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漆黒の悪魔と青空と海

 

「ミュスカ様!! どうされたのですか!!」


「う、うぅ…… ごめんねユリちゃん、私の前世だとあの見た目のヤツは恐怖の象徴みたいな存在なんだよ……」


「黒いただの虫なのにー! カサカサして面白いよ♪」


 ごめん、ユメ、俺ら日本人にゴキは無理だ…… 無条件で体か引いちゃうんだよ……。


「主ー! 妾がこやつらを全部殺してしまって良いのじゃな?」


「あぁ、ミュスカも言ったとおり俺達にあれは辛い。 頼んだ。」


 俺とミュスカが後方で傍観を決め込んでいる中ルケの快進撃は続きあっという間に付近のGを駆逐してしまった。


「ごめん…… ユリちゃん…… 死んでても怖い……」


「俺もちょっとこの階層はむり……」


「ならば妾の薙刀に【美食家】を付与しておくれ、そしたら全て跡形もなく消し飛ばすのじゃ! この空間で火を使うのは危険じゃしの。」


 申し訳ありません、よろしくお願いします……。


「【付与術神】でルケの薙刀に【美食家】を付与!」


 その後ルケの薙刀により漆黒の悪魔が消し去られていってようやく俺とミュスカは一息ついた。


「うぅ、情けないよ…… でもあのテカテカしててカサカサしてるヤツだけはむりー……」


 いまだに涙目のミュスカを尻目にルケは経験値とステータスを得た喜びでホクホク顔である。


「マスター! 【絶界】をね、はったらいいと思うの!」


 確かに!! ……いや、【絶界】の外に群がられるだけでも鳥肌物だ……。


 いや、でも直接相対するよりは遥かにマシか。


「それじゃあルケ、借りるよ。 【絶界】!」


 効果は中からのみ干渉できる障壁にする。


「ありがとう、そら、ごめんね、本当に私あれダメで…」


 〈いや、全然大丈夫だよ……〉


 俺もだし……



 〈この【絶界】は外から干渉するのは難しい障壁だからこの階層はゆっくりとしてて! 次から一緒に頑張ろう!〉


「うん、そうだね! 頑張るよ!」


 あれの何が嫌って…… いや、全部なんだけど、中でも死に際に卵を射出する事だよなぁ…… しかもそれがラグビーボールを二つ並べたくらい大きいし…… あー…… 鳥肌たった…… ふわふわの見た目じゃわからないけどガッツリたってる。

 間違いない。


 ……………

 ………

 …


 その後もルケ達の活躍でガンガン進み、一時間程で次の階層の階段にたどり着いた。


「やっと、ついた。 みんな早く降りよ!!」


 ミュスカの先導で三十二階層へと降りる。


 階段を降りながら暖かい光を感じる。


 おっ、次は明るい階層なんだな。


 三十二階層に近づくにつれて階段の幅が広くなっていき、全員が横並びになっても充分なスペースが確保できた事もあり、いつの間にか俺達は横一列で皆でその階層に足を踏み込んだ………


 あーーーー!?


「なんだこりゃっ!!」


 踏み込んだ足は虚しくも空を切り、俺達は()()投げ出された。


「あははは!! なんだこれー!! いきなりお空だよー! 下は全部海だー!! 面白ーい♪」


「キャッ!! ビックリしたー、いきなり落ちると流石に怖いね。」


 再びミュスカから小さな悲鳴が上がるも高速落下中によりそこに声を置き去りにする。


 じゃあ…… うぁーーー!! …………っていってみたりしたけど俺達は飛べるからな、【飛空】は付与したままだし。


 それぞれが空中で減速し浮遊する。


「妾、海初めてなのじゃ……」


 なんかルケ不安そう?


 〈現在のダンジョンの最深記録ってこの階層だったよね?〉


「半年前はそうだったよー♪」


 いきなり空に放り出されたなら普通の冒険者とかだとかなり辛い。

 ここから先に攻略が進んでいない理由はまずこれだな。


 〈ユメ、ユリ、この階層に俺達以外の人はいるかな?〉


「います……が… これは…… ユメ掴みきれますか?」


「うーんと、多分もう少し近づけば大丈夫だと思うけど…… 間に合わないかも…… マスター! 死んじゃいそう!」


 〈それはその人たちがって事だよね?〉


「はい、既にかなり微弱にしか存在を検知出来ませんのでかなり悪い状況でしょう。」


「マスター! ユメ助けたいの!」


 〈あぁ! 直ぐに行こう!!〉


「うんっ!!」


 ユメの先導のもと俺達はどこまでも続くかのような空と海の狭間を飛び続ける。


「あそこっ!!」


 ユメの指差す先にあったのは海にぽっかりと空いた穴だった。

 直上から見ても光が届かないほどに深い、その中へ常時大量の海水が流れ込み底へ底へと降り注ぐ。


「これは…… 次の階層にも繋がっていますね。」


 ある意味ラッキーだな。

 とにかく今は救出を最優先にしよう。


 〈よし、いくぞっ!!〉


「ユメについてきてねー!!」

「はやく助けてあげなきゃ!」

「行きましょう。」

「海……」


 ■


「くそっ…… 俺達ゃここまでかっ!!」


「馬鹿!! 諦めるな! この半年何度もアタックし続けてようやく次の階層への手がかりを掴んだんだろ!!」


「でも、私達じゃあの魔物達を倒す術が無いわ…」


「それは…… 頑張ればどうにか……」


「なるわけゃ無いだろうがよぉ!! 水中からいつ襲ってくるかわからない相手にどう戦えって言うんだよぉっ!! 体はズタボロ、食料だって水だって底をついた…… 体力も魔力も…… もう無理だ。 そもそもワイバーンが食われて死んじまった時点で詰んでたんだよ。」


「また来たわっ!!」


「くっぞぉ……」


「嫌だぁぁぁぁぁあっ!!」



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