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メタルスワット アナザーストーリー (タツミ)

作者: 麻生弘樹

これはタツミがメタルスワットに所属する前の出来事である。

タツミは特殊部隊ネオガーディアンに所属していた。

メンバーはタツミともう一人ショウという人物がいた。

二人はお互いをバディ(相棒)と認め合い、抜群のコンビネーションでミッションをこなしてきた。

そんな二人を変えるミッションがタツミとショウに与えられた。


ある日、二人はネオガーディアンの司令室へ呼ばれていた。

司令官のネルソンは二人にとあるミッションを命じた。

そのミッションとは

「ロボット兵器の開発阻止?」

「ああ。

これを見てくれ。」

と、ネルソンはモニターに画面を表示した。

画面には一人の男が映し出されていた。

「ダニエル レッグ。

有能な科学者だったが、とある理由で学会を追放された。

そのダニエルがロボット兵器を開発しているとの情報が入った。

更にダニエルはテロ組織とも繋がっているらしい。

何としてもこれを阻止してくれ。」

「逆恨みってやつか......」

「了解。

すぐさまミッションを遂行します。」

「健闘を祈る。」


「久々のミッションだな。

腕がなるぜ!」

「そうやってまた熱くなるなよ?」

「分かってるって。」

と話しながら二人はミッションの準備に移った。

屋上で専用ヘリが待機していた。

すぐさまそれに乗り込む二人。

目的地までの座標はセットされており後は自動運転で運んでくれる。

「準備完了。

発進!」

ヘリは空高く舞い上がった。


「それにしてもロボット兵器とはな......、厄介なもの作ってくれたもんだぜ。」

「ま、何にせよ、油断は禁物だな。」

「心配すんなって、今回も頼りにしてるぜ?」

「こちらこそ、頼りにしてるからな?」

と、ニヤリと微笑む。


出発してから約一時間が経過した頃、目的の研究所が見えてきた。

「あそこか......。」

「相手はロボットだ。

手加減はいらないぞ?」

「俺はいつだって本気だ!」

「そうだったな、行くか!」

二人はヘリにある専用カプセルの中へ入った。

指紋認証をすると、2人の身体に特殊防弾ベスト(ネオベスト)、脚部にはキック力とジャンプ力を引き上げるパワーレッグ、そしてヘルメットが装着された。

これが二人の戦闘装備である。

手にはネオビームマシンガンを持つ。

準備完了だ。

ヘリは研究所の真上に着いた。

ヘリからロープを垂らし、一気に降下する。

研究所内に侵入した二人はライトで先を照らしながら進んでいく。

敵は今のところ見当たらなかった。

やがて二人は目的の開発室へと辿り着いた。

「ここか......。」

「気を抜くなよ、タツミ。」

「ああ。

行くぞ!」

二人は勢い良くドアを開けた。

中に入り、真っ暗な室内を照らす。

しかし、人の気配は見当たらなかった。

「こちらタツミ。

目的の部屋に侵入。

ダニエル レッグの姿は見当たりません。

引き続き捜索します。」

「一体どうなってるんだ?

どこにダニエルは......?」

二人は首を傾げた。

その時

「私をお探しかね?

ネオガーディアンとやら。」

突如、声が聞こえ、部屋の明かりが点いた。

「!?」

見ると一人の白衣を着た男が立っていた。

更にその後ろには何体ものロボット兵器が並んでいた。

「お前がダニエル レッグか!?」

「テロ行為に関与している疑いでお前を連行する!」

するとダニエルは大きな声で笑い出した。

「テロ行為にだと!?

私はただこの国の平和の為にこのロボット兵器、いや!ダイノスを開発しただけだ!!

それなのにあいつらは私の発明をバカにして......!

私がいかに優れているか目に物を見させてやる!!」

そう言うとダニエルは手元にある装置を操作した。

するとダイノスが一斉に起動した。

「先ずは邪魔な君達から貸消してあげよう!!」

ダイノスが一斉に襲いかかってくる。

「く!数が多いな......!!」

「やるしかない!

