『ホラー映画は、深夜に一人で見てはいけない。どうしても一人で見るのなら、十字架を胸から離さないことだ。』
俺は、ホラー映画が大好物だ。
いや、別に映画のフィルムをバリバリ喰う訳じゃないぜ?
ホラー映画を見るのが、好きなんだ。
まぁ、世知辛い世の中、俺も映画館へ出かける余裕はあまりない。
そもそもホラー映画の上映自体が希だ。
しかし、捨てる神有れば拾う神有り。
TV放映にビデオにDVD、居ながらにして様々なメディアでホラー映画を鑑賞出来る。
そして…
…動画配信。
いわゆる、ナントカチューブとか、ニコニコなんとかって奴で、最近はどマイナーなホラー映画も見られる時代がやってきた。
まぁ、マイナーな奴は当たり外れが激しいが、しかし動画配信は大概無料だ。
懐が寒い俺には、有り難いぜ。
今夜も俺は、ネットを検索してマイナーなホラー映画を探す。
そして、星の数程もの情報の海から、未見のホラー映画を探し出す。
…うるせーなぁ、俺も男だ。
たまにはエロ映画に浮気するけどよぉ。
やがて、初見と思しきタイトルを見つけ出した。
どうやら、未翻訳の洋モノらしいが、まぁホラー映画は見てれば何となく判るのが良い所だ。
部屋を暗くして、パソコンのモニタいっぱいに動画の画面を広げて、再生を開始する。
古い洋館らしい映像…って、洋モノだから洋館なのは当たり前だな。
ふむ、吸血鬼モノか?
チープな衣装の吸血鬼らしい男が村人を襲い、やがて主人公っぽい男に十字架を熔かして作った銀の弾に撃たれて倒れた。
まぁ、三流物らしい安っぽいシナリオだったが、映像はリアルだった。
映像のエンディングらしき画面で、倒れた吸血鬼から流れる血を野犬っぽいのが舐めている。
野犬っぽいのが顔を上げ、口から血を滴らせながら、血よりも赤い面で、画面越にこちらを伺っている。
…上手いショットだ。
まるで野犬の奴が、俺を狙っているようだ。
野犬は画面から跳躍し、そして俺の喉笛に噛み付いた。
………俺の記憶は、そこで途絶えた。
まぁ、俺が言うのも難だが、インターネットって代物をナメちゃいけねーぜ?
インターネットってのは、コンピュータウイルスを媒介する。
同じ方法で、バンパイアウイルスだとかも媒介するらしい。
俺は幸いというべきか、おれは十字架のペンダントを付けていたので、バンパイアにはならずに済んだけどな。
悪い事は言わないぜ?
ホラー映画を見る時は、聖別された十字架か何かを、必ず身に着けておくことだ。
…バンパイアになっちまった、自分自身を滅ぼす為にな…。
以上が、ホラー映画が大好物だった俺からのアドバイスだ。
インターネットを彷徨う、亡霊になった俺からのな…。
この話は『ホラーが読みだい』という男性が居たので、試作してみた短編です。
・・・あたし自身はホラーが怖くないので、どう書いたら怖く感じられそうが、判らなかったので・・・
これ、怖いですかねぇ?