宇宙人なのに能力それだけかよ!
_20××年 それは突然起こった
この男、下舞 環はこの日『運命を大きく変える』出来事が起こるのだが、彼はまだ知らない…
ピチュピチュと鳥の鳴く声に目を覚ましたおかげでアラームがなる前に少し早く起きられたようだ
「あぁもう朝か」質素な部屋を見回しながら照明を付ける。
環はあくびをしながらリビングに降り、テレビをつけた
本当は学生なのでテスト勉強などといった忙しいことが沢山あるが今日は休日だ。休憩も大切なのだ。
今の時間帯が昼ということもありテレビはバラエティ番組ばかりで少しつまらない
ニュース番組に変えて立ち上がろうとした時、驚くことが起こった
ニュース番組でサイレンのような音が鳴り、『緊急宇宙人襲来警報』という文字が映された
普通驚いて何もしないだろうが環はテレビ局を誰かが乗っ取ったのだと思い、スマホでとりあえず録画しておいた。
数週間は大きな話題になったが、その後は何も無かったかのように誰も話題にしなくなった。
環もその事について忘れてきたときに起きたのだ。
「ふやぁ〜開けてください」玄関のドアをガチャガチャしている。声は小学生の男の子で何か焦っているが伝わってくる
あいにく家にいるのが環1人だったのでしょうがなくドアを開けた
そこに立っていたのはやはり小学生くらいの男の子だ
近所のことはあまり知らないが、一度も会ったことは無いと思う
ここで泣かれても困るので要件を聞いた「どうしたのかな?」
するととんでもない答えがでてきた
「ぼ、ボク宇宙人なんですっ!居候させてもらうことってできませんか…?」
意味が分からずポカンとしていると小学生くらいの男の子は話を続けた。
「もちろん出来ることはありますし、ボク宇宙人なので、能力があるんです!」
厨二病だとしても気になってきたので話を真剣に聞いた
「その能力っていうのが…」
「うんうん」とりあえず頷いてみる
「モノを持ち運ぶことができるんです!」
普通のことじゃない?と思ったのがバレたのかその能力を見せてくれた
「いきますよ!」その瞬間ひし形の形の目が大きく広がり、四角い形のなにかが出来上がった。
そのなにかはまるで某青狸のポケットのようだった。
男の子はこの四角い形のなにかについて説明をしている
「これは、スウォールアイっていうんだ!」
「ボクが貰ったもの、買ったものは全て、いってしまえば無限に手に入れられるんだ」
詳しく聞こうとしたのを遮るように男の子はまた喋りだした
「だけど欠点があるんだ。それは…」
「それは?」
男の子が喋り出そうとした時に母親が帰ってきた
「あら?どうしたの?見たことない子ね」
「すみません、居候させてくれませんか?」
突然聞かれて母も驚いたようだ
「お母さんは?」
「僕、家族、親戚もろともいなくて…」申し訳なさそうに言っている
「宇宙人なんです、見ましたでしょ?宇宙人襲来警報」
母は意外と驚かずに考え始めた
少し考えたのか母は言った
「わかったわ!で、もし親が見つかったらすぐ交番に連れていくわ」
急にぱぁっと明るくなった男の子だったが、自分は気になって聞いた
「というかキミ、名前は?」
「えーっと名前実は無いんです...宇宙人なので」
「じゃあ…ノモって呼ぼうかなー」
「ぜひどうぞ!」
最初は敬語だったのに数週間経つと性格が見えてきた…
「なんでこいつを居候させたーーー!!!」