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異世界にお店を開く  作者: 作家を目指している不動産屋
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明るいお店

異世界の街にも夜が来る。どうやらこの星には月のような衛星がないらしく、カワシマとしては些かもの寂しくもあった。だが今はそれどころではない。

風呂に入る習慣のない不特定多数の人間が溢れかえったカワシマのお店は、満員盛況の大御礼といった具合。しかしカワシマがこれといって何か用意した訳ではなかった。お店が満員になった理由はただ一つ、照明である。

「押すな!!いいから!この電球逃げないから!」

とカワシマが室内をごった返す客に向かって叫ぶと、アレクセイも

「いいか!お前ら列に並べ!!並べよ!コラ」

とあらん限りの声でがなり立てる。二人はお店の中に屯している客を列に並ばせ、そして一定時間経ったら追い出すという行為に没頭していた。これが入り口と出口が別れていればもう少し違った誘導方法が出来たことだろう。だが出入り口は、元々は非常階段に繋がっていた裏口一つでしかない。そこに根本的な問題を抱えていたのだ。加えて本来であれば20人かそこら客が入れば御の字のこの店に、40人は入っていた。皆、電球を見る為だけにだ。店の前にいる人だかりは、口々にこういうのだった。

「光が!」「明るい!」「何故だ。松明も暖炉もないのに!」「夜なのに!何故こんなに明るいのだ!」

そうである。なんせ電気が普及するまでは、蝋燭しかなかったのだ。アレクセイとカワシマにはそんな余裕はなかったが、彼らから見ればこれは異様な光景だった。なんせこの世界の技術水準は、地球でいえば大体12C~13Cごろの水準である。何処の家庭でも蝋燭は貴重であり、そうであるからには夜には寝るしかなかった。更にいえば、この世界では衛星がないため、夜になると全く視界が効かなくなる。生物が熱として発する赤外線を見ることが出来る種族もいるにはいるが、極々僅かな数でしかない。

にも関わらず、この店では惜しげもなく明かりを提供している!まるで昼間であるかのように。それでいて蝋燭を燃やし、松明を炊いている様子が何処にも見受けられない。だから事情通を気取った連中なんぞは

「おい、魔術師出せよホラ。早く」

みたいにカワシマやアレクセイに突っかかってくるのだった。その度にアレクセイは『やかましい!!』と手近にあるコップなりフォークなりを手元でチラつかせる。本当に野蛮極まりない。どのみちアレクセイは、照明の仕組みはおろか、電気というものの正体すら理解していない。恐らく理解する気もないのだろう。彼にとっては金儲けが全てである。面倒な話になったら全てカワシマに投げてしまえばいいや、と思っているらしかった。だからカワシマは自分の仕事をこなしつつ、この摩訶不思議な照明の仕組みの説明もこなさないといけない。今この瞬間にも汚れてしまった食器はどんどん増えている。照明という珍しい見世物に感動して、おカネを払ってカウンターに座ろうとしてくれる客が後を絶たないからだった。カワシマは内心嬉しい悲鳴を上げていた。本来であれば、誰かに厨房を任せて接客に徹したい所だ。けれどもアレクセイやこちらの異世界で雇った人間にガス調理器具とか調理場を任せられる気がしなかった。アレクセイに水洗トイレの使い方一つ教えるのでもあれほど苦労したのだ、ましてや厨房の調理器具、それらを一つ一つ説明するのにどれほどの手間暇が掛かるだろう・・・。

そう考えているのはアレクセイも同じらしい。そうこうしているうちに、自然と役割分担が生まれてくる。客絡みのもめ事は、基本アレクセイとその仲間が対応する。カワシマはそれ以外の仕事ー調理、会計、及び接客をこなしている。2,3日もするとお店にやって来る癖におカネを払おうとしない奴らを追い返すのは、専らアレクセイの役回りとなった。店内でもめ事が起きたり、外からヤクザ者がやってきたりする時には、確かに忙しくなる。だが何もないとき、アレクセイはそこら辺で暇そうにノラクラとしているだけだった。店の作業を手伝おうとする素振りは全く見せない。それだけではなく、自分の知り合いや子分どもを店の中に連れてきて酒盛りを始める始末。だがそれを注意するという訳にもいかない。何故なら客の一団が暴れだしたとき、アレクセイ一人だけでは抑えが効かなくなるからだ。やはり2,3人。余裕を見て4,5人は欲しい。だがアレクセイの子分共も暇になってくると、仲間内で賭け事に興じはじめる。そしていつの間にか酒盛りをしている次第。そうなると今度は暴れだす客と一緒に乱痴気騒ぎを始めだす始末で・・・・。

