第12話「俺の彼女は何でも喜ぶ」第13話「俺の彼女は散歩が好き」
12
「これ、どう渡せばいいんだろう?冷静になって見ると、ないだろ」
ことり(←首輪(犬用で結構ごつい))
「ただいまー」
「あ、お帰り」
「!ニコ君、そ、それは」
「あ、これは何でもなくて、その」
「モモちゃん大勝利ぃぃ!」
「……は?」
「それ、私に、だよね?」
「えと、はい」
「やった!ありがとう!いやー、これで私も胸を張って生きていけるってものですよ」
「え、なに?そんなに嬉しいの?」
「だって、これはあれでしょう?婚約首輪的な、あれでしょう?いやーまいったなぁ、サプライズにやられちゃったなぁ、ニコ君。これからも末長くよろしくね!」
「ちょっとそれ返せ!」
「え?やだよ。なんで?」
「なんで?はこっちの台詞だ!婚約首輪なんて文化は聞いた事がねぇ!」
「あ、やだやだ、返して!私の首輪!」
「絶対ダメ!」
「なんでそんな意地悪するの?」
だって指輪は用意してあるのだ!
13
「モモさん、そんなにすねないでよ。婚約首輪なんて考え方があるとは思わなかったんだ」
「……(部屋の隅で体育座り)」
「……(仕方ない、想定とは違うけど、指輪出すか)」
「リード」
「なに?」
「リードと首輪はセット」
「まあ、そうだね」
「私は!お散歩プレイを要求する!それが嫌なら婚約首輪をよこせ!」
「(俺、本当にこの人と結婚して良いのか?)」
「さあ答えて貰おうか!お散歩か!首輪か!」
「お隣に迷惑だから静かにしましょうね。しかもどの道、散歩は要求されそうだし」
「この部屋完全防音だから大丈夫なの知ってるんだから!こんなのって無いよ!期待させて、実は勘違いです、とか酷過ぎでしょ!?せめてお散歩プレイぐらい要求してもバチは当たらないでしょう!」
「分かったよ、リードは今度買ってくるから」
「やったー!ごはんまだ?作っちゃうね!」
「良いよ適当で」
「ダメよ!スタミナメニューで行くわ!お、さ、ん、ぽ~」
「本当、完全防音で助かるわ」