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覚悟と閃光

 

「っ!! そら様!! 防御行動をっ!! お早くっ!!」


 っ!? ルケ借りるぞ! 【絶界】っ!!


 全員を覆う【絶界】を張った瞬間遠くで何かが光るのが見えた。


 次の瞬間には視界が白く染まる。


 地龍のブレス攻撃かっ!?


 物凄い威力なのだろう、【絶界】を起点にブレスが二つに割れ大地を焼き焦がしていく。


 ピシッ……


「なっ!? 【絶界】に皹じゃとっ!? 主っ!! 妾が重ねがけするのじゃ!!」


 〈頼むっ!!〉


「【絶界】っ!!」


 ルケの【絶界】が内側に重ねがけされた瞬間に俺が展開した【絶界】が悲鳴をあげ砕け散る。


「ぐぅっ、主よ! 理由は分からぬがこれでも足らぬぞっ!!」


【絶界】の特性が無効化される理由は後だっ、今はこの状態から脱するっ!!


 〈みんな俺に触れっ!! 急げっ!!〉


 ビシッ……


 破られるっ!! 【瞬身】っ!!


【絶界】が破られる音と共に視界が切り替わり遥か上空へ投げ出される。


【超念動力】でみんなを支える。


 〈全員無事っ!?〉


 急いで全員を見渡す……。


「マスター…… ユメの… ユメ足がね……」


 〈どうしたっ!! 足!? 見せてっ!!〉


 そこにはユメの白い足が……… 特に何の怪我もなくスラッと伸びていた。


 〈ん?〉


「マスターが創ってくれたお靴なのに…… 消し飛んじゃった……。」


 って事はほんの僅かだろうけどあのブレスの中には足が曝されたって事だ。


 むしろ靴が消し飛んだだけで済んだのは奇跡だろう。


 〈ユメ、良かったよ、俺の創った靴がユメを守ってくれたんだね、今新しい靴を創ってあげるから元気出してね!〉


「うん。 ……ありがとぉマスター! えへへ!」


【万物の創造神】!!


 ……………

 ………

 …


「それにしてもあのブレスは異常じゃの…… 【絶界】を破るとは恐れ入ったのじゃ。」


 そうだ、本来【絶界】は他とは隔絶されたルールで隔たれた空間だ。

 それを破るという事はあのブレスは理を書き換える、もしくは消し去る力が有るのかもしれない。


 〈極力避けた方が良いのは間違い無いね…… それはそうとユメ、俺の攻撃はダメージ与えられたのかな?〉


 新しい靴を空中で嬉しそうに眺めるユメに問いかける。


「ん? えと、ダメージはあったの!! でも無くされたみたい!!」


 それはつまり回復したってことか? ファランギーナも回復手段を持ってたしなにも可笑しな事じゃないな……。


「補足致します、そら様の先程の攻撃は間違いなくあの地龍にとっても致死性のある攻撃でした、しかし直撃直後全損しかけたHPが全快するのを確認、その後あのブレスを放った形となります。」


 〈回復手段がある…… しかも恐らく膨大であろうHPを一瞬で全快させるほどの…… そう言うことだよね?〉


「そうなるかと。」


 相変わらず龍っていう存在は出鱈目だな…… ただ前回と違って全く歯が立たないわけじゃない、俺の一撃でHPを全損手前まで持っていけた、大丈夫、絶望的な状態じゃない。


 〈因みに地龍は今どうしてる?〉


「今我々は上空百キロ程に滞空しております、そして地龍は此方を捕捉しながらも何もせずその場で此方を睨み付けております、ここから察するにこの距離がブレスの射程外かつ他の攻撃方法が無い、もしくは、ブレスの射程内ですが連発が出来ず他の攻撃手段が無い、このどちらかだと推測出来ます。」


 〈ん? 地龍って飛べないの?〉


「いえ、飛べます、これも仮定に過ぎませんが恐らくこの地に縛られている…… ダンジョンボスの特性からこの部屋の地表から余り離れられ無いのでは無いかと……」


 ここから一方的に攻撃できるなら物凄く有利に戦いを進められるだろう、しかしながら敵は回復手段を持っているし、何よりあのブレスは一発で俺達を全滅させる程の威力を持っている。


 ユメとユリはこの距離でもブレスを捉える事が出来るが俺とミュスカ、ルケはどうしても初動が遅れてしまう、これはある意味致命的だろう。


 であればブレスの初期動作を直接視認して回避行動を取った方がむしろ安全かもしれない。


 俺があれこれ考えていると今まで黙っていたミュスカが口を開いた。


「みんな、降りて戦おう…… これからもまだまだ強い敵と戦わなきゃいけない事がたくさんあると思うの、でもその度にさっきみたいに皆に助けられてばっかりじゃダメだなって思った。 私たちは仲間、仲間には色んな形があるけど、私はいつも助けてくれる仲間じゃなくて、助け合える仲間になりたい、力を合わせて困難を乗り越える仲間になりたいの。 だから降りて戦おう。」


 ミュスカ…… この半年で本当に強くなったな。


 やれ連携だなんだ言っておきながら、皆を信じて無かったのは俺の方か…… 決めた。


 〈ミュスカの言うとおりだね、降りて皆で戦おう! みんなの力を俺は信じるよ! この五人で勝とう!!〉


「そら! うん! 勝とうっ!!」

「靴の恨みを晴らしてやるーー♪」

「みな熱いのぉ、しかし熱さなら妾も負けぬのじゃ!!」

「どこまでもお付き合い致します。 ……これは、っ!! ブレスが来ますっ!!」


 〈っ!! 回避っ!!〉


 直後、閃光が空を切り裂いた。

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