正直やってられない、というのが本音だ。これでアレクセイの子分共が料理とか接客をしてくれるならばまだしもである。だが用心棒としての仕事をしているだけで売上の半分をアレクセイが持っていくというのは、どう考えても割に合わない。

ーアレクセイと組むのは辞めにしようかなぁ。

カワシマの頭の中にはそんな感情が芽生え始めていた。が、日々の作業に追われるなか、中々切り出すことが出来ずにいる。ほら、そこへ早速面倒臭そうな魔術師のなりをした男がやってきた・・・。


・魔術師

魔術師は自分のことをトスカーナのアントニオと名乗った。名前からして、出身はトスカーナという街らしい。ともすると教会で修道士でもやってそうな、地味なこと極まりない灰色一色のローブをまとっていて、腰のあたりをベルトで締めているだけ。快適とはいいがたそうな布製のサンダルを履きながら、やけに立派な杖を握りしめている。彼は実に疑わしそうな目つきで照明を指さしながら

「ご主人、一つ聞きたいことがあるのだが」

とカワシマに尋ねる。すると丁度洗い物をしていたカワシマは、何でしょう?と顔だけを向けて答えた。

「この照明とか言ったか?これは一体どういう仕組みで明るくなっているのだね?」

もうこの2,3日何回もカワシマに繰り返された質問だった。内心ため息を付きたくなる。だがこれも仕事だ。努めて笑顔を浮かべながらカワシマはこう答える。

「魔法です、魔法。スイッチ押すだけで、夜も昼みたいに明るくなるって魔法を使ってるんですよ・・」

魔術師はカウンターで一通り照明を眺めたあと、行儀よくおカネを払ってカウンターでラムコークを注文している。彼にとっては内心全てが謎に違いなかった。夜なのに明るい店内。やけに清潔で冷たい水。糞や小便どころか、蠅一ついない店の中。全てが見たことも聞いたこともない中になって、まず一つ一つ疑問を潰していこうとしていた。研究者としては真剣な姿勢だと言える。それにアントニオはおカネを払ってお酒を注文までしている。入店料金すらちょろまかしていくような、客とも呼べない連中とは違った。だからこういうやり取り一つにも、カワシマは真面目に反応してしまうのだ。

「そうか!ならば余程物好きな魔術師だな!わざわざ飲食店に来るような賤民の為に、魔術を提供するとは!一度でもお会いしてみたいもんだ」

面倒くさい事情を切り抜ける為に出任せの嘘をつくと、大抵取り返しが付かない羽目になる。これは話長くなりそうだな、とカワシマの顔つきが歪むのだった。魔術師の目つきは爛々としている。街中で出会ったらそっと道を譲りそうな顔つきではあるが、精神が狂っているかというとそんな事もない。彼は無表情な顔つきでこう続ける。

「このお店に切れ目なく継続的に明かりを提供するとは、どれほどの人数の魔術師を雇っているのだ?考えてみて欲しい。魔法が使えるからといって、始終のべつ幕なしに夜も昼間の様に明るくする訳にもいかない。我々魔術師だって人間だしな。仮に太陽の降りた夕方以降、ひょっとしたら深夜まで営業するためには、その時間も魔術師たちに起きていてもらわねばならない。でもこの狭苦しい・・・(おっと失礼)この慎ましやかなお店の何処にも魔術師の詰所じみたものは見当たらないのでね。本当に不思議なんだ・・・。頼む、一体全体どういう仕組みでここまで明るく出来ているのか、教えてくれ!!」

会話の一文一文がクソ長いなぁ、そう思いながらもカワシマは

「実はね、このお店で使われている魔法は、科学技術っていうんですよ。この科学技術というのは、素養さえあれば誰でも学び取ることが出来ます。」

と答える。もうやけくそだった。確かに間違ってはいないが、はぐらかすような答えだ。だがそこは魔術師。そうは問屋が卸さない。

「それでは魔法と同じじゃないか!私だってこの道を志してもう15年、一筋に魔術の鍛錬に明け暮れてきたんだ。その私にすら見当も付かない魔法を使っているから、教えてくれとまげて頼んでいるのだ」

そうですねえ、と適当にはぐらかしながらカワシマは注文されたラムコークを差し出す。すると今度はこのラムコークにも好奇心が擡げてしまったようだ。水の滴るグラスをしげしげと見つめては、中身を飲むでもなしにグラスを弄り回している。そして唸る。

「・・・どうかしました?」

「いや、このグラスといい、この冷え方といい・・・。この店は何一つとっても普通じゃないんだよ。今だってそうだ。この季節だっていうのに、この店の中はちっとも寒くない。暖かなものさ。暖炉は見当たらないがな。それでいてキンと冷えた飲み物が平然と出てくる。他の店じゃ考えられない・・・。

