雲は虹を携えて
明けましておめでとうございます(θωθ)ノやぁ
本年も宜しくお願い申し上げます!
はい、皆ごあいさつー!!
「明けましておめでとう! ところで伊達巻きってカタツムリに似てると思わない?」
「マスター! 伊達巻きってカタツムリなの? 美味しそうだね♪」
『主よ、いや、なんでもないのじゃ・・・ 妾は似てると思うのじゃ!』
「やっぱりそらとルーちゃんがお話ししてるの見るとやっぱり和むなぁ、皆明けましておめでとうございます! ユメちゃん、伊達巻きはカタツムリじゃないよ? 誰がそんな事言ったの?」
「ミュスカ様、形が似てるという話しなようです。」
はぁ、君たちに何か求めた私が間違っていたようだ。
_ _ _@っ"
これ、カタツムリの顔文字。
地味に気に入ってて普段使ってるけど大体
ん?
って言われるんですよね笑 よかったら皆様使ってみて下さい!
え? いらん? そ、そう?
今年も宜しくお願いします!
瓦落落 ルマ _@っ"
「いやー、大分進んだよね? 少し敵が減ってきた気もするし休憩しようか! 大壺さんもお疲れ様ねー」
ん? きゅんです?
「あー、うん。 きゅんだね! かなり食べてもらってるけどまだ大丈夫?」
……げぇーーーーっぷ。
「……おう、 ……さすがにお腹いっぱいか…… 了解! ありがとう! ここからは力技ゴリ押しで乗り切るから大丈夫だよ! お疲れ様!」
【蟲毒】を解除しようとしたら大壺さんから腕が伸びてきて優しく肩をポンポンと叩かれた。
頑張れってことかな? やっぱりやけに行動が人じみてるよなぁ。
「ああ、がんばるよ! またね!」
すーっと音もなく手を振りながら消えていった。
さてと。
「ユメ、予定だとそろそろここのボスみたいなのに会ってもいい頃だよね?」
「ん?」
「ん? 何か俺変なこと言ったかな?」
「えとね、もうね、こなみじんになったよ♪ 昨日!」
「へ?」
『妾も気付かなかったのじゃが…… ユメよ、それはさっきまでの主の【絶界】で消し飛んだということでいいんじゃろうか?』
「うん! グシャって♪」
えー、ここまでで一番手応えないじゃん。
「ルケのレベルが上がってたよ! あと一レベルで進化できるよ!! 楽しみだね♪」
『本当かのっ? 間に合いそうで良かったのじゃ!』
「良かったねルケ! どんな感じになるのか俺も楽しみにしてるよ!」
『うむ! 楽しみにしておくれ!』
ルケ嬉しそうだな、尻尾もフリフリしてるしよっぽど嬉しいんだろな。
「じゃあこのペースだと後一日くらいであったかいゾーンに入る感じ?」
「んとねー、マスターがビュンビュン飛ばしたからあと八時間くらいで着くよ! でも着く前に休んだ方がいいの! 強いの何匹かいるの!」
ユメ曰く、次のあったかいゾーンは魔物の数こそ少ないらしいが一体一体がここまでとは比べ物にならないくらい強大な力を持っているらしい、この涼しいゾーンの白鼬達も時たま万単位系であったかいゾーンに進行しているらしいのだが悉く返り討ちにあっているそうである。
本番はここからだ、ここまでは【美食家】をあまり使わずに進んで来た、実際に口から食べるのに比べれば本当に僅かではあるのだが【付与術神】で付与した場合でも腹がふくれる為、流石に億単位で食べてしまうと俺自身の許容量を超過しかねない。
超過したことが無いためどのような状態になるかは定かでは無いが強力な魔物が跋扈するこの場所において不安材料は無いに越したことは無いだろう。
「じゃあ一休みしたらギリギリまで行って朝を待ってからあったかいゾーンに入ろう! 夜の間は俺が【絶界】を張るからルケはレベルアップに向けて体調を万全にしておいてね!」
『良いのかの? 魔力の消費が負担になりはせぬかの?』
「大丈夫だよ! 元々MPが膨大な数字になってるのもあるし、時間回復量もかなり高い数値だから実質殆ど魔力減って無いんだよね、一晩位なら朝数十秒使用を止めれば全回復するよ。」
『流石なのじゃ! 妾も進化したらきっと強く美しくなるはずなのじゃ! 役に立つからの!』
「今のままでも十分役に立ってくれてるよ! でも楽しみしてるね!」
『任せるのじゃ!!』
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さてと、明るくなって来たしそろそろ行くか。
ここからあったかいゾーンだな……。
「二人とも準備はいい?」
「うん♪」
『うむ! 行くのじゃ!』
足を一歩踏み入れると一面に広がる光景に息をのんだ。
「これは……」
綺麗だ……。
花々が咲き乱れ、草木が生い茂り、美しい湿地や遠くには青々とした丘陵地帯、景観を引き締めるかの如くグランドキャニオンのような岩山が聳え、さらには澄みきった空に浮かぶ雲は地上を写したようにうっすら虹色に染まる虹雲が漂っている。
そしてなんと言っても一際目を引くのは日本人の心に深く根付いた桜の木だ、暖かなそよ風に舞う花びらは移り行く季節のように揺蕩い、さらに幻想的な雰囲気を演出している。
「あったかーーい♪」
『これは…… 見事じゃの……』
「あぁ……」
暫く見とれていたが、ふと違和感に気付いた。
その違和感とはこの光景が綺麗すぎるということ。
強大な魔物が凌ぎを削っているこの場所でこの景観が保たれるだろうか? それこそ荒野になっていても納得が行くと言うものだ。
「ユメ、この辺に魔物はいるの?」
「んー…… いない!! もっと真ん中の方にいるみたい!」
真ん中…… 悪魔の鏡池の周辺ってことか、そういえばルケが何やら惹き付けられるような事を寒いゾーンで言ってたな。
ならこのあったかいゾーンの外側の景観が保たれていることにもある程度納得が行く……か? いや、それでも白鼬が侵入してきて追い返されて涼しいゾーンまで逃げているからには何かここに留まれない理由が有るのでは無いだろうか。
ユメは敵はいないと言ったが完全に気を抜くのは止めておこう、一応いつ襲われてもいいように気を付けて進んでいくか。
「それじゃあ進もう…… っ!?」
そういって足を一歩踏み出した瞬間にそれは起きた。