行くぞ!!」

ネオビームマシンガンを握りしめ構える。


タツミ&ショウとダイノスの戦いは激戦だった。

ひたすらにネオビームマシンガンを放ち、ダイノスを撃破していく。

数は多いものの、着実にダイノスは撃破されていった。

残るは三体。

「一気に決めるぞ!

ショウ!!」

「了解!!」

三体のダイノスがまとまった所を狙い、マシンガンを放つ。

何発ものエネルギー弾を受けたダイノスは大きな爆発音をあげた。

「はあはあ......!

これで全部か?」

「何とかなったな......!」

「バカな!?

わたしのダイノスが......!!」

驚きを隠せないダニエル。

二人はマシンガンをダニエルに向けた。

「観念しろ、ダニエル レッグ。

テロ行為に関与した疑いで逮捕する!!」

「くっ......!」

そしてダニエルは手錠をかけられ、ヘリへと連れてかれた。

「こちらタツミ。

ダニエル レッグを確保。

今から本部へ連行します。」

しかし、ヘリの中でダニエルは静かに怪しげな笑みを浮かべた。


本部へ帰還した二人はダニエルを引き渡した。

「案外、対したことなかったな。」

「そうだな。

これぐらいなら楽勝だぜ。」

二人はミッションを無事終えた事に安堵していた。

しかしこの後、更なる激戦が待ち構えていようとは思ってもいなかった。


ダニエルは取り調べを受けていた。

しかしその表情は余裕そのものだった。

「甘いな諸君。

これで終わりかと思ったかね?」

「どういう事だ!?」

ニヤリとダニエルは笑みを浮かべた。


「緊急連絡!!

各地で大量のダイノスが暴れている模様!!」

「何!?」

すぐさまモニターに町の様子が映し出される。

そこには大量のダイノスが街を破壊していた。

「これは一体......!?」

「そんなバカな!

ダニエルは逮捕されているのに......!!」

すぐさまタツミとショウが司令室に呼び出された。

「なんでこんな事に......!!」

「とにかく出動だ!」

すると司令官が

「タツミ、ショウ!

これを持っていくんだ!」

と、二人にアタッシュケースを開けて見せた。

中には二つのブレスが収められていた。

「これは?」

「以前から開発を進めていたネオチェンジャーだ。

このブレスを起動させる事により、ネオアーマーが装着させる。

戦闘の役に立ててくれ。」

「了解!!」

二人はブレスを腕に装着させた。


街では人々がダイノスから逃げ惑っていた。

「早く!

逃げるんだ!」

タツミとショウは避難を誘導した。

「ダニエルのやつ、これが狙いだったのか!」

「行くぞ!

タツミ!」

「了解!」

襲いかかってくるダイノスに向かっていく二人。

先程と同じようにネオビームマシンガンでダイノスを

撃破していく。

ダイノスの特徴は分かっている為、さっきよりも倒すのは簡単だった。

やがてダイノスは次々と撃破されていき全滅した。

「よし......、これで全部か?」

「何とか倒せたな......。」

その時

「安心するのはまだ早い!

ネオガーディアンよ!」

その声と同時に大きな地響きが鳴り響いた。

「何だ!?」

「地震!?」

そして地面が大きく盛り上がり、地面の中から巨大なダイノスが現れた。

さっきのダイノスの比ではない。

それ程までに巨大だった。

「ダニエル!

逮捕されたはずじゃ!?」

するとダニエルは高笑いをあげた。

「あんな所から脱走するなど容易い事だ!

今まで散々邪魔をしてくれたな!

その報いを受けるがいい!!」

すると巨大ダイノスは二人に向けてレーザーを放つ。

吹き飛ばされる二人。

「く!

このままじゃ......!!」

「諦めるな!

ショウ!

俺達がやられたらもう誰も守る人がいないんだ!!」

辛うじて立ち上がる二人。

「これ以上ダニエルの好き勝手にはさせない!!」

「そうだな!