夜でも明るく、冬でも暖か。傷一つないグラス。いつでもキンと冷えた飲み物。なんなんだ、ここは?一体その魔術師は、何をどうやったらこんな事が出来るんだ?」


『十分に発達した科学は、魔法と区別が付かない』を地で行くやり取りだった。もうカワシマは頭が痛くなってくる。相手が本物の魔術師ならば猶更のことだ。一層のことファラデーの電磁誘導あたりから物理の講義を始めてしまうか・・・。それを講義にしてしまって、おカネを取るってのもありだな、という思いが頭を霞めるものの、今はそんな事を考えている場合ではなかった。魔術師はやっかみ半分、尊敬半分でこう続ける。

「それともこれほどの仕事をたった独りで成し遂げてしまうほどの、大魔術師なのかな?私ならばあと4人くらいは助手を雇うがね。もしも一人だとしても確実に魔法陣くらいあるだろう、ケチケチするな。私とて魔術の道を志した者だ。秘術をそうそう他人に明かしたりはしない」

そう、魔術師という人種は誇り高いのだ!なにせ魔術を使いこなせる様になるまでに、何年間も勉学と実技に勤しまねばならない。文字も読めず、一桁の四則演算すら怪しい人々が多数派を占める世界において、彼らがどれ程のインテリかが解ろうというものだ。

-それほどの知識人が、卑賤な民の為だけに、こんな高等魔法を披露している!どれだけのモノ好きなのだろうか!責めて顔だけでも見ておかなくては!

これが嘘偽りないごく自然な魔術師の考え方というものだ。

カワシマの悩みのタネがまた一つ増える。電磁誘導の法則を説明できるような知り合いは居るには居るものの、厄介な常連さんであり、こんな魔術師と引き合わせたらどうなる事か解らない。かといって、予備校講師をしてそうな他の客にそんな面倒な事を頼む訳にもいかず。そこでカワシマは穏当な言い訳を考えた。

「・・・今、この店で使われている魔法《科学技術》はですね。職人と学士が二人三脚で作り上げてきたものなんですよ。この魔法を使える職人を2,3人知ってますけどね。全員が王都で別の仕事をしております。なんせ彼らは皆が腕っこきの職人でしてね。ただこの魔法それ自体を理解してるかっていうと、それは怪しい・・。そういう所は学士のお方をお呼び立てしないと。今度そういった学士様を呼んで理屈をご説明しますよ。格安でね。楽しみに待っていてください。」

この言い訳は、別にまるきり嘘という訳でもない。日本の首都、東京は王都と呼べないこともない。天皇陛下の家があって、日本の列記とした首都である。間違ったことは言っていない。それに電気工事ができる職人を連れてきて、小学生にも理解できそうな電気の授業をしてください、と言っても怒り出すのがオチだろう。そういうのは予備校講師でも連れてくるに限るのだ。可能な限り正直にこの場を捌いた台詞だと、言った直後は思っていた。だが更に話がややこしくなるだけだった。

「なに!!!この王都ロンドニアでも腕っこきの職人を使っているだと!!そんならそれで早く言ってくれればいいものを!で、誰なんだ?きっと名前を言ってくれれば解るから!さぁさぁ!」

そこでカワシマは、再度頭を抱えてしまう。どうやらこの街はとある王国の首都であり、ロンドニアという名前らしい。よりにもよって、王都でなくともよかろうに・・、なんで俺素直に東京って言わなかったんだろう。そもそも彼らが話している言葉が解ることそれ自体、全くもって意味不明だ。だがそんな事を話したところで恐らく事態を拗れさせてしまうだけなのは目に見えている。だからカワシマは素直にこういった。

「・・・・この照明ってのが明るい仕組みを説明しても、恐らく理解が追いつかないと思います、本当に。そちらがこれまで学ばれてきた魔術とは、何もかもが違うのです。ともかくいつか全部説明します。又のお楽しみという事で、どうかお一つ」

いつの間にか皆がカワシマと魔術師との間の会話に聞き耳を立てていた。そのせいだろうか、カワシマが『理解が追いつかないと思う』とか、『これまで学んできた魔術とは、何もかも違う』という言葉を聞くにつれ店の中で納得した雰囲気が広まっていく。店にいる客連中も薄々は気がついているのだった。この店が、何処か違うことを。その時の魔術師の表情は奇妙なものだった。強いて言えば生まれて初めてUFO内部を見せつけられた科学者の顔とでも言えばいいのか?魔術師アントニオは怒り出すでもなくラムコークを飲み干して一言。

「・・・貴君は一体何物なのだ?何処から来た?我々のいる、ここではないよな?何故我々と同じ言葉を話せるんだ・・?」

誤魔化しても無駄なので、カワシマも正直に答える。

「・・・正直なんでここにいるのか解らない。ある時どういう訳だか、この店の裏口がこの街と繋がってしまった・・・。(そういって店の裏口を指さす)まぁ魔術師様が想像も付かないような世界からやってきたんですよ。で、何故かそちらと言葉が通じるのです。何故か」

