第14話「俺の彼女は今日は女子会だって」第15話「俺の彼女は酔うと退行する」
14
「既婚者のレイちゃん、ダメな私を慰めて」
「はいはい、どうしたの?」
「婚約首輪を貰えたって勘違いして、彼を困らせてしまいました」
「まって、婚約首輪って何?指輪じゃないの?」
「指輪と一緒よ?あなたを一生養いますっていう奴」
「うん、一緒にしないでね?」
「結婚願望の強い重たい女だって思われたかも」
「モモがウルトラヘビー級なのは彼も知ってるんじゃないの?今さらよそんな事は」
「そうかな?」
「そうよ、モモがドМだって知ってるんでしょ?なら、大丈夫よ」
「いや、でも私ちょっと、っていうかだいぶアレだし」
「自覚はあるのね」
「当然だよ、無自覚のドМとか、ただの変質者でしょ?私は自制できてるし」
「自制できてる人は首輪で大騒ぎしないと思うけど」
「でもニ、ひっく、コ君は、こんな私とも、ちゃんと付き合ってくれるイケメンさんだから大丈夫だよね」
「飲み過ぎね、今日はもう帰りましょう。タクシー呼んであげるから、一人で帰れる?」
「う、ひっく、ん」
「ダメそうなら彼に連絡するのよ?」
「わかったー、ひっく」
15
がぱっ
「大丈夫かい?」
「すみません、これ、運賃です」
「気をつけてな」
「はい、ご迷惑をおかけしました」
ばたんっ
「あ、ニコ君だー」
「はい、マンションの前ですよー。一人で立てそう?」
「無理ー」
「だよねー」
「お姫様だっこして」
「いや、それ大抵の人無理だと思う、部屋七階なんですけど」
「んー!」
「戻さないでよ?」
「うん」
「はいはい、モモさん腕、俺の首にまわして」
「いつもと反対だねー」
「そうだねー、よいっと」
「わー!」
「あー重い、腕と腰がきつい」
「私重い?」
「重いけど、頑張るよ。恥ずかしいけど」
「そっかーzzz」
「寝た、子供か。よけいに重い。けど、七階まで頑張るかー、七階遠いなー」