。


 活版技術をこの世界に生み出しロリコンのロリコンによるロリコンの為のうすい本を大量生産したのでござる。


 幸い拙者には才能があったでござる。

 ダリも真っ青の画才という才能が。


 ーいやいや、勘違いだったけどピカソもダリもお前の絵をみた後でその話聞いたら青じゃなくて顔真っ赤にして怒るからね!?ー


 結果的に拙者の作品は受け入れられなかったでござる。

 恐らくこの世界の人型種に拙者の絵は高尚過ぎたのでござろうな……


 絶望したでござる… また自害を考えたほど。


 そこにふらっと現れたのがキャサリンでござった。


 ー誰だよっ!!ー


 キャシーは根っからの乙女であったでござるが、体がその心に反して伴わなかった魔物でござった。


 ーあれ? もしかして…ー


 そんな彼女を拙者は受け入れ女として扱ったでござる。

 拙者と同じで虐げられていたのでござろうな。


 よそよそしかったキャシーも何時しか拙者を受け入れ、共に拙者らを受け入れてくれる世界を作ろうと両性具有の変わり種ロリコン向けうすい本の制作に着手したのでござる。


 しかしこれも世間に受け入れられず共に世界に絶望したのでござる。


 傷心の拙者らは共にいつか世界が我らの感性に追い付くと信じて待つことにしたのでござる。


 そして作り上げたのがこのビッグサイトをモチーフにしたジャンボサイトでござる。

 逆ピラミッドがおしゃれでござろう?


 いつかこの地に何万人もの人型種が押し寄せ拙者らのうすい本を買い求める日が来ることを願って造ったまではよかったのでござるが、いつの間にか魔物に占拠されてしまったでござるよ。


 しかも拙者が作り出したギャラリーの絵を永遠に保管するための装置の影響を何故か受けてしまったらしく、何度倒しても復活してくる始末でござる。


 それでも拙者のお気に入りフロアのギャラリーだけは守ろうとキャシーがたった一人で魔物を退けあのフロアを守りつづけているのでござるよ。


 因みにここまでが約200年ほど前の話しでござる。


 ーへ?ー


 そこから現在までの間に拙者は老衰し死にかけるわけでござるが、体を冷凍保存する装置、即ちこの箱を作り出し意識だけを活性化させる事によって生き永らえ、今に至るというわけでござるな。


 未だに世界が拙者らに追い付いて来ないでござるが、キャシーと共に歩んだこの200年余りはかけがえの無いものだと思うでござるよ。


 もはや拙者にはキャシーがいない世界など考えられないでござる。

 もし、キャシーに何かあったら拙者は何をするか分からないでござる。


 《以上、ナレーション終わりでござる!!》


「ねぇ、ハツカさん? キャシーって黒い影みたいな人?」


 《むむ? そうでござるが、この後紹介しようと思っていたでござるが… そう言えば下のギャラリーはキャシーが守っていたはず。 どうやってお二方はここに来たのでござるか?》


「それは…… すまん襲われたから倒しちゃったみたいな? てへぺろ♪」


 ………………


 《殺す…》





 《殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すぅ!!!!》

お読み頂きましてありがとうございます。

ござるが多過ぎてここまでの話で一番長くなってしまいました(;>_<;)


キリが悪かったのでやむなく詰め込みました。すみまてん。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