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狼さんと神の使いの羊さん  作者: 咲坂華音
1/1

出会いそして結婚⁉︎

小さい頃はずっと思ってた

いつかすっごくかっこいい王子様と結婚して幸せになるんだって…

まさか本当に王子様と結婚するなんて…

あの日私はあまりの眠さに電車の中で寝てしまった

はっと起きたらそこは電車の中でも家でもなかった

目の前には見たこともない景色が広がっていた

私の、後ろには大きな木

この木も普通の木ではなく、光っている

いや、太陽の光が当たってとかじゃないよ?

木自体が光を放っている

ここはどこ?

さっきまで電車の中にいたよね…

もしかしてどっかで降りたのかな?

近くに駅がないか見渡してみるけど

後ろにある大きな木以外は広い芝生が広がっているだけ

あと、さっきから気になってた頭にある違和感の正体に気づいた

え⁉︎耳⁉︎いや、ツノ⁉︎巻いてるから羊?

状況がわからずツノ?を撫でていると後ろから声がした


「お‼︎今回の神の使いは羊族か」

「だれ?」

「俺は狼族のウル・アイランだ」

「ウル・アイラン?」

「ウルでいい

お前は?」

「えっ?」

「名前‼︎」

「紫苑」



声の持ち主はウルと名乗る頭に狼の耳のようなものがある男の人だった

彼の特徴は耳があるだけではない

なかなか顔が整った美形だった

やば‼︎イケメン♡

…じゃなくて‼︎‼︎

ここがどこか聞かなきゃ‼︎


「ここがどこか教えてやろうか?」

「えっあっうん」

「ここはクルスにあるカルという木の下だ」

「クルス?カル?」

「クルスは都市の名前

クルスには兔族、狼族が主に住んでいる

まあ他にもいろんな種族がいるけど

で、カルはこの木のことここら辺のやつらは聖なる木って呼んでるけど」


えーと…

よくわからないけど、ここが私のいた場所とは違うというのはよくわかった

じゃあ、私はなんでここにいるの?

ウルはさっき私のこと神の使いって言ってたような…


「あっで、お前は神の使いとしてちょっとした儀式に出てもらう

ここ数年神の使いがいなかったから大変だったんだぞ

でも、これで安心だな」

「儀式?」

「その説明はあとから

それより、その格好のままじゃだめだな〜

神殿に行く前に城に一旦戻るか」


ウルは来いと言って私の手をとり歩き出した


「どこにいくの?」

「着いてからのお楽しみ〜」

「?」


少し歩くと馬車みたいな乗りものがあった

けど、普通の馬車とは違い馬にツノと羽が生えていた

その脇にはエルフのように尖った耳をもっと男の人が立っていた


「ウル様

その方が今回の神の使い様ですか?」

「そのようだな」

「羊族とは珍しいですね」

「そうだな

で、城まで行ってくれ

こいつを正装に着替えさせる」

「はい、わかりました」


手を引かれその馬車に乗る

すると、ウルフの人の掛け声とともに馬車が浮いた

浮いた⁉︎え⁉︎すごい‼︎‼︎


「この馬車はユニコーンが引いてるから空飛ぶのは普通だぞ?

まあ、異世界から来たんだから驚くのも無理はないな」


さっきからなにかとこの人に心を読まれてる気がする…

てか、さっきの馬ユニコーンだったんだ

初めてみた‼︎

うん?待てよ

さっきウルなんて言った?

異世界とか言わなかった?

異世界…異世界‼︎‼︎


「えっ⁉︎異世界ってどうゆうこと?」

「はぁ⁉︎今頃かよ‼︎

異世界ってそのままの意味だよ

昔から、神の使いは異世界から来るって決まってんだよ」

「えっ⁉︎じゃあ、私もとの世界に戻れるの?」

「うーん…

事例はないな…」


まじですか⁉︎

はぁ…これからどうなるの…

これからのことを思い不安になっているとウルに頭を撫でられた


「大丈夫だ

これから俺がずっと隣にいるから」


くっイケメンオーラが眩しいぜ‼︎

そんなことを思っているとウルフの人の声が聞こえた


「ウル様

もう少しで着きますよ

あまり儀式までに時間がありません

お急ぎを」

「あぁわかっている」


さっきから思ってたけどウルって身分が高いのかな?

