ほし降りて
皆様ご無沙汰しております、瓦落落 ルマです(*^^*)
仕事が忙しくなかなか投稿出来ない日々が続いております。
未だに睡眠時間の確保だけで精一杯な状況が続いております(^_^;)
しかしながらどうしても続きを書きたかったのでなかば無理やり書きました。
まだしばらくはかなりスローペースでの更新が続くと思いますが、途中で投げ出すつもりは毛頭ありませんので今しばらく生暖かい目で見て頂けると幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします!!
長い長い痛みが身体を襲う、引き伸ばされた体感時間が地龍のブレスを永遠のように感じさせる。
「う…がぁっ!!」
身体が消失させられていくのを感じる……。
その痛みに堪えながら両の腕のなかに抱く皆を助ける方法を考え続けていた。
何故か【瞬身】が使えない今、出来る事は限られている。
ほぼすべての強化がなされた今の俺でもみるみるうちに身体が消失させられているこのブレス、他の皆がまともに曝されたら瞬く間にそのHPは全損するだろう。
これが俺一人であれば身体を非実体化する事で回避は可能だ、しかしその選択肢を今取ることは出来ない。
いや…… 【付与術神】でみんなにも付与すれば……。
「っ!? くっ…そぉ……」
何で出来ないっ!!
解決策が思い付かない、思い浮かばない……。
今出来る事は【ウォーターライフ】で消失の速度を僅かばかり削ぐことのみである。
しかしながら癒着により強化がなされたこのブレスを耐え抜く程の時間には確実に足りないだろう。
ダメだ…… どうすることも出来ない……。
〈みんな…… ごめん……〉
既に俺の鼓膜は消失しているのだろう、みんなの声は聴こえない……
■
あぁ、もうダメだ……。
よく戦ったよ本当に…… 昼夜問わず、不眠不休でよくもここまで戦えたもんだよな……。
せめて自然回復すればもっと行けたのになぁ……。
あーあ、空が綺麗だなぁ……。
……よし、最後にデカいの一発ぶっぱなすか。
【奈落の恋矢】!
■
「そらっ!!」
「マスターっ!!」
「主よっ!!」
「そら様っ!!」
っ!?
みんなの声が聴こえる……?
「「「「負けるなっ!!!」」」」
「っ!!」
身体の消失が止まった……? 力が……!
ドクンっ……
っ!! ……そういうことかっ!!
「…よっしっ!! ナイスタイミングっ!! 俺っ!!」
なんでだろ、今なら行ける気がする。
「【瞬身】っ!!」
視界が切り替わりブレスから脱する、もはや見慣れた空が俺達を迎える。
「そらっ!!」
〈あぁ、ミュスカ…… 無事でよかった…… 皆も無事でよかった…… 本当によかった……〉
「何を言っておるのじゃっ!! 一番無事じゃないのは主じゃろっ!!」
確かにひどい有り様だなこりゃ……。
「うぅ…… マスター、ユメ心配したよぉ。」
「そら様…… 私も……。」
皆の瞳には一様に涙が浮かんでいた。
〈ごめん…… 心配かけたね、もう大丈夫! 【【【ウォーターライフ】】】!!〉
暖かい水に包まれ、傷が癒えていく。
「あのブレスの中で、レベルが大幅に上がって全てステータスが相当上がったんだ…… それが無ければ本当にダメだった……。」
スキルや魔法もいくつか増えたし、本当にナイス俺。
「あー!! わかったー!! 悪魔の鏡池のマスターが戻ってきたんだね♪」
そう、あそこに俺は分身体を残してレベリングしていた。
それが運良くあのタイミングで消え、蓄えた経験値が俺に反映された。
〈正解! これでわかった事がひとつある、俺の行動を阻害してた物の正体がね。〉
「何かと癒着した【龍の理】の制限…… といったところでしょうか?」
〈さすがユリ! そうだと思う、その内容は恐らく、ある一定のステータス差がある者に対し、その理をねじ曲げる力…… だと思う。 つまりステータスが地龍に近づいた今の俺にあいつのその力はもう通じないはずだ、ここからは一方的な蹂躙だ!! 最後までみんなの力を貸してくれ!! 一気に決める!!〉
「わかったよ!! 任せて!!」
「おっくつ♪ くっつ♪ ぶっころーす♪」
「任せるのじゃ!!」
「もちろんです。」
「よし!! この戦いを終わりにしよう!! 【付与術神】―【女神の瞳】―!!【超念動力】!!【絶壁】!!」
自我をほぼ失っているからか、視界から外れた俺達を攻撃してこない地龍を皆に付与した【女神の瞳】で全員が一方的に捉える、さらに【超念動力】により地龍を地面に叩きつけ、その周りを四面の【絶壁】で囲う。
「じゃあユリちゃんっ!! いくよっ!!」
「はい! ミュスカ様!」
「【伸縮自在】!! 刺突!!」
「【黒薊】!!」
直上より超高速で放たれる紫陽花によるミュスカの刺突によりユリの【黒薊】が地龍に潜り込み、内部から黒い花が刺し貫くように突き出る。
声にならない悲鳴をあげ、もがき苦しむ地龍に続けざまにルケが仕掛ける。
「残りのMPをありったけ乗せるのじゃ!! 【焔獄咆哮】!! 【認めざる者】!!」
超高火力の炎弾が【認めざる者】によりその距離を無視し、放たれると同時に着弾し深紫の炎で地龍を燃やす。
激しく身をよじり【絶壁】にその身体を叩きつける。
「ユメ! 【舞矢】はいくつまでいけるっ?」
「えと、……むっつっ!!」
「よしっ!! 上等っ!! 頼むっ!!」
「うん♪ いくよーっ【舞矢】むっつっ!!」
ユメにより俺達と地龍の間に光輝く環が真っ直ぐに並ぶ。
「これで最後だっ!! 【流星招来】!!」
ルケ、借りるよ!! 【認めざる者】!!
俺は流星の空気摩擦を認めないっ!!
俺の目の前の空間に皹が入り、バリンっという音と共に宇宙空間と繋がり、そこから夥しい数の流星が飛び出していく、更にそれらは【舞矢】をくぐり抜ける度に倍々に速度を増していく。
最終的に流星の速度は約秒速2560キロメートルにも達するだろう。
これも借りるよ、【絶界】!!
凄まじい衝撃波を防ぐために自分達を【絶界】で隔離する。
何百発もの流星が地面に当たると同時にこの丸い惑星のような50階層のフィールドに深刻なダメージを与えていく。
……………
………
…
すべての攻撃が終わったとき、もうそこには何も残っていなかった。