「つまり別の世界から来たと?」

カワシマは黙って頷く。すると魔術師は息せき切って続けるのだ。

「じゃあ、飲食店ギルドにはこの店入ってないって訳か?」


何故その話題になるのか解らなかった。テッキリ教会から迫害される云々といった話になるのかと思っていたカワシマは、思い切り現実に引き戻されたのである。異世界にやって来て悩む話題としては、著しく不適切な気がした。もっとこう、街の皆を苦しめるモンスターとかそういう話題で悩むのではなかったのか?なんで飲食店ギルドへ支払う上納金で悩む必要があるというのか?

「・・・何ですか、それ。多分あそこら辺にいるアレクセイだったらその話解ると思うけど・・」

アントニオは首を振りながら、言った。

「貴君自身はこの街のギルドにカネ払ってないのだろう?貴君は、このギルドの場長を甘く見ている」

「場長ってどんな人なんですか?」

「ここら一帯の飲食店を仕切っている人だ。貴君らの世界にもいるだろう?そういう人・・・」

場長を甘くみている、と来たものだ。これが異世界の洗礼というやつなのか?

「夜に煌々と明るくしていて、しかも別に人様に迷惑を掛けている訳でもない。なのにどうして余計なおカネを取られないといけないんだ!?」

思わず口調がいつものそれに戻ってしまうカワシマだった。顔をアレクセイに向けて

「支払ってるんだろ?ギルドへの上納金」

と尋ねると、当たり前な事聞くな!馬鹿!と怒鳴られた。アレクセイは今も忙しそうに店内におカネを払わず屯する客を追い払う仕事をしている。

「アレクセイがとっくに払ってますよ?だから場長に、ショバ代か上納金?追加で支払う義理はないでしょう?そりゃあ、店を増築したとか、そういうので取られるのは解るけど・・・」

「貴君が元いた世界での常識なんて忘れろ。ここではな、儲かっている人間、目立つ人間がカネをぶん取られるんだ。それだけの話だよ。そして、この店の松明も暖炉もなしに光り輝く仕掛け、これはとても目立つ。人も集まる。ならギルドに目を付けられるだろう?そういう話さ。」

案の定、魔術師からこういう話をされるとは思いもよらなかった。生きていく上で何かと苦労を重ねてきた事を偲ばれる言葉だった。

「ところでラムコークのお分かりくれ。酒というには甘ったるいが、気に入った」


・ギルドの場長の娘ソフィア

魔術師アントニオに二杯目のラムコークを作ろうとすると、なにやら出入り口が騒がしくなってきた。列ともいえぬ列を何とか作っていた連中を押しのけてやってくる三人組。どう考えても堅気とは思えない恰好をした女とその取り巻き2人だ。

「噂をすれば何とやら、か。早速ギルド御一行のご到着ときたものだ。ま、上手くやれよ!!」

どうやら彼らはギルド関係者らしい。もう少し詳しく話を聞こうとするも、アントニオは素知らぬ顔で店から出て行ってしまった。アレクセイが珍しく低姿勢な口調で

「あぁ、これはこれは。本日はこんな狭苦しいお店にどういったご用向きで!」

と愛想よく接している。良くない兆候だ。アレクセイが愛想を振りまくのは、カネの匂いがするときか、わが身に危険が振りかかろうとするときと相場が決まっている。カワシマは、ヤクザ者って皆雰囲気が同じなんだなー、という現実逃避をしばし行っていた。彼にとってこちらの世界に来てからの最初の試練でもある。異世界側の入口正面に『剣と盾を持ったお方の入店お断り!』と大きな立て看板を掲げているにも関わらず、取り巻き二人は大ぶりな剣を隠そうともしなかった。背中には目立つ色彩の盾を背負っている。そして真ん中には、真っ白な服装をした女が一人立っていた。小汚い服装が当たり前なこの街にあって、ノリの効いた白い服装というのは高く付くことだろう。つまりはそれだけ羽振りが良いのだ。恐らくは相当な見栄っ張りなのだろう。痩せぎすな体形を隠したいのか、ふわりとした服装で誤魔化している。職業について聞くまでもなかろう。

「いいお店ねぇ。本当に。」

と凄みのある笑顔で名乗りもせずに話しかけてきた。瞬きをせずに睨まれるのは恐ろしいものだ。種族としては人間らしいが、毒蛇が人間に化けていると言われても納得してしまいそうな雰囲気を醸し出していた。まして後ろに物騒な刃物を持ち込んだ男が二人並んでいれば猶更である。カワシマは取り敢えず

