第35話 決戦魔王城
タイチは魔王城へ突入する。
「タイチっ右!」
転送直後リリアスの魔力検知が威力を発揮し、二人の存在に驚いた近衛兵へ先制する。
【ブルーガーディアン lv40 HP3000 MP100 SP0 】 スキル ヘルスピア
’ガキン’タイチが振るった聖剣エクスローラーが盾を掻い潜り青白色をした輝く鎧に食い込む。
「離れて!。。その光速の槍で敵を貫け、轟雷魔法ドゥラルラ!!」
耳鳴りがする轟音と共にブルーガーディアンを貫いた轟雷はその生命力を一気に剝ぎ取った。
「侵入者だ!」
入口の方から多数、叫ぶ声と鎧の打ち合うガチャガチャという音が近づいて来る。
タイチは剣を構え、巨大トマホークを振り回す逞しい牛人と相対する。
人の胴体がまな板上の鯉に見えるほど巨大な両刀斧がブンブン振り回されている。
タイチはその隙間を縫って懐に飛び込む。
と同時に遠くでチャリンっという音を聞いて居た。
(タイチ レベル14→15)
【死刑執行牛魔 lv38 HP2500 MP0 SP0 】 スキル 首切り
「うりゅああー!」
神の加護を受けたタイチの体は驚異的な身体能力を発揮し、牛魔の胴を聖剣で真っ二つにする。
’ちゃりんっ’
(タイチ レベル15→16)
城の下級兵士であるポーンナイトと中級兵士であるルーンナイト達が戻って来る。統一された鎧の中は様々な種族の顔が並んでいる。
【ポーンナイト lv15 HP1000 MP10 SP0 】 × 多数
【ルーンナイト lv20 HP1500 MP80 SP0 】 × 多数 スキル ファイヤーエンチャント
ルーンナイト達が口々に呪文を唱え彼らが持つ武器に炎を付加していく。
彼らの前に出たリリアスは良く通る声で叫んだ。
「私の名はリリアス!嘗て貴様らの主だったものだ!逆らう者には死を与える、引きなさい、兵達!」
魔王兵達は一瞬たじろぐが、また徐々に包囲を詰めてくる。
リリアスは諦めた様に目を瞑ると言った。
「警告はしましたからね。見せて上げましょう、空間魔法と召喚魔法。互いを融合するとこんな事もできます。。。。。。。。。」
リリアスが魔法の詠唱に入った。
ポーンナイトが数体リリアスに襲い掛かるがタイチが切り伏せる。
「異界神召喚!掌打!」
頭上に雲が渦巻き、そこから異界が大きく口を開いたかと思うと、先ほどの牛魔をわし掴みできる程巨大な右手が現れ掌で兵士たちを押しつぶす。
’ちゃりんっ’
(タイチ レベル16→17)
「2階の崩達と合流しよう。」
「いえ、もう少し入口から城へ戻って来る兵を減らしましょう。。。」
リリアスは又魔法の詠唱に入った。
タイチは入口の方へ走り、バラバラと城に入ってくる兵士達を次々と切り捨てる。
’ちゃりんっ’
(タイチ レベル17→18)
「どおれ!そこの勇者は俺様が倒してやろう!」
獅子奮迅の活躍をするタイチの前に現れたのは、アークデーモン。西の洞窟でクリュスタロスが倒したのと同じくらいでかい。
(アークデーモン :lv 28:♂
HP 1500 MP 180 SP 150
STR 186
AGI 45
MEN 50
スキル:眷属召喚、鬼力
「やーっ」切りかかるタイチの叫び声を合図に戦闘が始まる。スピードは明らかにタイチが勝っているようだか、それ以外は全て敵が上だ。
’どごおぉーーん’
アークデーモンの大金づちが床を粉々に破壊すると石礫が辺り一面に飛び散り、煙が発生する。
しかしその着弾地点にタイチは居らず、素早く背後を取った彼はアークデーモンの背中を深々と切り裂いた。
「ぐおおおおー」
苦痛に顔を歪めながらタイチを振り替えるアークデーモン。つまり、リリアスへ背を向けた。それまで魔法が効きにくいアークデーモンへの攻撃を控えていたリリアスは、背中の傷を見るや否や、アイスランスを唱え巨大な氷柱をその傷口目がけて叩き込む。”
