↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ライフは山あり谷あり  作者: 常盤今
第5章 5等級昇格試験編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

69/94

066

「やりましょうよ。試験の雰囲気に慣れるだけでも受ける価値はあるわ」


 ザルクさんパーティー唯一の女性メンバーであるヒルダさんがプッシュしてくれた。

 ちなみにヒルダさんは斥候職でスレンダーボディのお姉さんだ。


「そうだな。何事も経験を積んでおいて損はあるまい」


 こちらは斧使いのワトスさん。20代中盤のガッチリ体型だ。

 もう1人の男性も頷いている。


「わかった。やるか!!」


 ザルクさんも決断したようだ。

 1万ルクを渡す。

 ここはパーティーリーダーが試験の申し込みをするべきだろう。

 メンバー全員で受付に行く。


「5等級への昇格試験を受けたい」


「承りました」


 受付嬢が後ろにある棚から鈴か鐘のようなモノを持ち出した。

 それを左右に振る。


 カラン♪ カラン♪ カラン♪ カラン♪ カラン♪ カラン♪


 ギルド中に鐘の音色が響き渡る。

 つかこれ何が起こっているんだ??


「只今5等級昇格試験への申請を受け付けました! 訓練場にて昇格を賭けた模擬戦を行います!! 只今5等級昇格試験への申請を受け付けました! 訓練場にて昇格を賭けた模擬戦を行います!! 只今5等級昇格試験への申請を……」


「「「「うおおおおおおおお」」」」


「どのパーティーだ?」

「ザルクのとこらしいぞ」

「1か月振りか」

「早めに帰って来て良かった!」

「今回は勝つぞ!!」

「宿にいるメンバー呼んで来る!!」


 ギルド中がハチの巣を突いた騒ぎになった。


「これは……何が起こっているんです?」


「知らないのか? 昇格試験は冒険者が盛り上がる一大イベントなんだ。専属の業者による賭けも行われるぞ」


「賭けですか。それって試験を受ける俺らも参加できます?」


「どうだったかな? 俺らも受ける側は初めてだからな」


 ザルクさん達を試験に誘って本当に良かった。

 こんな騒ぎになるなら、もし俺1人で受けていたらどうなっていたことやら。

 壁外ギルドで昇格試験を受ける場合もこんな騒ぎになるのだろうか? ちょっと想像できないな。

 いや、確か壁外ギルドは出張所扱いだから、昇格試験はこっちのギルドで受けるのかもな。



「ラックさんだ!」

「解説者のラックさんか!」

「今回の事前予想はどうなんだ?」

「ラックさん今回も当てて下さい!」


 解説者までいるのかよ!

 まさかそれが職業って訳ではないだろうな。


「ラックさん、今回の昇格試験はどう見ますか?」


「対戦相手が決まらないとなんとも言えませんが、ザルクのパーティーは6等級の中堅上位といったところです。昇格自体は試合内容も考慮して検討されるものの、模擬戦の勝敗という意味では厳しいでしょう」


 くそっ。評価低いな。

 い、いや、賭け的には下馬評低いほど倍率は上がるから却っていいのか。


 カラン♪ カラン♪ カラン♪ カラン♪ カラン♪ カラン♪


「昇格試験の対戦パーティーは、5等級のヤコールさんのパーティーに決定しました!! 繰り返します。対戦パーティーは、5等級のヤコールさんのパーティーに決定しました!! 繰り返します。対戦パーティーは……」


「ラックさん、対戦相手が決まりましたが?」


 そもそも解説者に聞いてるアンタは誰やねん。


「ヤコールのパーティーは、腕利きの魔術士2人を擁する5等級トップクラスのパーティーです。挑戦者はますます厳しくなりましたね」


 各等級の色々なパーティーに精通しているのはさすがだな。

 伊達に解説者は名乗ってないか。

 俺なんて同じパーティーメンバーがどんな戦い方をするのかすら知らんけど。


 あっ。

 ネル先生を見つけた。


「ネルさん!」


「どうも。ツトムさんはザルクさんのパーティーだったのですか?」


「今日1日だけ臨時に加入してるんですよ」


「昨日まで7等級だったのにもう5等級の試験を受けるなんて……」


「6等級に昇格した勢いで5等級試験に突撃ですよ!」


「ヤコールさんのパーティーは強いですよ?」


「ここだけの話ですが、自分らに賭ければ儲けられますよ。それじゃ」



 メンバーのとこに戻ると、何やら俺抜きで話し合っていたみたいだ。


「ツトム。戦い方はどうする?」


「戦い方というと?」


「そういやお前は昇格試験のことをよく知らないのだったな。挑戦する側が対戦方法を選べるんだよ。パーティー単位で戦う集団戦か、1対1の5回戦勝負か、勝ち抜き戦か」


 5回戦勝負は絶対ないな。ザルクさん達には悪いけどラック氏の解説を聞くとねぇ。

 試合のルールもまだよくわからないから無難に勝ち抜き戦にしておくか。

 どんなルールであっても1vs1で負けるのなら仕方ないし。


「勝ち抜き戦でお願いします」


「戦う順番はどうする?」


「この中で戦いたくないという人はいますか?」


 おずおずとヒルダさんが手を挙げた。


「できれば私はちょっとね……」


 斥候職は直接戦闘には向かないので仕方ない。


「わかりました。ではヒルダさんを5人目、自分を4人目でお願いします」


「それって……」


「それより賭けってまだなんですか?」


「もうすぐ賭け率が発表されると思うが……賭けるつもりなのか?」


「もちろんですよ! 皆さんは賭けないので?」


「いや、なぁ」


「俺達は初めての試験だし……」


「今日稼いだ分ぐらいは賭けてもいいと思うのですが」


「賭け率は1.2対12.5!! 賭け率は1.2対12.5!! 3等級掲示板の前でかけ札を販売開始します!! 賭け率は1.2対12.5!! 賭け率は1.2対12.5!! 3等級掲示板の前……」


 賭けが始まったみたいだ。

 凄い人混みの中を縫うようにかけ札の販売所まで行く。


「試験参加者は買えるのか?」


「参加者は自パーティーに対してだけ賭けられるぞ!」


 八百長防止の為かね。


「いくらまで賭けられる?」


「限度額は20万ルクだ」


「ではザルクパーティーに20万ルク」


 ざわざわ! ざわざわ!


「マジかよ?!」

「漢だねぇ」

「見ない顔だな」


「賭け率変更1.5対11.0!! 賭け率は1.5対11.0!! 3等級掲示板の前でかけ札を販売しています!! 賭け率変更1.5対11.0!! 賭け率は1.5対11.0!! 3等級掲示板の……」


 その都度オッズを変えるんだな。

 あ。しまった!!

 試験を申し込む前に家から2人を連れて来るのだった。

 そうすればあと40万ルク賭けられたのに!

 いや、さっき買う時に冒険者カードが必要だったから、買えるとしてもロザリナの分だけか。

 それでも失敗したなぁ。



 所持金73万7520ルク→55万9020ルク


「賭け率変更1.4対11.5!! 賭け率は1.4対11.5!! 賭け率変更1.4対11.5!! 賭け率は……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。