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ミュスカの疑問と国を護る者達

 

「そうであるか! なるほど、つまりミュスカ殿はマスター、いや、本当はそらか…… そらに助けられ共に旅をするようになったということか! ならばユリ殿は……」


「ユリちゃんは小さい頃から私に仕えて見守ってくれてたんです、どこに行くのも一緒でずっと助けてもらってました。 ユメちゃんはユリちゃんの妹でユリちゃんが来た時に一緒に連れてきたんですよ。」


 ……あれ? ユリちゃんは【鑑定】で 私についてたけどそれならユメちゃんってなんなんだろ……。


 そらがユリちゃんの体を造ったならユメちゃんもそらが造ったって事…… だよね? ならユメちゃんも【鑑定】? 誰の? そら… だよね…… ならそらも【鑑定】を持ってたって事だよね? ユリちゃんの妹で【鑑定】で…… なら…… ならそらは…… 転せ…


「ミュスカ様? 黙りこんでどうかされましたか?」


「え? あ、ううん、ごめんね大丈夫だよ! ねぇ、ユリちゃん、そらって……」


 バーンっ!!


「失礼致しますっ!!」


 いきなり転がり込むようにして息を切らした兵隊が一人入ってきた。


「何事だ! 国賓が来ているんだぞ。」


「も、申し訳ございません!! ですが急ぎお伝えする事が!!」


「……うむ、ミュスカ殿、すまない。 どうやらただ事では無いようだ。」


「はい、私たちは気にしないので兵隊さんの話しを聞いてあげて下さい。」


「ああ、すまないな、そうさせて貰おう。 それでどうした?」


「はっ!! 警備兵隊より伝令が入りました! 北東より超大型の魔物及びその取り巻きと思われる数体の人型種、魔物が襲来とのことっ!!」


「なんだとっ!! 既に対応しているのか!?」


「はっ!! 国軍の約半数を既に配備、残りは最悪に備えて避難する民間人の護衛任務に付きます! さらにテイマーズに打診し上位ランクのテイマーに救援要請を出しております!」


「うむ! 良いだろう! なんとしても民を守り抜け!! 最悪カディフラティは捨てろ!! 民さえ無事なら国は滅びぬ!! ……ミュスカ殿、すまないな、どうやら国の危機だ、我らが無事であったらまた話を聞かせてくれ、兵を幾らかつけよう、今のうちに反対側より逃げるといい。」


「アースポエティカ王、僭越ながら発言しても宜しいでしょうか。」


「ユリ殿、なんだろうか。」


「私が誰の姉かお忘れではないでしょうか?」


「忘れてなどいないさ、しかしな。」


ふふ、ユリちゃんやる気満々だね。


「私とユリちゃんが手をお貸しますよ、私達もユメちゃん達と同じくらいには強いので心配は要りません。 それにユメちゃん達から聞きましたけどそら達ががこの国を守ったんですよね?」


「……あぁ、そうだとも。 いくら感謝してもしたりぬ程に助けて貰った。」


「なら私達がここにいるのにカディフラティを守れなかった、そんな事になればそら達に怒られてしまいます。 断られてもお節介でも私達はこの国を守ります。」


「私が言いたいことを全てミュスカ様に言われてしまいましたね。」


「っ!! ……ありがとう、恩に着る。 手を貸してくれ。」


「はい! 任せて下さい!」


「アースポエティカ王はそこのバルコニーでティータイムをおたのしみ下さい、直ぐに吉報をお持ち致しましょう。」


「それはダメだ! 私も前線に出よう、せめて我が軍の士気くらい上げねばそれこそ大恩あるユメたちに顔向け出来ぬわ! 」


 そう言うとアースポエティカ王は豪快にニカッと笑った。


「聞いておったなっ!! 前線に伝えよ!! あのAAランクテイマー、ユメのパーティーメンバーが手を貸してくれる!! 気合いを入れろとなっ!!」


 絶対に守る! そらが守りきったこの国を好きになんてさせない!!


「じゃあ行こっか! ユリちゃん!!」


「えぇ、お供致します、どこまでも。」


 ****************************


 今私が立っているのはカディフラティを囲うように造られた巨大な外壁の上の石造りの通路。

 そこには国軍の弓兵や投石機、三人がかりで引く弩弓が備えられ、更にこの国のテイマー軍やテイマーギルドのメンバーだろうか、総勢百余りのテイマーとその魔とが陣取り徐々に近く大きくなっていく魔物の襲来に備えていた。


「よぉ!! おまえらが嬢ちゃんのお仲間か? 俺っちはメドックって者だ!! よろしくな!!」


「あぁ、貴方が! ユメちゃん達から聞きました、とってもいい人だと言っていましたよ!」


「よせよせ! 照れるだろ!! おーい! グラーヴ!! こいつらがユメ嬢ちゃんの仲間で間違いないってよー!!」


 メドックは少し離れたところで更に近づいた魔物を睨み付けるように見ていた男性に向け声をかける。


「はぁ、余り大きいな声を出さないで下さい、皆が驚くではありませんか、失礼、ご挨拶が遅れました、私テイマーズを率いておりますグラーヴと申します、この度のご助力、感謝の念が絶えません。」


そう言うとふかふかと頭金を下げられた。


「相変わらず無駄に硬苦しいなお前……」


 その時少し先の階段付近がざわついているのに気がついた。


「王よっ!! なりません!! せめて、せめて壁の内側でお待ち下さい!!」


「えーい! 喧しい!! ここで良いと言っているだろっ!!」


「しかし万が一が有りますので認められません!!」


「問題ない! トカイを連れてきた!! トカイよ! 私を守ってくれ!」


「うん、任せて。 ユメにも頼まれた。 今がその時。 【エアキューブ】」


 アースポエティカ王を見えにくい四角い壁が覆う。


 これってそらの…… そっか、この子が……


「間も無く弩弓の射程内に入ってきます!!」


 兵の余裕の無い声が空気をピリッと引き締める。


うわぁ、変な魔物だなぁ、黒くてトゲトゲしててなんかあれみたい。


「弩弓隊!! 弓を引けっーー!!」


「「「おぉぉ!!!!」」」


「あれは……」


「ん? ユリちゃんどうしたの?」


「ミュスカ様、あれは敵ではありませ……」


「放てぇぇー!!!」


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