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 出張ナレハテ駆除サービス(仮)も、最初に送り出した4案件のうち2件のを解決、思わぬ副産物も得られている。

 人材と言う副産物だ。

 出張先で出会ったワタリビトに、この世界の有能な人材。

 この村に友好的で移住してくれたのだからいうことなしの成果だよね。

 第2部隊が連れてきた元自衛官の渡井健次郎。

 彼は一握りの隊員のみが受けることのできる試験と、ハードな訓練課程を終えた者だけが与えられる、レンジャーと言う資格保持者。

 自衛隊の精鋭だ。

 残念ながら彼のプレイしていたゲームはソリティア・・・トランプゲームだ。

 せめてFPSなら、彼の経験も生かせただろうに、テーブルゲームでは、プレイ中攻撃を受け付けないという利点はあっても、あくまでもプレイ中と言う体を続けなければならず、現実的ではない。

 緊急時の保身には使えるかもしれないけれど。

 銃や装備の無いこの世界では、彼の培ってきた技術の多くが通用しなかった。

 それでも生き残ってこれたのは、レンジャー訓練をクリアしたほどの実力と、良い出会いがあったからなのだろう。

 普段ゲームをすることはほとんどないのに、なぜあの時やっていたのかと悔やんでいたっけ。

 スロークとソンチョーが面談して話し合った結果、彼には兵の基本訓練やサバイバル技術とかの教官として活動してもらいつつ、グリンウェル軍の副官としてユーキの下についてもらうってことで話がついているんだそうだ。

 とりあえず彼には、最初の襲撃者・・・結局名前も知らないままだけど、あいつの残した装備品を見てもらった。

 自衛隊装備とは違うので習熟訓練が必要らしいけど、ちゃんと使えるってことだったから活用してもらおう。

 この村での呼び名はワタライできまった。

 片山令央は学生で、薬剤師を目指していたそうだ。

 アトリエ・レイナードと言う錬金術をメインテーマにしたRPGの大ヒットシリーズをプレイしていたそうなんだけど、このシリーズで薬草的なものに興味を持って、なら薬剤師だと目指していた・・・と言う何とも現代的な思考(?)の彼。

 いざ入学すると、なんか違うよなぁと思いながらも勉学に励んでいたそうだけど、この世界に来たことで夢がかなった!と喜んだそうだ。

 まさか、錬金術に必要な設備(ゲームでは隠居した錬金術師から譲り受ける)がなく、何もできないなんて思いもしなかっただろう。

 ヒトしかいない辺境の集落にいたらしくて、エルフやドワーフ、獣人たちに感動しまくりだった。

 とりあえず彼の記憶をもとに、村の施設で錬金術ができるか試してみるようだけど、可能となればちゃんとした施設を整えて錬金術師として活動、もしくは薬剤師の勉強をしていた知識を使って病院に務めてもらうかって話しているみたい。

 この村での呼び名はレイオウに決定、使用していたキャラの名前、レイナードにも近いしって言ってた。

 って感じで新たなワタリビトが村の仲間になったわけだ。

 この世界の住人も優れた人材が訪れてくれた。

 第4部隊のコクエンたちが連れてきたベテラン傭兵。

 足のケガで引退したそうだけど、使い古された剣で昆虫型の硬い外殻を切ったほどの達人って話だ。

 実は、うちでちゃんとした剣術をやっているのはコクエンくらいなんだよね。

 魔者の強力な身体能力を装備強化と実践訓練でゴリ押ししてきたようなものだからね。

 実践訓練で連携や駆け引きは身に付けられても、ちゃんとした訓練は知らないままなんだよ。

 教えてくれる人いないし。

 日本刀をメイン武器にしているユーシンだって、キャラの技や動きはバットを振るモーションだしね。

 ワタリビトの戦い方はゲームのモーションに引っ張られるから、本格的剣術アクションゲームだったとしても、本物の剣術とは全く別物なんだよ。

 カルケール伯爵家やコリント伯爵家の騎士団との合同訓練で、コクエンがちょくちょく一緒に騎士の一部と訓練をしていたみたいだけど、残念ながらそれが広まっていないと嘆いていたけど、まぁ、しょうがないよなぁと思っていた。

 身体能力の差が大きすぎるんだよね。

 うちの兵の中でもオーガ最弱の新兵に対して、熟練騎士が5人がかりで何とか勝負になる状態だから。

 たぶん、野良オーガでも国家最強クラスの騎士と同じくらいの戦闘力があるレベルだろうね。

 それほどの差があるから、きちんと技の重要性に気が付ける土台が無いんだよね。

 コクエンから指示されれば真面目に訓練するけど、真剣さが足りないと嘆いていたなぁ。

 ん?

 俺?

 俺、戦わなくてもいいポジションを目指してるので。

 で、彼の実力はというと・・・足の治療前だというのにカルケール伯爵家騎士団長殿を一蹴してみせた。

 一人真面目に技を磨いていたコクエンだからこそ見出した逸材ってことなんだろうな。

 なんてったっけ?