そうは見えないけどなー

馬車が少し揺れる


「着いたか

降りるぞ」


また、手を引かれ馬車から降りた

目の前の光景に私は固まった

お城⁉︎それもすっごく大きい‼︎

驚いている私をよそにウルは私の手を引きお城の中に入っていく


「おかえりなさいませ、ウル様」

「あぁただいま

こいつに正装を着せてくれ

こいつ紫苑な」

「かしこまりました」


お城に入るとメイド服をきた人たちがずらっと並んでいた

ウルは一人の女の人に言うと、女の人に案内され、とある部屋に連れて行かれた


「こちらでごさいます

紫苑様失礼します」

「えっ?きゃー‼︎‼︎」


いきなり服を脱がされ、あっというまに違う服に着替えさせられた

これ、胸元開きすぎだし、スカート短い

着替えさせられた服は巫女服に似ていたが胸元が開いていて、スカートがすっごく短かった


「これ恥ずかしいんですけど…」

「それが神の使いの正装なので…」


バーン‼︎


いきなりドアが開きウルが入ってきた


「着替え終わったか?」

「はい、たった今終わりました」

「うん、似合ってる

時間がない

もう行くぞ」

「行ってらっしゃいませ」

「えっ?どこに?」

「神殿」


そういうとウルはまた私の手を引いて馬車に乗り、神殿という場所に向かった

少し馬車に揺られると、神殿に着いた

お城よりは小さいがこれもすっごく大きい

そして、神殿の前にはものすごい人が集まっていた


「紫苑、俺から離れるなよ」

「えっ?うん」


ウルが神殿に近づくと神殿の真ん中に道ができた

「ウル様だ♡」

「あの女誰?

ウル様に近づくなんて‼︎」

「いや、あれは神の使いだよ」

「えっ?

じゃあ、ウル様の…」

周りの人が話してる声が聞こえた

しかし、途中で聞こえなくなってしまった

神殿の大きな扉が開く音でかき消されたのだ

その扉をくぐり神殿のなかに入る

神殿のなかには二人の老人がいた


「ウル様、そちらが神の使いですね」

「あぁ、紫苑だ」

「紫苑様、どうぞこちらへ

ウル様はそちらにいてください」

「私はなにを?」

「紫苑様はここに立っていてください

なにがあっても動かないでください」

「…はい」

「では、儀式を始めます」


二人の老人は私の両隣に来て、何か呪文のようなものを唱えている

すると私の周りが光はじめた

はじめは足元だけだった光がだんだんと上がってきた

頭の上まで来ると一瞬大きく光り、弾けた


「ふぅー

終わりました」

「それで、どうだった?」

「はい、この方は幸運を上げる力を持つ神の使い様です

なので、これからいいことがたくさん起こるでしょう」

「幸運を上げる力?」

「あぁ、紫苑はその力を持ってるらしいな

神の使いはそれぞれいろんな力を持ってるんだ」

「そうなんだ」

「まぁ、神の使いだからといって特別はしない

ただいるだけでいいんだ」


神の使いのことについてウルから聞いた後、二人の老人は「では、お先失礼します」と言って神殿から出て行った


「じゃあ、俺たちも行くか」

「あっうん」

「あっそうだ

紫苑はこれから俺の城に住むから」

「えっ⁉︎そうなの?」

「それで、式はいつがいい?

今は冬だから、春になってからのほうが俺はいいんだけど…」

「えっ⁉︎式?なんの?」

「はぁ?結婚式に決まってんだろ?」


……結婚式⁉︎

いやいやいや、会ったその日に結婚決定とかありえないでしょう…


「結婚って私とウルの?」

「そうだ」

「私やだよ

会って間もないのにもう結婚なんて…

もっと一緒にいてから決めたいな…」

「うーん…

掟なんだけどまぁ大丈夫だろ」

「ありがとう‼︎」

「けど、長くて一年だな

それでいいか?」

「うん‼︎‼︎」

「まあ、お前から結婚してって言うほど惚れさせるけどな」


あーお

最後だけがブラックスマイルだったよ

これからちょっと怖いな…

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