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レオヴィル大渓谷の主

 

 〈それじゃあ、気を付けて……〉


「あぁ」

「ほーい♪」

『ダイちゃんよ、次は圧倒的に勝からの。』


 〈うん、それは楽しみだ…… 手加減は要らないよ。〉


 そう、僕が出来る手助けはここまでだから…… 今はあれの命令に大きく逸脱した行動を取ることは出来ない。

 つまり彼らが強ければ強いほど直ぐに相対す事になるのだろうね……。


 そう…… 手加減は要らない。

 その為にかなり消耗する【超再生】まで披露した訳だしね。

 殺す気で来てもらわないと…… 僕が足を引っ張る訳にはいかない。


 はぁ、()()()すら素直に言えないとは…… 大賢者が聞いて呆れるよ…… ん、お呼びか…… あぁ、培養液でゆっくり眠りたい……。


 ■


 ……………

 ………

 …


「ダイちゃんと別れてから敵が出てこなくなったな……」


「うん! なーんもいないよー♪」


『家畜として充分に肥え太ったということかの…… なんともスマートな妾に失礼じゃな。』


 上から目線のそいつをぶっ飛ばす為にちょっと作戦会議といこうか……。



 ■


「はぁ…… はぁ、大分レベルも、上がって来たねユリちゃん、はぁ… ふう。」


「はい、ユメ達ももう少ししたら帰り始める頃でしょうから私達もそろそろ引き上げましょうか。 ……ミュスカ様もここ最近の魔物との連戦で少し汚れてしまっておりますし先のりして余まった時間でそら様達が到達した階層まで降りてしまいましょう。」


「そうだね、あと一レベル上がったら引き上げよ!」


「はい、かしこまりました。 ……前方二キロ程のところに大物がいますね、いかがですか?」


「うん! じゃあそこまでナビよろしく!」


「はい。」


 ……………

 ………

 …


「間も無く視認できます。」


「了解だよ!」


「あれはこのレオヴィル大渓谷の主……でしょうね。」


 大きい……。


 圧倒的なスケールのこのレオヴィル大渓谷、幅は一番近いところで一キロに及び深さは約二十キロ、そして長さは百四十キロにもなるという。


 この渓谷の生態系は多種多様で、絶壁に穴を掘り根城としているものや、地を這い獲物を狩るもの、近くの森林から餌を求めやってくるものと様々だ。


 その生態系の中で主と呼ばれるものが……


「蜘蛛だね…… 三十メートルくらいない? あれ……」


「足を開けば五十メートルほどは有るかと…… どうしますか? まだ見つかってはいないので引き返す事も出来ますが?」


 逃げる? まさか。


「ユリちゃん…… 心の準備はいい?」


「ふふっ…… えぇ、もちろんです!」


 よし……。


「いつも通りでよろしく… ねっ!!」


 足に力を込め地を蹴り一気に最高速へと至る。

 後ろではふっとユリちゃんの気配が消えたのを感じる。


【風舞】!!


 身体が風に舞う羽のように軽くなり最高速から一段階更に加速する。


 まずは脚から貰うよっ!!

【抜刀術】!―露払い―!!


 大蜘蛛へ肉薄し、そらが造ってくれた紫陽花を鞘から最速で振り抜く。


 キシッ!


 目が多いだけあって気づくのが早いっ!

 でも遅いよっ!!


 キーーーンっ!!


「うぁっ、硬ったぁっ……!」


 渾身の力を込めた振り抜きは八本ある脚の一本の表面を浅く切り裂くだけに止まった。


 キシキシキシキシキシィ!!


 大蜘蛛が羽虫を払うが如く脚を振り抜く。


 っ!?


「うぐっぁ!!」


 すんでの所でダイアモンドダストを展開し数メートル吹き飛ばされながらも防ぐことに成功する。


 続けざまに大蜘蛛が紫色の水球を多数吐き出し飛ばしてくる。


「防ぐまでもないよっ!!」


【流水】【流歩】!!


 一面に飛んでくる毒々しい水球を流れる水が如くするすると滑らかな動きで避けていく。


 ジュワァ


 紫の液体は岩肌に触れるとその表面を溶かし煙をあげる。


 矢継ぎ早に大蜘蛛から放たれたのは網のような糸。


「もう! しつこいよっ!! 【精霊纏い】―火―!!」


 体から赤いオーラが立ち上ぼり火の精霊の力を感じる。


 そのまま紫陽花を抜刀し炎の斬撃で糸を焼き切る。


 尚も追撃を加えようと大蜘蛛が迫り来る中、突如その頭がかち上げられるように仰け反る。


「ユリちゃん! 流石っ!!」


 ちらりとこちらを見て微笑むと、瞬きした次の瞬間にはまた姿を消していた。


【隠密】で姿を隠していたユリちゃんから放たれた斬撃で出来た隙に反撃に出る。


 再び最高速でがら空きとなった懐に飛び込みスキルと魔法を発動する。


【抜刀術】【斬鉄】【伸縮自在】!!

「―陽光―」


【抜刀術】に【斬鉄】の切れ味を上乗せして【伸縮自在】で炎を纏った紫陽花を約五十メートルまで伸ばし回転しながら振り切る。


 ギシャァァァァっ!!


 大蜘蛛の脚先を全て切り飛ばし機動力を奪う。


 更に姿を表したユリちゃんの【念動力】でジタバタと暴れ狂っていた大蜘蛛を地面に押し付け拘束する。


「息ピッタリだね! ユリちゃんっ!! 最後合わせて!!」


「ええ、承知致しました。」


 お母さん…力を借りるよ!

【精霊王纏い―真―】!!


 立ち上る虹色のオーラが全能感をもたらしステータスを何倍にも引き上げる。


 よしっ! ユリちゃんも準備良さそうだね!


 ユリちゃんは高く高く飛び上がり影を纏い急降下を始める。


「これでおしまい……だよっ!!」


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