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異世界ライフは山あり谷あり  作者: 常盤今
第2章 王都滞在編

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015

「おかえりなさいませ」


 ルルカは昨日と同じく外出着のまま出迎えてくれた。

 つかドアの向こうで立って待っていたタイミングだよな。


「ルルカ、宿や家に帰ったら部屋着に着替えて座るなり、寝そべってリラックスしてていいよ」


「そのようなことはできません」


「いっそ昼寝しててもいいし」


「で、できません!」


「主としての命令ね。言ったでしょ堅苦しいのは嫌いだって」


「そんな無茶苦茶な(小声)」


 服を脱いだ俺はルルカを抱き寄せる。


「ほら、外着のままだと俺が嬉しくないなぁ」


「うう……」


 一旦ルルカを離し、ベッドに腰掛ける。

 ルルカはモジモジしながらも意を決したのか、服を脱いでいく。

 脱衣シーンを鑑賞するのもアリだな。


 さて次はどう行動する?

 俺的な正解は全裸になって俺の上に座るなのだが……

 さらにキスをしてくるなら満点だ。


 しかしルルカはそそくさと部屋着を着て俺の隣に座った。

 まぁ話の流れ的には部屋着を着るのは仕方ないか。


「あ、あの……」


「友人宅はどうだった?」


「楽しい時間を過ごせました。ありがとうございます」


「それは良かった」


「夫人からくれぐれもツトムさ、んに御礼を申し上げて欲しいと」


「うん」


「それと美味しいパンを扱ってるお店を教えて頂きました」


「それは良かった。明日行ってみよう」


「はい」


「あー、明日は夫人宅に行かなくていいのか? 王都を発ったら次の機会はいつあるかわからないし」


「しかし2日も続けて会いに行く訳には」


「夫人は何か言ってなかったか?」


「明日も来て欲しいと」


「なら問題ないな。明日はパン屋でお土産を買って夫人宅へ行こう」


「ごしゅ!、ツトムさ、んもですか?」


「はいおしおき」


 ルルカを俺の上に背中向きに座らせ激しく胸を揉む。


「あっ!」


「早く慣れないとおしおきを段々レベルアップしていくからね」


「そ、そんなぁ」


「俺は挨拶だけして失礼するつもりだ。パン屋で味見して気に入ったら買い込まなければならないし、商業ギルドにも行かないといけない」


「わか、んっ……、りま……、した」




「おはようございます」


 翌朝またもルルカが先に起きていた。

 朝に強いのだろうか?


 いつも通りの行動をして宿を出て、ルルカの案内でパン屋に向かう。

 夫人オススメのパンを買い半分ずつ試食してみる。


「ほう、ウマイ」


「美味しいです」


 オークの肉とソースとパンが実にマッチしていて絶品である。

 お土産用に購入して、店の主人と大量購入の交渉をしてから夫人宅に向かった。




 夫人宅は第二区画の住宅街にあり、特に大きいということはなかった。使用人もいないらしい。

 貴族と言っても最下層の騎士爵の暮らしぶりは、庶民と大差ないようだ。


 ティリア・コーネル騎士爵夫人は、茶髪で目元の優しい感じの親しみやすい雰囲気の美人奥さんだ。

 ルルカほどではないものの、2つのお山は大きい。


挿絵(By みてみん)


「初めまして。冒険者をしておりますツトムと申します。此度はルルカがお世話になり、誠に御礼申し上げます」


「あらまぁ! ティリア・コーネルと申します。ツトムさんのことはルルカからたくさん聞いておりますの!」


「ティリア! もう……」


 購入してまだ4日目でそんなにネタはないような……

 そうか。社交辞令だな。


「昨日も美味しいパン屋を紹介して頂きありがとうございます。早速行ってきましたのでこちらをお受け取りください」


 先ほど購入したパンの包みを渡す。


「昨日に引き続きご丁寧にありがとうございます。私あそこのパンが大好きですので、とても嬉しいわ!」


「喜んで頂けて自分もとても嬉しいです」


「まぁ!」


 夫人が俺を抱きしめてくる?!


挿絵(By みてみん)


「お若いのにしっかりしてらっしゃるのね!」


「ちょ、ちょっとティリア」


「さぁ上がって。ゆっくりじっくりとお話しましょ」


「申し訳ありません。パン屋に大量購入の依頼をしておりまして、店に行かないといけないのです」


「あら残念だわ。聞けばツトムさん達は明日王都を離れるのでしょ?」


「はい。その予定です」


「もう会えないかもしれないのに、私とお話する機会を作って頂けないのかしら?」


「あの、パン屋に行くのは私だけなので、ルルカはこのままお邪魔させたく思いますが」


「私はツトムさんともお話したいのよ?」


 これ以上の拒絶は失礼に当たるか?


「用事を済ませた後であれば、午後ぐらいに再度伺うことも可能ですが」


「ツトムさ、ん!?」


 ルルカが何やらしきりに目で訴えかけてくるが、よくわからんぞ。


「まぁ! 嬉しいわ! お待ちしておりますわね。ルルカは上がって」


「失礼致します……」




 一旦夫人宅を辞してパン屋に戻る。

 出来た端からパンを収納に入れていく。

 店の主人に手伝いを申し出たが、レシピは秘密なのでと断られてしまった。


 パン屋での取引を終え、次に商業ギルドに行き個室に通されると、入ってくるのはもちろん担当者である(肉食系の)エメリナさんである。

 お盆のようなものに見たことのない金貨を乗せ対面に座った。


「お待ちしておりました。こちらが落札価格の240万ルクでございます」


「そんなに!?」


 100万超えてくれないかな、ぐらいに考えていたので驚きである。


 そうか。これが噂の白金貨か。

 白金貨2枚大金貨4枚を確認できる。


「短期間の展示だったのですが、一部で話題になってましたのよ。展示期間がもっと長ければ更に価格は上昇してたでしょう」


「次の開催までずっと王都に滞在する訳にもいきませんので、致し方ありません」


「私としてはツトム様にゆっくり王都に滞在して頂きたいのですが……

 何はともあれ、まず清算を済ませてしまいましょう。

 仲介料として5%頂きますので、12万ルクお支払いくださいませ」


 小金貨2枚取り出し、机の大金貨1枚と合わせて支払う。


「あとこの白金貨1枚を大金貨に替えてもらえますか?」


「かしこまりました。しばらくお待ちください」


 これでバルーカに戻ったら家を借りられるし、戦闘奴隷も買える。

 王都で競売に掛けて良かった。薦めてくれたバルーカ商業ギルドの若い職員さんには感謝だな!



「お待たせ致しました」


 エメリナさんが入ってくる。


 カチャ。


 ん? 何かカギでも掛けたような音が……


今週は土日も投稿します。同じ19時40分です。

よろしくお願いします。

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