「いらっしゃいませ、ご注文は何にしますか?」

と笑顔で尋ねておく。サッサとお引き取り願いたい相手ではあったが、下手なことを言って刺激したくない。だが相手の気に召さなかったようだ。

「誰が酒欲しいっつった?ねぇ、言葉には気をつけた方がいいよ、本当に」

警察呼ぼうかな、でもどうしよう。そうなると営業停止かな、でもここで死にたくねえしなぁ、でも警察呼んだら、多分2,3ヶ月後にはこのビルから退去させられるかな。そこまで行かなくても契約更新とか拒否されるかもな。そうなったらそれはそれで、俺人生が摘むからな。それにお店を開くために銀行から借りたローンがまだ10年以上は残っているし。ここで引く訳にもいかない。自分の命は大事だが、今後の人生設計上、この店でトラブルを起こす訳には絶対にいかない。ここは一つどうにでもなれ、という気構えでこう返した。

「ここはお酒と食事を皆に楽しんで貰うお店です。ご注文をどうぞ」

恐らくこの女は場長などではなく、ギルドの使いか何かだろう。飲食店ギルドの出方としては、生意気な新入りに少し「解らせて」おこうという程度に違いなかった。そうだとすれば、今はまだ脅す段階に違いない、と瞬時に踏んだカワシマの判断は決して間違っていない。大体ヤクザ者が本気で相手を殺すなり攫うなりする場合には、黙って近づいてくるものだ。こうやって大袈裟に騒ぎ立てたりはしない。だがここは中世ヨーロッパを地で行くような世界だった。もしかしたらそういった日本の常識は通じないのかも知れない。いきなり後ろにいた取り巻きが剣を見せびらかしてブンブンと振り回し始める。どうしよう、相手を刺激したかも知れない。

「アンタね、こういう催しものをさ。アタシらに無許可で開くって、あんまり感心しないわよ。本当に。ね。明るいったらありゃあしないじゃない。やっぱりなんかするならさ、予め昔から街にいるアタシに一言くらい有ってしかるべきだとは思わないの?」

これはカネを巻き上げるまでこの店にずっと留まり続ける流れだ。面倒なことになってきた。『死んでもおカネを支払わない』とでも言えば、何をされるか解ったもんじゃない。後ろにいる取り巻きどもが店の備品を壊すくらいのことはしかねないな。

進退極まるとはこのことである。するとそこにすかさずアレクセイが間に入った。

「いやー、綺麗な剣ですなぁ!!やはりギルドの方々は儲かっているんでしょうね!!護衛の方々の盾もいいもの付けてるなぁ!!」

と周りに聞えよがしに言ってから、それを極々自然に取り上げてしまう。そして何気なく女に近づいてから

「アレ、今月のショバ代は既に納めましたけど?」

と小声で囁いた。女は舌打ちするような表情となる。

「アレクセイさぁ、ウチらが何で来たのか解ってるだろう?ねえ、こんな催しものをアタシに断りもなく開いてさぁ!!それにこの店増築してんだろうが?だったらさぁ」

えぇえぇとアレクセイは言いながら

「当店の新装開店祝いですか?わざわざお越し頂き有難うございます。流石はソフィア様、お耳が早い」

と巧みに受け流す。こと修羅場での身のこなしについては、アレクセイにはいつまで経っても敵う気がしない。

「しかし手前共、増築なんざ、一切しておりません!飽くまで正面口から入ったときに異世界の居酒屋に入ってしまうだけのこと」

ソフィア様と呼ばれた女はアレクセイの頓智じみた言い方に怒りを覚えたらしい。

「・・・いい度胸してるわねえ」

と顔に血管が浮き出るほどに怒りを露わとしていた。


・相手を黙らせる

「ソフィア様!!お聞きください。まず、ウチの店は窓から見れば今まで通りの普通の店です。でもあんな小さな窓からわざわざ入る客がどれほどいるのでしょう?それに苦労して窓から入ったところで、いつもの私のぼろっちぃお店に入るだけのこと・・」

確かにアレクセイのお店には、鎧戸で開け閉めするだけの窓ーということすらおこがましいような四角い空間ーが二つほどついていた。勿論、ガラスなど嵌め込まれていない。とても高価だからだ。だから梯子さえかければ、窓を出入り口に出来ないことはない。ただ出入り口とするには、矢鱈と地面から高い位置についているが。何しろ採光さえ取れれば良いと思ってつけた窓なのだ。

