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第9話 勇者見習いタイチ

勇者の筈が勇者見習いになってしまったタイチ

謁見を終えて。


「あっあの?天音さんが大魔王を倒した場合、僕はどうなるんでしょう?」


ハイネスが腕組みして考え込む。


「うーん、天音と共に元の世界に戻れるのか、その辺りは我々にも分からん。そもそも正直な話をすると大魔王を倒した勇者が過去おらんのじゃ。しかし彼らは少なくとも引分けてくれた。まあ、じゃから、倒した後の事は倒してから考えても遅くはないぞ。おっと、魔王を倒した勇者が元の世界に戻れる・・・これだけは大昔の大神官が直接神から聞いたと言い伝えられておるから間違いはない。」


(本当かな?命の掛け損になるかもしれないじゃないか。。。)


憮然とするタイチと対照的にこの世の春が来た様に浮かれる天音はハイネスに連れられて王の間から退出した。


そして会議室の様な一室に通された二人は大魔王攻略のルートを説明されている。


「いいか、大魔王は此処から北西に湖沿いに行き、僻山という山のすそ野にある魔の森を雪山に突き当たるまで西に進んだ所にある魔王城にすんでいる。今第の大魔王はたしかサキュバス族のリリアナという美女が就任したとお告げに出ておる。大魔王城入口の鍵は途中砦に住まう四天王が分割して持っているので倒して奪うように。何か質問は?」


疑問・質問だらけである。


「あのー?なぜそこまで分かっていて軍隊とかを動かさないんですか?」


「それをすると神罰が下るからじゃ。」


「?」


天音も首を傾げている。


「さて、お前たちには過去の例に習い支度金である金貨10枚とこの女神の虫メガネを与える。おい見習いのタイチ君、これで勇者天音を見て見るがいい。」


見習いという言葉になんとも言えぬ不快感を覚えながら渡されたルーペで天音を覗く。すると脳に直接情報が飛び込んで来た。


(天音:職業 勇者:lv1 :♀

 HP 9/10 +勇者 →1009/1010

 MP 0/0  +勇者 →1000/1000

 SP  0/0  +勇者 →1000/1000

 STR 2  +勇者 →122

 AGI 1  +勇者 →121

 MEN 32 +勇者 →152

 

スキル 勇者の威光 (PT全員に中支援))


(うわぁ。。。)「勇者。。チートだ。」


ちなみに勇者(見習い)に成り下がったタイチのステータスは以下のとおりである。


(タイチ:職業 勇者見習い:lv1 :♂

 HP 13/15 +100勇者見習い →(136)  

 MP 0/0  +10勇者見習い →(12)  

 SP  0/0  +初期100勇者見習い →100

 STR 3  +10勇者見習い →(16) 

 AGI 3  +10勇者見習い →(16) 

 MEN 3  +10勇者見習い →(16) 

 

スキル 勇者のおかげ (勇者といるとステータス+20%))


「いつまでもじろじろ見てんじゃねー!」


ルーペで自分と天音のステータスを比較観察していると、突如天音のビンタが飛んできたがそれはもう人の領域を超えたスピードであった。


’バンッ’


派手な音を立ててタイチが吹っ飛ぶ。HPも半分程持って行かれた様だ。


「くそっ殺す気か?勇者補正で強くなっているんだからもっと気を付けろ!」


怒るタイチに天音は謝罪するどころか、眉間に眉を寄せて言い切る。


「てめー、弱っちい癖に偉そうに指示するんじゃねー!」


頭に来たタイチは起き上がるとテーブルに準備された金貨を乱暴に取ってずかずかと出口に向かう。


そして扉の所で振り返るとハイネスに向かって宣言した。


「1年後に勇者に成るために戻って来るから!それまでは修行するから干渉しないで下さい!」


◇ ◇


王城門を出ると既に日は真昼を過ぎていた。


とぼとぼと町へ向かって歩くタイチ。


「タイチさん。どうでした?勇者様になれました?」


エレナの声に顔を上げたタイチであったが、よほど酷い顔をしていたのであろう。エレナは黙って微笑みながら項垂れたタイチの横顔を優しく胸に抱き寄せ囁いた。


「タイチさん、大丈夫ですよ。明日からも一緒に冒険者ギルドで頑張りましょう。そうだ、お金が溜まったら南へ行って海っていうのを見ませんか?とっても奇麗でずーと住みたくなるそうですよ。」