 ・・・そうそう、クロードだ、高齢の元傭兵って言ってたけど、俺の実年齢よりずっと若いんだよねぇ。

 そう言えば、カルケール伯爵もコリント伯爵もまだ40代って言ってたよな・・・俺より年上って、権力髭爺に強欲設計士に・・・ロクデナシしかいない気がする。

 そもそもこの国の平均寿命って50歳だもんなぁ・・・魔物がいて、戦争もあってだから平均がだいぶ引き下げられちゃってるだろうけど、それでもヒトで80歳は化け物扱いされてるもんなぁ。

 ひっそりブルーになる俺・・・いいんだ、見た目は若いし。

 で、クロードはマナの医療ポッドで足のケガを完治させてからは、まずヒトの警備兵たちに剣術を指南してくれることになっている。

 コクエンからの依頼で彼専用の装備を作ることになっている。

 装備に習熟した後は、オーガ達にも指南することになるそうだけど・・・装備を作るこっちへのプレッシャーがパないのだ。

 脳筋なオーガ達に技の重要性を教え込むための装備だからね、性能が高すぎても低すぎても良くないのだよ。

 強すぎたら装備のおかげだろ、になっちゃうし、弱すぎたら負けちゃうわけだし。

 そう言った微妙な調整苦手なんだけどなぁ。

 一応作るけどね。

 コクエンからのお願いだからガンバル。

 

 いまだに戻らない残りの2部隊、できれば自力で何とかしてほしいけれど、増援を視野に入れて次の出兵は一時停止だな。

 第3部隊はトラブル発生、作戦半ばで新たなナレハテが落下してきて、情報収集からやり直しという状態に陥っていると連絡が入っている。

 なんて不運なんだろう・・・まぁ、ファーレンに比べればなんてことは無いだろうけど。

 情報収集のため、第2、第4部隊に同行していたシャドウデーモンを派遣した。

 内容次第では増援を決めることになるけど、帰った直後に再度派遣というのはなぁ。

 こういう時は建設、工作活動の得意な第5部隊を追加投入して、駐留設備を整えながらじっくりと、というのが理想だけど、第5部隊は別の案件に派遣中。

 そちらは最初から長期戦が想定されていたので第5部隊を選んだんだけど、まさかこんなことになるとは。

 やっぱり、同時派遣は3つまでにしないとだめだな。

 最悪第3の方は俺が出なきゃならんかもしれん。

 

 第2部隊の幹部は派遣先の式典に参加しなければならないみたいで帰ってきてないけど、報告書は兵達の帰国と同時に持ち帰られ受け取っている。

 マジこれ?

 第2部隊は、ファーレンとの関係もあってマサトシを隊長にせざるを得なかったんだよね、あんなんでも一応、ファーレンの"国民"からは人気があったからさ。

 なんか、あいつ変にこじらせてるなって感じだったから不安だったんだよね、性格的に能力をちゃんと使えないだろうとも思ったし。

 で、彼に対する感情が最もまろやか(?)なゲイルとタロマルを副隊長にして、キチンと軍隊活動ができて単独でもキッチリこなせるカムイとナイト部隊をつけたんだよ。

 それでもまぁ、漠然とした不安はあった。

 原作は超有名な漫画だし、そのキャラとの実力差が不満につながって、不和へと発展しないかなってさ。

 だから、マサトシ以外の元ヒノモト所属者を集めて、多分に推測混じりだったけれど、ロン毛の策略その他をきっちり説明して、マサトシも100%悪くはないと思うよ〜、しかも、性格的にマサトシは西園寺の能力を完全に使えることは無いと思うよ~、って説明して、一応は理解してもらえたかなって思ったんだけどね。

 あ、マサトシを除いたのは、その説明のせいで、やっぱり俺悪くないぢゃ〜んなんて開き直られたりしないようになんだけどさ、でもまさかだよ。

 覚醒らしきものの片鱗が確認された上、ゲイル、タロマルと完全和解っぽいとか、いくらなんでもうまくいきすぎじゃない?

 まぁ、良い方向に極振りしてくれたんだからいいけどさ、問題は、報告書の製作者がカムイだったってことだ。

 どういうわけかマサトシの覚醒やらゲイル、タロマルとの和解とかが、全部が部隊を編成した俺の意図通りで~なんて感じに仕上がってるんですけど!

 いかんよこれ、こんなもん上げたら俺の評価が明後日の方角に爆上がりしてしまうじゃないか。

 忘れていた、俺の従魔たちはこういうとこあるんだった。

 次から報告書は従魔やその配下以外に書かせるように指示せねば。

 ゲッソリうんざりしながら報告書の作り直しでございますよ。張本人のカムイはまだ帰ってないから、俺がやらなきゃならん。

 第4部隊の報告書がまだマトモだったのが救いでございます。

 半分くらいの手直しで済むんだから・・・ん?

 ダメだよね、これも。


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