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第34話 魔王ガデムズ

とうとう魔王城へ突入します。

「魔王様、ご命令通り探し出して来ました。」


 行方を晦ましたレグルスに代わり、魔王近衛軍を統括するブルザウリスはその名の通りブルドックの顔と神話に出てくる神々が末裔の如き筋肉の鎧を纏った闘士であった。


 魔王ガデムスはブルザリウスの後ろに隠れた小柄の迷い人、嫌、迷い魔族を見た。


 二人共フルフル震えてまるで兎か小動物の様である。しかしその奥底から感じられる魔力の大きさは魔王リリアスを彷彿とさせる程強大だ。


「繋げ」


例え潜在的魔力が大きくとも、使い方を覚えるまでは宝の持ち腐れである。しかし、ガデムズは知っていた。身体の危険を感じれば必ず魔力を開放すると。


名も無き魔王候補達は両手両足をミスリルで出来た頑丈な枷で自由を奪われ、巨大な水晶玉に繋がられる。


「たったすけて!」、「やめてっ!」


その懇願を聞きガデムスは本当に元勇者で在ったのかと疑わしくなる様な邪悪な笑みを浮かべた。


「やれっ!」


ブルザウリスが繋がれた者達に押し付けたのは、先端に魔石が付いた杖である。その魔石は勇者の光を放っている。


’ジュウウー’勇者耐性が無い魔族が勇者の光を浴びるとこうなる。細胞はレーザーで焼かれたように焦げ上がり酸で焼いた様に白煙を上げる。


声に成らない悲鳴を上げ気を失う魔王候補者、もう一人も隣の様子を見て既に気を失いそうだ。


「やれ!」


ブルザウリスが残った魔王候補に向きを変えた時、叫び声を上げたその小さな体から無属性、純粋な魔力が放出されブルザウリスを襲う。


咄嗟に身を庇ったブルザウリスだったが、その魔法攻撃はブラックホールに吸い込まれる星屑が如く彼らを繋ぐ水晶へとブーメランの様に引き寄せられる。


 魔王ガデムスが哄笑する。


「ふはははっ!出せお前らの魔力を残さず放出するのだ!」



 崩の感知能力は優秀である。だが魔王リリアスはその上を行く。


「どうやら魔族側に発生した魔王候補と見られる大きな魔力二つは魔王城の中へ入った様です。」


(どうやって感知しているのだろう?もしかして体内にアンテナ器官があって、レーダー見たいに?そうすると形状はお椀型。。。あるな、立派なのが。。)


タイチがそんな邪な事を考えて居ると尹吹と聖蘭が話しかけてきた。


「タイチって学生?それともリーマン?」


何だろう、その世界恐慌を発生しそうな職業名は?


「あっ大学生だよ。頭良くは無いけどねー。今度卒業したら小さくても海外の仕事がある商社に勤めたいなーって。。。思ってたけど、ここの街で冒険者続けるのもいいなと最近思ってたりして。」


 セーラー服の伊吹に対して清楚なブレザー姿は聖蘭である。肩まで伸びる黒髪に大きな黒い瞳、典型的なジャパニーズ美少女と言った風である。


一方、ここの所冒険者生活の長いタイチの髪はぼさぼさに伸び放題である。体は其れなりに逞しく、サラリーマン姿は少し想像に難い。


「タイチさんって強いんですかー?」


タイチはJKとの会話にドギマギしながら何と答えるか返答に苦しむ。


「最初に迷い込んでからずーっとある人に助けて貰ってばかりで、まだそんなに強くないかな。」


二人共、’そうなんだー?’、’子弟って感じ?’などとおしゃべりしている。


暫く歩くと林が開けて野原に出た。


「此処に転送魔法陣を作って置きました。」


崩が案内したのは近くの野原で、確かに其処には魔法陣が3つ地面から浮かび上がっていた。


「どうやって書いたの?これ?」


ヤーシュタが崩にしつこく聞いて居るが、企業秘密らしい。


「本当は尹吹と聖蘭のレベルを少しでも上げて行きたかったけど敵が多く、囲まれると面倒なので突入します。二人は魔術師タイプなので後方で支援させます。二人共杖は持ったわね?」


元魔王リリアスが作戦計画を説明する。合流以降彼女は何となく雰囲気的にリーダーの様に扱われている。流石元とはいえ(魔)王である。


そんなリリアスに天音が大人しく従っている事が大きな謎だった。天音はホプキンスとも仲良い様だし、年上の女性とは上手く付き合っていけるタイプなのかもしれない。男性陣に対する刺々しい態度と大違いである。


「転送した先が敵のど真ん中だったらどうする?」


ギルバーツが崩に確認する。


「その為に3つ作った。それぞれ魔王城の1階2階3階に転移する様に調整してある。これから3チームに分けて突入するが、もし敵に囲まれたチームは申し訳ないが自力で脱出してくれ。」


チームは天音PTが3階、尹吹・聖蘭ペアに崩が付いて2階へ、タイチとリリアスが1階という配分になった。


「目標は魔王の間?我々は未だ二つしか鍵を持っていないでござる。」


ヤーシュタの正論にリリアスが1本の鍵を天音に手渡す。


「魔王の間の鍵。スペアーキーだけどね。3階チームに渡すわ。」


リリアスとPTが分かれた崩は不機嫌である。


「タイチ、貴様リリアス様に指一本でも触れて見ろ、焼き尽くすからな。常に1m離れて尚且つリリアス様を守り切れ!」


崩が無茶な要求をタイチにしながら魔法陣へ送り出してくれた。1階チーム、3階チーム、最後が崩達の順番で突入する。


ここまで読んで頂いて有難うございます。

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