鏡の花に、愛の告白を。
この世はなんて理不尽なんだろう―――そう思ったのは、とある出来事がきっかけだった。
「はぁ!!!?ちょ、もう一回。よく聞き取れなかった。」
「いや、だーかーらー!!告られたんだって、西園寺さんに。」
・・・・・・。
なんなんだ?
告られた・・・・・・??こいつが・・・・・・?
「マジか?」
「うん、まぁ・・・。」
信じられない。
俺は、こいつ―――親友の、小鳥遊鏡花を、なめまわすように、じろじろ見た。
まるで、女の子かというような綺麗な顔立ち。
細い腕に、俺の頭2.5個分低い身長。
こいつが、マジで告られたのか・・・・・・??
しかも、告ってきたのは、クラスでも超美人だと定評のある、西園寺光。
絶対ありえない。
てか、俺より先にこいつに彼女ができるということが、絶対おかしい・・・。こいつには失礼だけど。
「んで。断ったわけ??」
「ふぇ?え、あ、うん、断ってきたよー。」
「ふーん。」
まぁ、ここは付き合ってもらうより、こうしてもらった方が良かったのかもしれない。
ん・・・、と鏡花がのびをする。
「・・・・・・蓮くんは、彼女とかつくんないの??」
「・・・え?まぁ、うん・・・」
微妙な返事をする俺。
まぁ、彼女は欲しいっちゃぁ欲しいけど・・・・・・。
でも、なんかいたらいたで面倒そうだしな・・・・・・。だから―――。
「うん。俺、いま彼女いらないわ。鏡花がいれば、それでいいし。」
言うと。
ぼっ、と鏡花の顔が赤くなった。
・・・・・・俺、なんか言った??
「・・・あれ・・・鏡花??どうかしたか?」
俺は、鏡花の顔を覗き込む。
すると、また赤くなって恥ずかしそうに俺を見上げた。
「蓮、くん・・・。」
やべぇ、なにこれ。
超かわいいんだけど!!!
て・・・・・・鏡花が思いっ切り俺を抱きしめてきた。
「えっ!?ちょ、鏡花?ちょっと、どうし・・・・・・」
「蓮くん。
僕ね、蓮くんのこと、大好きだよ。だから―――彼女なんて、つくらないでよね。」
頬を真っ赤にし、うつむく鏡花。
・・・・・・ったく、こいつはなにを言ってるのやら。
でもまぁ。
そんな鏡花のことが、俺は好きで。
これはどうやら、俺からの、鏡花への告白らしかった―――――――――。