「ぐぼっ!」
背中から串刺しにされたアークデーモンはその場で息絶える。
’ちゃりんっ’
(タイチ レベル18→19)
リリアスは其のまま空に浮かべた残る氷柱を入口に群がっていた集団に叩きつける。
下級兵士のリザードマン、大きな角を持った鬼、手が6本ある巨大な猿、魔物たちが次々と倒れているく。
’ちゃりんっ’
’おめでとうございます!貴方は見習い職をマスターしましたので勇者に転職します。’
(タイチ レベル19→20:転職→勇者lv1)
「うぉおおおおー!」
タイチは咆えた。体中を力が駆け巡る。勇者補正は凄まじい。今なら魔王にも勝てそうな気がした。
「タイチ、勇者覚醒おめでとう。城の入口を崩して2階へ上がるわよ。」
リリアスが土災害の魔法、ドガテラを唱え大量の土砂で兵を押し流しながら入口を閉鎖する。
「一時しのぎね。帰りは崩が転送門を開いてくれるはずよっ。さあ急ぎましょう!」
◇
「ねえ、面倒だわ。魔王が居るなら城毎焼き尽くしちゃいなさいよ。」
ヤーシュタとギルバーツは又かと言った顔でため息を付いた。
「転送呪文が使えないから、今からその方法は無理ね。ほら、あそこに魔力の高そうなのが集まっているわ、早く倒しちゃいましょう?」
ホプキンスが天音の袖を引く。
ブルザウリスは近づいて来た天音PTに見て豪快に笑った。
「ぐははははっは、魔王様の仰る通り忍び込んで来たか、ここがお前らの墓場だ。こいっ勇者!」
(ブルザウリス:山羊の魔人、新四天王 :lv 78:♂
HP 7522 MP 430 SP 10
STR 454
AGI 222
MEN 230
装備:魔晶双球、ミラーマント
スキル:集中
’ガチャガチャガチャッ ぶんっ!’
ブルザウリスが力を込めて鎖を引っ張ると、その先から巨大な水晶弾が現れ天音達に向かって飛んでくる。ガンテドックが大楯で体当たりするが、軽々と吹き飛ばされてしまう。
’グゲッ’
ガンテドックが手放し地面に倒れた盾の後ろから袋に入った緑色をした生物が顔を覗かせる。
それは、大きな眼をぎょろっとさせると次の瞬間ピョーンと大きくはね、城の窓辺に着地する。
「しまった!クリスタルがっ!」ヤーシュタが捕まえようとするが、二つの巨大水晶が行く手を阻み近づけない。
「ぐははははっは、大口カエルがペットか?ぐはははは、安心しろお前らが死んだら俺が食ってやる。」
「調子に乗るなっ!ブレイブヒートッ!」
天音が勇者の光で攻撃する。しかしその攻撃は水晶に当たると霧散してしまった。
「ぐははははは、勝てる、勝てるぞ!」
ギルバーツが剣で切りかかるが、人間側の怪力代表である様な彼を持ってしてもブルザウリスが手に装着しているクローで簡単に攻撃を止められてしまう。
「通常魔法ではどうか!?超高温、白炎魔法フィガリラ!」
長い詠唱の末、ヤーシュタの放った青白い高熱の柱がブルザウリスを襲う、さすがの敵も咄嗟にマントの中に伏せる。
’ごおおぉぉぉ’
炎が通り過ぎた時に黒こげの死体を予想したヤーシュタは無傷なマントとブルザウリスを見て、驚愕した。この魔法はヤーシュタを持ってして、1日2回しか打てない程の極大魔法である。それが無傷。。。
「一旦下に下がって合流しましょう!」
ホプキンスが撤退を促し、それぞれに後退を始めた。皆窓辺にいるカエルをチラチラ見ているが、回収する余裕は無い。
「見失うよりっ!」
ヤーシュタが雷撃の呪文でカエルを焼く、焼けたカエルは城の内側へポトリと落ちた。
読んで頂き有難うございます。
物語は終盤ですので最後まで出来るだけ続けて投稿して行けたらと思っています。