何としても止めるぞ!!」

二人はブレスを起動させた。

「ネオチェンジャー!!」

次の瞬間、強化スーツ(ネオアーマー)が二人の身体に装着される。

アーマーカラーはタツミが赤。

ショウが青だった。

マシンガンを放ちながら、攻撃していく。

しかし、巨大ダイノスの装甲にはビクともしなかった。

「無駄だ!

君達ではこのダイノスに勝つ事は不可能だ!!」

「く、どうすれば......!」

「タツミ。」

ショウが話しかけた。

「この場を頼めるか?

ダニエルに話がある。」

「ショウ?

お前......」

「とにかく頼む!」

戸惑うタツミを後にし、ショウはダニエルの元へ向かって行った。

「ダニエル博士。」

「ん?

何の用だね?」

「あなたは本当はこんな事したくないんですよね?」

「ふん、何を言って......。」

「あなたの事を調べました。

あなたは2年前、事故で奥さんと娘を亡くしています。

平和の為に必死に研究をしてきたあなたはそのショックに耐えられなかった。

そしてその歪んだ心をテロ組織に利用された。

あなたは本当は心優しい方のはずです。

もうこんな事はやめましょう。」

「な、何を......!!」

「こんな事、奥さんと娘は望んでいないはずです。

こんな事はやめて、罪を償いましょう。」

「や、やめろーーー!!」

するとダイノスがショウに向けてレーザーを放った。

吹き飛ばされるショウ。

「ショウ!!」

タツミが叫ぶ。

「何でだよ......!!

どうして自分の過ちに気付かないんだ!?」

怒りに震えたタツミはネオビームマシンガンのエネルギーをチャージする。

「うおおお!!!」

そして巨大ダイノスに向けて強力なエネルギー弾を放った。

エネルギー弾はダイノスの装甲を貫通した。

そのまま機能を停止した。

「ショウ!!」

タツミはショウの元へと駆け寄った。

「ショウ!ショウ!!

しっかりしろ!!」

ショウは血を流し倒れていた。

うっすらと目を開ける。

「タツミ......よくやったな。

さすがだぜ......。」

「ショウ!!」

そのままショウは目を閉じた。


その後、ダニエルは再び逮捕された。

ダニエルは涙を流していたという。

もっと早く自分の過ちに気付いていれば、こんな事にはならなかったのかもしれない。


後日、タツミはショウのお墓の前に立っていた。

花束を供えるタツミ。

タツミの頭にショウとのかつての記憶が蘇る。

ショウとは何度もミッションをこなしてきた相棒だった。

共に喜びを分かち合い、苦しい時には二人で乗り越えてきた。

しかし、そのショウはもういない。

この先、自分はどうすればいいのか......

タツミには分からなかった。


後日、タツミは司令室へ呼ばれていた。

「メタルスワット?」

「ああ。

より特殊な訓練を受けた者だけが入れるスペシャルチームだ。

テロ組織やエイリアンから地球を守る為のチームだ。

以前のダニエル レッグの手柄が認められ、それで君をメタルスワットに迎えたいと話が来ているんだ。」

「......。」

タツミは複雑だった。

ショウ亡き今、自分はどうすれば......。

「タツミ。」

その時、タツミを呼ぶ声が聞こえた。

ショウの声にそっくりだった。

驚いて振り返ると、そこにはショウが立っていた。

「ショウ!?」

「何悩んでんだ?

お前らしくないぞ。」

ショウは笑いながら

「行ってこい、タツミ。

お前の力でもっと多くの人々を救うんだ。」

「でも......」

「俺の事なら気にするな。

後はタツミ、お前に託す。」

そしてショウは

「俺はお前とチームを組めて最高だった。

ありがとな。」

と、言い姿を消した。

「ショウ......!!」

ショウの言葉を胸にタツミは覚悟を決めた。

司令室に行き、タツミはメタルスワットに行く事を決めた。


後日、タツミは荷物をまとめヘリに乗ろうとしていた。

「行ってくるぜ、ショウ。」

ヘリに乗り込み、ショウにそう伝えた。


メタルスワット本部では二人の隊員がエイリアン出現の知らせを受け、出動する所だった。


こうしてタツミは新たな部隊、メタルスワットへ向かった。



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