「だ、か、ら!!事実上、増築みたいなもんでしょ!よく解らない連中が居る居酒屋に繋がってるって知ってるんだよ、こちとら!!アンタもさっき自分で認めたじゃないのよ」

声を荒げるタイミングが早すぎる、とアレクセイは思った。もうこの時点で完全にアレクセイのペースに乗せられている。

「ですからそれは正面口から入ったときだけです!正面口から入ったときにだけ、この異世界の居酒屋に通じているのです!何でか知りませんけど!そして大事なことに!!」

アレクセイは渾身の力を込めて大声で

「この兎小屋じみた店の床面積は、私の店の半分にも満たないのです!床面積を減らすのって増築というのでしょうか?」

面倒なことになってきたな、と後ろにいる取り巻きまでが表情を曇らせる。確かに増築という言葉の定義からして、床面積が増えていないとそうは言わないに違いない。それにわざわざ窓から入ってくる物好きな客なんていないというのも、その通りだった。そんな面倒な手間まで掛けるよりは、他の普通の店を選ぶだろう。事実アレクセイの店の「窓」はあまり大きくはない。

カワシマというこの世界に不慣れな人間だけが相手であり、周りに誰もいなければ話は違っていたことだろう。脅しあげてから言い値を無理やり呑ませればよい。恐らくソフィア様と呼ばれる女はその展開を狙ったのだろう。しかし今は衆人環視、おまけにアレクセイはギルドの会員ときている。アレクセイは追い打ちを掛けた。

「新装開店はそれぞれのお店で自由にやっていいって話でしたよね?この街の飲食店では?確かお父様はそういう裁定を以前下されていた筈です。勿論ギルドへの届出が遅れたのは申し訳ありませんけど。丁度これからギルド本部へご挨拶に、と思っていた所でして・・

そういえば!!お父様から任されているそちらのお店、益々新しくご立派になられまして!!床面積も増えた様で何よりです。街中で評判でしたよ!!今度このカワシマも連れてご挨拶に伺っても宜しいでしょうか?手前どもで礼節仕込んでおきますので!」

ここでアレクセイは痛恨の一撃を相手に加えたことが見て取れた。女はもう動揺してカワシマを脅すどころではなくなっている。


気が付くとソフィア様とその取り巻きどもは居なくなっていた。こちらを睨み付けていた視線に目を合わすことは出来そうにもなかったが、それきりである。そこで店の中にいる客が空いてきたときにアレクセイに尋ねてみた。

「・・・・なんで大人しくアイツら引き下がったんだ?もう少し暴れるのかと思ったのに・・?」

アレクセイは少し笑った表情で答える。

「あのソフィア様、飲食ギルドの場長の娘なのよ。場長も店何軒か構えてる。その中の一つは、あのソフィア様が店長やってる。」

「ん、言っていたよね。それは解る。でもなんでソフィア様?引き下がったのよ?」

アレクセイはカーっといいながら小馬鹿にした表情を浮かべてきた。まるで遊郭に初めてやってきた不慣れな客を相手にする店員じみた視線である。

「だからぁ。ソフィア様はその自分の店を大増築したんだよ。恐らくは親父の名前を使って、周りの店から土地巻き上げて。場長が知ってるのかどうか・・・。ま、黙認てなもんだろうけど。でさ、ソフィア様はその件でギルドにカネを納めてるのかなって」

「・・・なーんか納めてなさそうな気が・・・」

「馬鹿!納めてる訳ないだろ。場長の娘だぞ。でもさ、今ソフィア様はギルドの場長の名代としてこの店にやってきた訳さ。で、お前には増築したからって名目でショバ代せしめておいて、自分は払わない。これどういう事?ってなるだろ?」

「ん-でもそういうモノじゃない?ああいう人々って。」

「で、俺、場長と親しいんだよ。さっき言ったじゃん、お父様のお店へのご挨拶云々て。で親父である場長に挨拶されてるときにこの話されたらさ、ソフィア様の面子どうなるよ?それだけじゃない、娘に好き勝手やらせてる場長の面子にも関わる話さ」

どうやらカワシマにも構図が見えてきた。要するにギルドの場長の娘ソフィアは、難癖をつけてカワシマの店からカネを巻き上げようとしたのだ。それをアレクセイが体を張って止めてくれたと。

「なーるほどねえ」

と言いながら、カワシマはその間も絶えず手を動かしている。本来ならばアレクセイに礼を言うべきなのだろうが、日頃の勤務態度を鑑みるに到底そんな気分にはなれなかった。ともあれ、この小汚くて信用ならない男に借りを作ってしまった形となる。いつかこれが仇にならないといいが。


いつの間にか魔術師アントニオまで店内に戻ってきている。息が酒臭い。何処かで一杯引っかけてきたことだろう。

「一時はどうなる事かと思ったが、上手く切り抜けたな?居酒屋?」

カワシマに会ったときとは打って変わってざっくばらんな態度だった。魔術師としての威厳を保った態度とはまた別だった。酔って素に戻ったときのこの人はこんな感じらしい。これはこれで好感が持てる。

