表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

文字や言葉のない世界

作者: アシカ

「言葉を失くせ。体で感じるんだ」と、耳にしたり、SNS上の文字で目にする。

しかし、レシートをみても、数字と文字に溢れている。

〇〇薬局 お問い合わせQRコード

ご利用いただきありがとうございます。〇〇店

電話番号 〇〇〇〇ー〇〇ー〇〇〇〇

責No 〇〇〇〇

国産納豆40g 税込み ¥99

・・・・・

合計/10点 ¥2499

日付 〇〇

・・・・・・・・

1000円クーポン当たる

レシート番号〇〇

言葉をなくすどころか、言葉に埋め尽くされている。

かくいう私も徒然と文章を書いているわけだ。

地球の表面に住む宇宙人こと地球人が、言葉も文字も失って現代社会を生きた場合どうなるのだろう。

さっそく、想像していこう。


ぶいーんとコンビニの自動ドアが開く「いらっしゃいませ」と店員は言わない。

アイコンタクトでお客が来たと認知する。わたしも店員さんが気が付いたと認知する。

店内をうろうろしてお茶とおにぎりを買うことにした。値段は当然書いていない。おにぎりの具もわからないように思うかもしれないが、てっぺんに梅があり海苔で包まれている。また昆布、ゆかり、高菜などが混ざっており見た目でわかるようになっている。

数字はないので、料金もいらない。

店員はおにぎりを作ったり、お茶を陣列させることがほとんどだ。誰が無料で働くのかと思った諸君。この世界に奉仕する事以上に幸せなことはないのだ。

奉仕できない人は、工場生産の食べ物が支給されている。

衣食住には困らないのである。店と言ったが、実際は自分の分以上につくってあまった分を与える場所である。

道の駅に置いてある食べ物に近いだろう。当然日持ちはしないが、その分余分な生成物は入っていない。

店の看板もなければ、商品名の文字を書く必要もないので、そのまま出している。お腹を壊したと言う人もいない。だって、言葉はないのだから。

まるで、ユートピアに来てしまったように思うかもしれない。

しかし、こんなディストピアのパターンもある。

お金がないために、盗みばかりして奉仕もせず怠惰になっていた。

それでもはじめは、ある程度循環し工場ベースの食糧が支給されていた。

しかし、工場で機械を管理する人が奉仕をしたくなくなり辞めてしまった。

言葉はないので、文句をいうことはしないが食糧がこないことに激怒して工場で働いていた人を叩いたり、縛り付けて無理やり労働させた。

工場で働く人は、頭にきていつもより保存料を多く配分した。知らずに支給され食べたら体を壊してしまった。

配分量の文字は書いてないので証拠もない。怒るだけ怒って、怒る体も壊れてしまった。こうして、人類は奪い合って死んでしまった。

言葉や文字がなくなっても、変わらないことが見えてきた。

人類は書いて学び発展してきたというが、本当だろうか?

もう一度レシートをみてみよう。

〇〇薬局 お問い合わせQRコード

ご利用いただきありがとうございます。〇〇店

電話番号 〇〇〇〇ー〇〇ー〇〇〇〇

責No 〇〇〇〇

国産納豆40g 税込み ¥99

・・・・・

合計/10点 ¥2499

日付 〇〇

・・・・・・・・

1000円クーポン当たる

レシート番号〇〇

書いて学んだのは、責任逃れと数字の計算での損得勘定だけではないだろうか。

文字や言葉があってもなくても、ユートピアにもディストピアにもなる。

結局、文字や言葉も生きるためのツールでしかないのであろう。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