「あーうーうー」八五郎もペタペタ触って励ましてくれる。


「エレナ。。。有難う。俺、エレナと出会えて良かった。」


涙ぐむタイチ。


エレナは微笑みながら手を引く。


失意のタイチは誓うのであった。


(1年後だ。それまでに地力を付けて少しでも強く、あのカルシウム不足勇者よりも強くなってやる!)



◇ ◇ ◇



「天音様、良かったのですか?本当ならばあの者も討伐に加える予定だったのでは?神の選んだ勇者候補だけあって鍛えれば戦力になりそうですが?」


声を掛けられた天音は振り向きもしない。声を掛けた神父服姿の男性は天音の言葉を待つ。


彼女は言った


「ヤーシュタ、貴方の予言通り彼は勇者に選ばれ、私はそれを横取りした。でもこれは始まりなの。私は貴方たちと魔王を倒してどうしても元の世界に戻らなければならないの。」


実は、預言者ヤーシュタによる占いで、勇者タイチは四天王を倒し1年後に魔王リリアナを追い詰めるも、故意にリリアナを見逃し、その後魔王軍によって王城が落とされるという最悪の未来が預言されたのだ。今回の事はそれを阻止する為の演技、天音は文字通り体を張って勇者を横取りしたのである。


王宮騎士団を預かる騎士団長アルトネイオが若き副団長であるギルバーツの肩を叩きながら言った。


「勇者天音殿、我々王宮騎士団最高の剣技を誇るギルバーツ副団長をお供に付けます。予言のヤーシュタ殿、鉄壁の盾ガンテドック殿、癒し手ホプキンス譲で総勢5名。神罰は10名を越えなければ降って来ないとされていますが、残りはどう致しましょうか?」


「それにしても何なのよ。その神罰ルール。私をこの世界に呼び出したのもそいつ。出来る事なら逆に懲らしめてやりたいくらいよ。」


天音の言葉にこの世界の重鎮達が一斉に怯えた様子になる。


「天音殿、神の悪口は行けません。貴方はこの世界に来たばかりでご存知無いでしょうか、過去にも強大な力を手に入れた迷い人が神に牙を剥いた事が何度かあったのです。そしてその結果。。。」


「巨大な火の玉が無数に降り注ぎ、村は焼かれ王城は破壊された・・・」


「最後の神罰は凡そ100年前と文献にはありましたな。」


「分かったわよ!そうならない様に気を付ければいいんでしょ!メンバーはもう十分よ。でも支度金が足らないわ。王宮所蔵の一番いい武器も出して頂戴!」


こうしてチーム天音は王城で準備を整えると翌朝に大きな荷馬車に乗って、魔王退治の勇者を一目応援しようと道一杯に溢れかえった群衆に手を振りながら、北西に旅立ったのだった。


《チーム 天音》


天音    lv1  勇者 ♀ 15歳 リーダー 装備:勇者の軽鎧,ミスリルのレイピア

ギルバーツ lv32 剣士 ♂ 26歳 攻撃役  装備:騎士団の軽鎧,ドラゴンバスター(両刀)

ヤーシュタ lv50 預言者♂ 50歳 魔法役  装備:魔道師のローブ,ルーンの秘杖

ホプキンス lv33 堕神官 ♀ 19歳 回復役  装備:神官の鎧,聖なる杖

ガンテドックlv35 冒険者♂ 35歳 盾役   装備:風炎の大盾,ドラゴンアーマー,ヴォイドハンマー

ここから戦闘話が多くなって行く予定です。


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