アレクセイは芝居じみた態度で頭を下げて右手を胸の前に差し出す。

「魔術師様に褒められるとは光栄でございます」

「抜かせ!(カワシマに振り返り)ご主人、コイツのこと信用してはならないぞ?たまには頼りになるがね」

アントニオもカワシマと大体同じような評価を下しているらしい。信用できるけれど、信頼は出来ない相手だと。

「何言って・・・。これからも俺のこと頼りにしてくれよ、なぁカワシマ?」

調子に乗るとすぐに態度が大きくなる。やはりコイツは信用できない。カワシマは何も聞えなかったかのようにアントニオに向かって

「知り合いですか?」

と尋ねた。

「知り合いって訳でもないが・・。まぁ何年だろうね、お互い」

「5年、いやもっとか・?」

「すまん俺、この世界に来てからあまり日が経ってないんだけど。この世界の暦ってどうなってるの?今『年』って単位が聞えたけどさ。俺の住んでいた世界と同じなのかなぁと」


・暦

魔術師アントニオからの説明は長かったが、聞く価値はあった。この世界の仕組みの一端が垣間見えたからだ。

まずこの惑星(どうやらこれといって名前は付いていないらしい)が恒星の周りを回っている、というのはカワシマのような人間タイプの種族の世界観に過ぎないという事。つまり、種族ごとに異なる世界観を持っており、だからして暦もそれぞれの種族ごとに違うらしい。

「一応聞くけど、アレクセイの実家じゃどんな感じなの?」

アレクセイは鼻糞をほじりながら答える。

「この世はデカくて丸い板で、世界の果てじゃ海から水が絶えず下に落ちてるって聞いたけどな。」

「落ちた水はどうなるの?」

「知らん?雨になってまた戻ってくるんじゃねえの?」

アントニオが笑いながら口を挟んだ。

「まぁそういう価値観だってことだ。我々の種族では、この星の周りを恒星とか他の星が回ってることになっている。種族ごとに世界観すら違うんだ。言葉も違って、世界観も違うなら、暦だって違ってくるのだろう」

「?でも、俺たちはこうして会話が成立してますよ?」

そこでアレクセイとアントニオは顔を見合わせてしまう。どちらともなくクスクス笑いとなってから、アレクセイは意味不明な言葉を喋り始めた。

「????ごめん、アレクセイ、何言ってんの?さっぱり解らない!」

アントニオは笑いながら

「アレクセイはね、『お前は俺の実家の言葉解らないだろ?これは共通語じゃないからな』っていってるんだ」

「へー、今喋ってるのが、共通語ねぇ・・。随分とまぁ、俺にとっては都合のいい話だこと・・」

「でだ。話を戻すとだ。だから暦だって種族ごとに違う。でもそれだとこういう場所で困るから、共通語と共通の暦が作られた。」

「作られたって誰が?」

「解らん。大昔からある精巧な暦だ。。誰かが作ったんだろう。とてつもなく天体観測に長けた誰かがな。案外、カワシマのいる世界からかも知れないぞ?」

「・・まさか」

「それ程に精巧なのだ・・・。まるで異世界からの知識を無理やり捻じ込んだかのような強引さすら感じられる。この暦が導入されてより400年、未だに1日も狂わずに使えている。それだけでもどれほど精巧か解ろうというものだ」

アントニオは感慨深けにまたラムコークを飲み干した。よほど気に入ったらしい。

「共通語とて同じだ。大昔からあるけれど、何処の世界からやってきたのかは解らない。昔から種族同士はこの言葉で話すと決まってる。だがどの種族で話されていた言語なのか、とんと見当が付かないのだ・・」


それからも話は続く。一日の長さは特に決まってはいないが日の出から日の入りまでが「昼」、日の入りから次の日の出までが「夜」。そして昼と夜で一日らしい。一年は365日と1/4日でほぼ地球のそれに準じるもの。だが1/4日なんて厄介だから、閏年のようなものがあるらしい。1年はおよそ12月で一か月は30日。余った残りの日数が13月に回され、5日か6日になる訳だ。

「何ともおおざっぱな一日だな」

「それで誰も困らないからな。昼になったら教会の鐘がなるし、夕方は寺院で銅鑼を鳴らす」とアレクセイ。どうやらもうこの話に飽きたらしい。

カワシマはアントニオに振りむき、

「朝の到来はどうなるのですか?」

と尋ねる。

「日の出があるからいいだろう?鶏の鳴き声で皆目を覚ます」

これが中世の時間間隔というやつか。1年の暦に比べて、やけに素朴な時間の測り方だな、とカワシマは思った。案外自分以外にもこちらの世界からやってきている人間がいるのかも知れず、商売敵になったら嫌だなぁと、このときは何ともお気楽なことを考えていたのだった。


