おにゅー☆
本日三話目ですー♪
※前話のサブタイトルが間違っていました。
大変失礼いたしました。
遺跡を攻略しに行く前に気になっていた事がある。
それはミュスカの腰の空のホルダーだ。
大きさからしてダガーだろうか、 さっきの話しから察するに元々持っていたのも鉱石のダガーだったのだろう。
ゴーレムとの戦いで砕けでもして無くしたのだろう。
ならば新たな武器が必要になる。
「よし、ミュスカの新しい武器を造るよ!」
「ん? そら、どうしたの?」
これからミュスカを守る剣になるんだ。
本気でやるぞ。
俺は目を閉じ、集中力を高めていく。
新しい武器を使うミュスカをイメージしながら、 ありったけの気持ちを込めて叫ぶ。
「【武具創造】!!」
いつものエフェクトとは全く異なり、見たことの無い魔方陣の様なものが宙に浮かび上がる。
純白の光の線で描かれた魔方陣は俺のイメージを注ぎ込む度に大きさと複雑さを増していく。
眩い光が一帯を照らし出し、宛ら沈まぬ太陽を彷彿とさせる。
そしてひとふりの刀が姿を現し、ゆっくりとミュスカの元へと降りてくる。
美しい。
その一言に尽きる刀だった。
刀身は漆黒にして刃文は純白の互の目尖り刃。
鐔はやや紫みがかった白に紫陽花の意匠。
柄には光沢のある白の柄巻となっている。
それに会わせて鞘も拵えた。
「すごく…きれい… これ、そらが?」
ああ、心にミュスカを思い描きながら生み出したんだ。
でもまだまだこれからだよ。
「もう一度だ!【武具創造】!!」
再び集中力を、高める。
次にイメージするのは防具、この刀を振るうミュスカを思い浮かべながら最高の物を造る。
魔方陣から光があふれる先程の太陽のイメージとは真逆。
暗い宵闇に穿たれる月の光。
紺を主体とした生地に夜の月光をうけた雲の意匠。
袴やドレス、花魁からインスピレーションを貰い、動き易さ、丈夫さ、華やかさを兼ね備えた仕立て。
解放感のある妖艶な首もとからうなじ、そして胸元、美しく舞う袖、バッサリと開いた裾は足元からふくらはぎをドレスのようにふんわりと覆い、膝程までのレザーブーツが強かさを強調する。
そして全てを纏め上げる帯には白い紫陽花が白銀の中に咲き乱れる。
「絶対に似合う!! かわかっこえろい!!」
はやくっ! 早く着てみて! つけてみて!!
はやる気持ちを抑え切れず催促する。
「こんなに大人っぽいの似合うかな。」
にあう!! にっあっうっ!!!
ブンブンと頷く。
「ありがとう。すごーく嬉しい。すぐ着てくるね!! 少し待っててね」
そういって遺跡の柱の陰へと入っていく。
「なんだ…と。 こういう時は目の前で着替えてラッキースケベってのがお約束だって前にチャラ先輩から借りたラブコメ漫画でいってたのに……」
現実とは儘ならないものですね。 グスン。
因みにだが、【武具創造】で造ったものはそうそう消えない。
使用者のMPが完全に枯渇した場合、死亡した場合、そして自らの意思で消す場合を除いていきなりのおはだけシーンなんてものは起こらないらしい。
「残念なんて思ってないんだから!!」
〈ますたぁ、なにひとりでぶつぶつにやにやめそめそしてるの? おもしろいね♪〉
「あっ丁度良いところにお出でになりましたねユメさんや」
〈なーに?〉
「ステータスチェックしとこっかなっとおもってね、 お願い出来る?」
〈そなたのねがいかなえてしんぜよー♪〉
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ーソラー
種族:ファンシープライオマイマイ
レアリティ:S++
Lv :8/40
HP :3120/3120
回復量:5(秒)
MP :345/3830
回復量:6(秒)
攻撃力:846
防御力:1857
魔法力:3441
素早さ:323
階位:D+
魔法:
【武具創造】 【エアキューブ】 【ウィンドカッター】
【板挟み】 【念動力】 【ウォーターライフ】
【炎纏い】
通常スキル:
【鑑定ーユメーLv.9】 【投げ槍Lv.5】
【毒独Lv.1】 【転がるLv.3】 【悪食Lv.4】
【斬鋼爪Lv.2】 【万総鋼Lv.1】
【自動回避Lv.5】【我操糸Lv.2】
【☆堅固Lv.1】 【☆飛翔(使用不可)】
称号スキル:
【頂点を目指す者Lv.2】 【無慈悲なる殺戮者Lv.4】
【五秒の悪夢を体現せし者Lv.2】
【☆未来の担い手Lv.1】
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〈あたらしいやつにおほしさまつけといたよ♪〉
「分かりやすいよ! ありがとうユメ!」
なんこか新しくスキルと魔法が増えてるな。
【飛翔】は使用不可? なんでだろ。 まぁ、翼の有無とかそんな感じかな。
みた感じでわかるやつはそのうちでいいとして…
「【未来の担い手】って何だろう、 ユメわかる?」
〈ほいほーい♪ えとね、 もしもあぶないみらいがまってるときにすこしまえにおしえてくれるって!!〉
ほう。
つまり自動発動型のスキルで危険が迫ると事前にそれを知らせてくれるってことか。
物凄く有能!! たすかるーー!!
「ただいまー、 その、どうかな……」
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………………………
………………
…………
……
…
「女神☆降臨!!! ひゃっほーー♪」
〈おもしろそう! ひゃっほーー♪〉
「え? え? なに!?」
テンションに任せてミュスカの周りを跳び跳ねながらぐるぐる回る。
回る、回る、回る。
「あ、やべ。 目が回ったぁ… ばたんきゅー…」
「そらっ? そら! そら!!」




