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白雪の姫

 蓮の剣術の燕氏勢法のモデルは朝鮮剣術の朝鮮勢法だったりします。 

中国の両手剣技術は、元代にモンゴルにより中国剣術はいったん消えてます。そして、その技術は李氏朝鮮に温存されて朝鮮製法として伝えられていきました。後に日本の陰流と朝鮮製法、残っていた中国の片手剣術がまざり、中華剣術になっていたものなんですね あまり表にでてこない武術なので、もっと見てみたい気がします。

  6   


 白と灰の部屋だった。


 めざめた部屋は私の住んでいた場所ではない。

 透けるように白い絹の天蓋がゆれる寝床に私はいた。


 まるで王様の寝室。

 いい香りにつつまれ安心できる部屋。


 まるで天国のよう……


「ここは、どこ?」


 思わずもれてしまう……

 答えを意識していない言葉だったのに……


「私の部屋よ」


 寝床の向こうからだ。風が天蓋をながす。


 イスにすわっているのは紅葉君様……ちがう、一度見たことがある貧民街で食事をほどこしていた姫さま。


「はじめまして、私は朱雪しゅ・せつ。あなたは?」


 この国の第一王女・朱雪。号は……


「……白雪君……はくせつくんさま


 彼女は優しくほほえむ、そう紅葉君の敵だ。

 笑顔で人をまどわしありえない夢を口にする愚かな姫君。


 そうだ、剣は私の枕元にある。


 他の敵は……


 いない…いるのは彼女だけ……


 人質にとれる、そのまま剣に手をのばすと、肩の痛みが走る。


「ダメよ。まだ終わってないのよ」


 しかし、剣を取り上げることはしない。


 この女は危機意識はないのだろうか?


 体の傷に治療のあと、白い麻布で作った包帯、塗り薬らしいもの……こんな高価な物を使ったの、私なんかのために……


「あなたが……」


「そうよ。それにわたくしは雪と呼んでほしいわ」


 そして気軽に名前で呼んでほしいと口にする。

 偉い人にとって名前は号でよばないといけないが、彼女はそんな忖度そんたくはしない。


 「私は雨蓮う・れん


 名乗っただけなのに彼女はほころぶようにわらう。

 無邪気という言葉が似合うように、こんな人を始めて……


「泥の中からさく花の名前。とてもステキよ」


 その言葉は亡くなった母親と同じ言葉。


 おもわず涙がこぼれ落ちていた。


「だ、大丈夫。痛かったのかしら? もう大丈夫よ……ね」


 泣き出す、私にオロオロととまどっている白雪君。

 そんなお人よしの無害のお姫様。


 これが、私と白雪君との出会いだった。


  7


 毒のない温かい粥。 


 キレイな水で作られ、塩も丁寧に海水から作られたものを取りよせている。

 王侯貴族だけが口にできる食べ物。


 こんなにも貴重なのに……


 知っている……紅葉君様も同じものを用意してくれた。

 幸せな時間。


 ちがう…


 紅葉君様の粥は塩で味付けされていたけど、白雪君の粥は色鮮やか。


「おいしい、こんなの始めて食べた」


 わたしは思わずつぶやいた。

 今まで食べたことのない、まろやかな味……


 なみだがこぼれた。

 彼女もニコリとわらう。


 紅葉君と白雪君も笑顔はにている。

 やっぱり、姉弟だな。


 ちがうのは紅葉君様はほほえんで、白雪君はいつも笑っている。


「そう、よかったわ」


 白雪君の笑顔はとてもまぶしい。

 そっか、彼女は素直な人。


 てれくさくて私は蓮華を粥を持っていく。


 ガツガツとすする、宮廷にあわない無作法に白雪君はとがめはしない。


 ほしたホタテと人参、生姜、ワラビ、ナツメ、クコの実と豪華な粥。

 きいたことのない食材ばかり、あわ、ひえなじみ深いものもない……全て白雪君が訓えてくれた


 そして、紅葉君様の言葉をおもいだす。


 王侯貴族により、うばった物で貴族は暮らしている……

 実感がわいた……


 この無邪気な笑顔の彼女に殺意がわいて。


「みんな……普通に食べれたら、いいのにね」


 彼女は、そんな夢みたいなことをつぶやいていた。

 その言葉に違和感がはしる。


 ヤツらは自分のことだけ考えるオロカな人たち。

 彼女は無邪気なコトバ……それは善人だけの世界を願う宗教者のよう。


 みんな………?


 ありえない夢


 そんな夢を彼女は見ていた……

 私たちが心に気づく前より知っていた真理を彼女はまだ知らない……


    8


 荷物に紛れ込んだ剣の柄をにぎる。

 

「よい酒だ。飲め」


 何人かの貴族を前に私たちは恐怖はない。

 始まった。

 

 短剣で刺殺された哀れな貴族。


「はっ?」

  

 柄走り、貴族の頭を割った。

 あのバカ貴族から奪った剣はもったいないほとだった。

 

 金の唐草と赤珊瑚の玉飾りととても綺麗だ。

 父から学んだ燕氏勢法は役にたつ。


 華奢な女の子がもつには重い剣だが、わたしには手になじむ。

 

「このガキ!」


 一撃をさけつつ、私は剣で突きさす。


「燕氏勢法・鳥嘴勢えんしせいほう・ちょうしせい


 貴族の喉元から血の花がさく、そして、続いて剣を振り上げ、頭をわった。


「燕氏勢法・虎顎勢えんしせいほう・こがくせい


 護衛も貴族も切り殺した。

 仲間たちととともに、私たちは昼の酒宴から消えていった……


   9


 それから私は白雪君様のところに行くことがふえていく。


 血がついた私を彼女は受け入れてくれた。

 たわいない話が好きだった。


 敵なのに…どうしても、はなれられない。


 白雪君様は夢を見ている人。


 その夢は優しい。

 邪気もなく信じていた…純真なほどに……


 緑あふれる素敵な国……。


 静かに笑い白雪君様は私をうけいれた。


「ごきげんよう、蓮!」


「うん。きた……よ…」


 私の照れかくしにほほえんでくれる。

 いつもの白雪君様と違う。

 でも、今日は白雪君様は絹の漢服ではなくて、白い麻の庶民が来ているような服装だった。


 なんで?


「行くところがあるの、ついてきてくれるかしら?」


 ここで私なの、部下じゃなくて、混乱している手をにぎり白雪君様ははしりだした。


 中華粥調べているだけでも、とてもおいしそうでいいですね。食べたくなります。

 他の話ではそこまで暗殺シーンは書いてなかったので、少し増やします。


 あと見てくれるだけでもとてもうれしいですので、琴線にふれたらナイスやコメント、ブックマークよろしくお願いします!!

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