・現実が迫ってくる

太陽が2つあるファンタジー世界と自分の店が繋がるという夢の様な展開に恵まれながら、悩んでいることは不動産屋からの電話だったり、異世界ヤクザへどうやってショバ代を納めるのか、といった事だったりする。夢もへったくれもない。別に異世界で無双劇を繰り広げたい訳じゃなかったが、もう少しファンタジーっぽい感じになるのかと思っていたけれどもそんな事はなかったのである。


・ビルの他のテナントが不審がる

カワシマの店の大繁盛ぶりは、ビルの中に入居している他のテナントの興味を引きつけることにもなった。特別なイベントでもなければ閑散としている筈の平日夜。更には新型コロナウィルス蔓延に伴い、飲食店は夜間営業を自粛する様に求められている。

にもかかわらず、この賑わいはなんだというのか?20人入れば精々というお店に始終不特定多数の人間が出入りしているらしい。ではこの大量の客は、一体どこから押し寄せてきているのか?お店の正面入り口は内側から本棚で塞がれているし、非常階段に誰か出入りしている様子もない。(昼頃にカワシマさんが誰かと大声で怒鳴り合っているのが非常階段越しに聞えてきたらしいが)いやそもそもそこまで大量に人間が押し寄せてくるなら、なんでこのビルの出入り口はいつもこんなに閑散としているのだ?エレベータはいつも通りだし、非常階段が込み合うということもなかった。だがカワシマのお店だけ、矢鱈と電気メータと水道メータの利用量が増えている・・。

一番始めにこの事に気が付いたのは、不動産管理会社だった。お店が営業を開始する少し手前、午後3時ごろ、カワシマのスマホへ不意に電話が掛かってくる。


・必死にごまかす

「ねえ。カワシマさん、一体オタクのお店には、誰が居るんですかね?」

カワシマは沈黙を以て答えるしかない。横にはアレクセイが居て、この会話を一言一句聞いていた。もはやトーキョーの魔術に慣れたのか、スマートフォンくらいでは彼は驚かなくなってしまった模様である。こんな時にはアレクセイが日本語を理解できるのが本当に有難いと感じる。

「別にね。オタクのお店が繁盛する、それって凄く良いことなんだ。今のこのご時世、何処の飲食店も大変だしね。そんな中でカワシマさんが創意工夫の結果、お店に大量の人間が来ている!これは素晴らしい。ただね・・・」

そこで不動産屋はわざとらしく言葉を切った。

「居るはずもないお客さんでお店が溢れかえるってのは、とても奇妙だ。そうでしょう?」

確かにその通りであり、否定のしようもない。だが馬鹿正直に内容を説明して理解して貰えるほど世の中甘くもない。

「・・別に俺、オタクに問い詰めてるとかそんなんじゃないんだけどね」

そういう前置きされたときに尋問でなかった試しがねえよ、と二人とも思った。口には出せないが。

「ただそちらのお店、どういう事情がおありか知らないけど、正面口は本棚かなんかで塞がれている。一方で裏口からは殆どいつも通り人通りがない。裏口なんだから当たり前だよね。

そこでね、他のテナントさんから電話がウチに掛かってきたのよ。なんでだかオタクのお店がいつも満員御礼だって。いや、テナントの中が繁盛してるのは、こんなご時世に素晴らしいことなんだけどさ。正面口が本棚で塞がれていて、裏口からも出入りがないテナントが連日大盛況って、やっぱ皆気になるんですよ。それにオタク、電気や水道も半端なく使ってるしねぇ・・・。

ねぇ?誰か泊めてるの?違法民泊とかだとさぁ・・チョットこれからも契約更新するのは、難しいって大家さんから言われちゃうんじゃねえのかってさ・・」

確かに不動産屋としては、一番気にするのはソコだろう。カワシマは痛いところを突かれたものだ。


「いや別にそんなんじゃないです!何ならお店が終わった後で来て貰っても構わないんですけど。誰も泊めてないですよ?」

「本当ですかぁ」

疑われている。それは確かに疑わしいよな。解ってる。怪しいこと極まりない。でも正直に言って理解して貰えるとも思えない。

「チョットね。特殊なイベントだったんで、早めに集合して貰ってそんで他のテナントに迷惑にならない様に裏口とか使いながら帰って貰っただけでして・・。えぇ、いやぁ最近ね。外出の自粛とか何とか、もうお店の経営が苦しいの何のって。だからこういうイベントは逃さずにコツコツと積み上げてるって訳ですよ。」

「えぇ、えぇ、確かにオタクからの家賃滞った試しがないからね。ただ今度、そうさなぁこれからオタクのお店が営業している最中に伺ってもいいですかね?」

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